【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
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#70 [「大好きな赤」向日葵(2/2)]
ホラ見て?
頭も、胸も、口も……全部赤じゃない。
赤にしたてるための道具のナイフも赤。
この子から出てきた液体も赤。
そして……それに触れた私の手も……赤。
でもね、周りのほとんどが、赤になっちゃったの。
他に赤くするのが無いわ……。
その時、ふと鏡を見た。
やだ……私赤くないじゃない……。
赤く……赤く……真っ赤にしなくちゃ……。
赤く染まったナイフを、胸の中で脈を打つ場所めがけて突き立てる。
これで私も……
……――――アカ
:08/03/04 03:36 :SO903i :MhC0f226
#71 [夢見て、常日頃(1/2)◆vzApYZDoz6]
静かに寝息をたてる男。
その顔が、徐々に歪んでいく。
「……うわああっ!」
叫びに近い唸りと共に、男がベッドから跳ね起きた。
額に滲む汗を拭いながら、今の状況を確認する。
床に乱雑に置かれた雑誌や漫画。テーブルに置かれた、ぬるくなったお茶が淹れられたコップ。主電源を切り忘れているテレビ。
そこは、男の部屋だった。
「…何かアレな夢だったな」
上半身を起こしたまま目をこすり、もそもそとベッドから出る。
よく分からない夢だったが、なぜか頭に焼き付いている。
ボーッと夢の事を考えながら、とりあえずテレビの主電源を切る。
壁に掛けられた時計を見ると同時に、階下から母親の声が聞こえてきた。
「あんた、早く起きなさい!遅刻するよ!」
時刻は8:05。
別に間に合わない訳でもないが、朝飯は食えないだろう。
いつもの朝と同じ風景。
まだ夢が頭から離れず、考えながら割かし急いで制服に着替える。
その途中で、母親とは違う声が外から聞こえてきた。
「ちょっと早くしてよ!私も遅刻するじゃない!」
2階の窓に向かって叫ぶ幼馴染み。
俺はいつも彼女と一緒に学校へ行っている。
いつもの朝と同じ風景。
今日はあの夢の話を幼馴染みにしようかな。
そう考えながら階段を下りていく。
:08/03/04 04:19 :P903i :KmOF1cpQ
#72 [夢見て、常日頃(2/2)◆vzApYZDoz6]
1階の食卓の上には、おそらく俺のために作られたであろう朝飯が並んでいる。
味噌汁にご飯、納豆、サンマの塩焼き。なんとも伝統的な日本食だ。
いつの間にか家に上がっていた幼馴染みが、その朝飯に手を出していた。
途中で俺に気付き、慌てて味噌汁を啜る。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい。気を付けてね」
食べかけの朝飯を名残惜しげに見つめる幼馴染みの腕を引っ張り、玄関を出る。
いつもの朝と同じ風景。
通学路で、早速今朝見た夢の話をしてみる事にした。
「あのさ、今日変な夢を見たんだけど」
「あんたの夢なんか知らないわよ」
あっさりと切り捨てられた。
まぁ彼女はこういう性格だ。無駄にツンデレだから仕方がない。
「できれば聞いてほしいなー、なんて」
「………話しなさい」
幼馴染みの顔が少し優しくなる。
じゃあ、と切り出して夢の話をし始めた。
もちろん夢の話なんて最初だけで、5分も経てば話題は変わるんだが。要するに夢の話は、会話を始めるきっかけだ。
いつもの朝と同じ風景。
でも、いつもより幼馴染みの肩が近かった。
:08/03/04 04:20 :P903i :KmOF1cpQ
#73 [始まりは白紙から(1/1)◆vzApYZDoz6]
「食らえ、断罪の左手!」
「漆黒の渦潮よ、飲み込め」
男が斧と化した左手がふりかぶるのを、女は微動だにせず佇んでいる。
だが左手が振るわれる前に、2人の眼前に闇が現れた。
闇は、2人を包み込んで――
「懐かしいな、小学生の自由帳か」
ページを捲る音。
闇となったページの次は、真っ白だった。
部屋を片付けていたら出てきた、あの頃の思い出。
ページの片隅にいる『彼ら』の冒険は、あの頃から時間が止まったまま。
そして今、真っ白なページに十数年振りに冒険が書き込まれる。
『彼ら』の旅が、再び始まろうとしていた。
:08/03/04 20:48 :P903i :KmOF1cpQ
#74 [◆vzApYZDoz6]
ところで皆さんお題の存在は知ってるんですかね?
>>2にお題があります
まぁお題を使う必要は別にないんですが…
しかし参加者が少ない…
:08/03/04 20:52 :P903i :KmOF1cpQ
#75 [リナ「死にたがりスティング」1/2]
スティングスティング
彼はスティング
スティングスティング
死にたがり
僕が知ってるだけでも10回は馬に蹴られ、それ以上に滝にのまれてる。
何でそんなに死にたいの?聞いたんだ。
なんて言ったと思う?
死ぬのが生きがいなんだって。
ふふっ笑っちゃうよね。
今はこの町で一番高い灯台の天辺にいるよ。
今日はあそこから海に飛び落ちるんだって。
でもスティングは死なない。
なにをしても死なないよ?
スティング以外みんな知ってる。
スティングの秘密。
でもスティングには絶対教えてあげないんだっ。
:08/03/04 21:37 :N905i :☆☆☆
#76 [リナ「死にたがりスティング」2/2]
スティングスティング
彼はスティング
スティングスティング
僕の友達
僕のひいお爺ちゃんより長くこの村にいるスティング。
こっそり教えてあげよーかな?
人は二度死ねないんだよって。
END
:08/03/04 21:38 :N905i :☆☆☆
#77 [◆vzApYZDoz6]
:08/03/04 22:04 :P903i :KmOF1cpQ
#78 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
:08/03/04 22:13 :SH905i :☆☆☆
#79 [[双子の正体]蜜月◆oycAM.aIfI]
あたしとアイはいつも一緒。
ご飯のときも、寝るときも、お風呂も歯磨きもぜーんぶ一緒。
あたしとアイはすごく高いところにあるお部屋に住んでる。
お父さんはビルって言ってた。
ベランダっていう窓からお外が見えるけど、危ないから出ちゃダメなんだって。
一緒に住んでるお父さんは、二人目のお父さん。
一人目のお父さんは優しくていつも一緒に遊んでくれて大好きだったけど、いなくなっちゃった。
それから今のお父さんのお家にお引っ越ししたの。
でも今のお父さんは一緒に遊んでくれないしお仕事であまりお家にいないから、あたしは前のお父さんの方が好きなんだ。
お父さんには秘密だよ。
あたしは公園が大好き。
ブランコとかお砂場とかジャングルジムとか、楽しいのがいっぱいあるから。
でも、公園には行っちゃいけないの。
今はぶっそうなよのなかだからってお父さんが言ってたけど、あたしもアイもよくわからない。
一度お父さんがお仕事に行ってるときに、アイと二人でこっそり公園に行こうとした。
でもお部屋のドアが開かなくて、出られなかった。
:08/03/05 00:39 :SH903i :sHcifOgU
#80 [[双子の正体]蜜月◆oycAM.aIfI]
今のお父さんのお家に来てから、あたしはお外で遊んでないの。
アイと二人で、お父さんがつくったごはんを食べたり、テレビを見たりしてる。
でも、アイはお外に出てるの。
あたしが寝てる時にお父さんに連れて行ってもらってるんだって。
アイがお外に行った次の日は、あたしにお外の話をしてくれて楽しい。
でも、どうして?
アイとあたしはいつも一緒なのに。
どうしてアイだけお外に出られるの?
アイに聞いてみたけど、テレビを見ててお返事してくれなかった。
今日のお天気は雨で、いつも窓から見てるお外がよく見えない。
アイがあたしを呼んでる。
なあに?
――お外に出たい?
出たいよ。公園でブランコにのりたいな。
――じゃあ次にお父さんとお出かけするときは代わってあげる。
ほんと?
――うん。
夜、お父さんがアイを呼んだ。
あたしはアイのふりして、お父さんと一緒にお部屋を出た。
ひさしぶりにお外に出てうれしかった。
:08/03/05 00:45 :SH903i :sHcifOgU
#81 [[双子の正体]蜜月◆oycAM.aIfI]
でもお父さんがあたしに言ってくることがよくわからない。
“ほてる”とか“ごほうし”とかむずかしい言葉で話しかけてくる。
お父さんが運転する車にのっていたら、ピカピカ光ってきれいなお城に車のまま入っちゃった。
お父さんと一緒に車をおりて、お城の中のお部屋に入った。
お父さんがお風呂に入りなさいって言ったけど、あたしはアイと一緒じゃないと入れないの。
だから、今日はお風呂いらないって言ったら、お父さんが服を脱がせてくれた。
お父さんが一緒にお風呂に入ってくれるのかと思ったけど、違った。
お部屋の真ん中にあるおっきなベッドに寝かされて、お父さんの手があたしの体のいろんなところを触ったりなでたりしてる。
お父さん、なにしてるんだろう?
――まだあなたにはわからないね。
アイ?
お父さんは、なにをしてるの?
アイとお父さんはいつもこんなことしてるの?
――逃げないで。ちゃんと向き合って。本当は知ってたんでしょ?
アイ、なにいってるの?
――あの人と、したことを。知ってたんでしょ?
やだ……。
――あなたが消したい記憶を、全部あたしが背負ったの。
やめてよ……聞きたくない!
――聞いて! あたしは……
その瞬間、全部思い出した。
アイは、あたし――。
:08/03/05 00:51 :SH903i :sHcifOgU
#82 [蜜月◆oycAM.aIfI]
ごめんなさい!
名前のとこにレス数書くの忘れちゃいました…(´Д⊂
:08/03/05 00:58 :SH903i :sHcifOgU
#83 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
:08/03/05 01:04 :SH905i :☆☆☆
#84 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>83 ふむさん
はい、3レスで一本です!
失礼しましたっ(´・ω・`)
:08/03/05 01:16 :SH903i :sHcifOgU
#85 [◆vzApYZDoz6]
:08/03/05 01:46 :P903i :/Un8CKCQ
#86 [ありがとう。さようなら(1/3)]
始まりは、1本の電話からだった。
『みかんは好きですか?』
好きです、と答えると、相手が楽しそうに声を弾ませる。
『みかんと言えばこたつ、こたつと言えばみかん。この無限ループって素敵じゃないですか?私は日本人が忘れてしまったこたつ文化を思い出してもらうためにこうして電話したんです。こたつでぬくぬくとしながら、甘いみかんを頬張る。テレビを見るのもオツですね。是非ともこたつを出してみてはどうですか?』
そうまくし立てて電話がぷっつりと切れた。
「こたつか、懐かしいな。じいちゃんが死んでから出してないな、そういや」
俺はばあちゃんを呼びつけて、こたつをどこにしまったのか確認する。
聞いた俺は居間に向かい、こたつを押し入れから引っ張りだした。
アナログな24インチの角形テレビの前に来るようにセッティング。
篭にみかんをなるだけ放り込み、こたつの上のど真ん中に置いた。
こたつのコンセントを差し込んでセット完了。
雪でも降ってりゃ完璧なんだけどな。
そう考えていると、ばあちゃんがやって来た。
「あら、こたつをしまったのはどこだ、って聞いたと思ったら」
「懐かしいだろ?」
「そうだねぇ。入っていいかねぇ?」
「もちろんだよ。このこたつには、俺には平成の、ばあちゃんには昭和の思い出が詰まってる。謂わばタイムマシンさ」
「あらあら、面白そうだね。そいじゃタイムトラベルといこうかい」
:08/03/05 01:47 :P903i :/Un8CKCQ
#87 [ありがとう。さようなら(2/3)]
俺とばあちゃんはこたつに入って、テレビを見ながら話を始めた。
思出話に花を咲かせる。
こたつでぬくもった体を、冷たいみかんを頬張ることで弛緩させる。
いい意味で腑抜けた状態で、それでも話のネタが尽きる事はない。
じいちゃんとばあちゃんの思い出、母ちゃんの子供の頃の事、父ちゃんが挨拶に来た時の事、姉ちゃんの笑い話、母ちゃんがまだ赤ん坊の俺を連れてきた時の事。
話題に上がったみんなは、俺とばあちゃんを残してもういない。
ばあちゃんがとても穏やかな顔で話を続ける。俺も記憶をたどり、いなくなったみんなを思い出していく。
「…なぁばあちゃん」
「なんだい?」
「寂しく、ないの?」
ばあちゃんは少しきょとんとした顔をして、やっぱり穏やかに笑った。
「私はね、いなくなったみんなを覚えているよ。おじいさんも、あんたの父ちゃんも母ちゃんも姉ちゃんも。今こうしてこたつでみかんを食べてると、みんなを思い出すんだよ。だから、少し悲しくなるねぇ。でも、寂しくはないんだよ」
あんたが、いるからねぇ。
そう付け加えて、ばあちゃんは天気予報に目をやった。
俺は天気予報を見て、居間を出てすぐにある庭に面した廊下の、大きな窓へ向かった。
外は、雪がちらついていた。
:08/03/05 01:48 :P903i :/Un8CKCQ
#88 [ありがとう。さようなら(3/3)]
「…ばあちゃん」
外を見たまま、言う。
「なんだい?」
「俺さ、今までみんなの事で泣けなかったんだ。泣かなかったんじゃなくて、泣けなかった。みんな唐突だったから、頭が理解してなかったんだと思う」
「知ってたさ」
「俺はそれでいいと思ってた。泣かない方がいいんだ、って」
少し外を眺めて振り返る。
「でも、さ。みんな…優しいよな」
優しい雪を後ろに、居間を見る。
こたつを囲んで。
ばあちゃんの対面にじいちゃんが。
2人の間に、父ちゃんと母ちゃんが。
俺が座ってた隣に姉ちゃんが。
みんな、穏やかに。優しく笑っていた。
「…あの電話に感謝しなきゃな。言い忘れてた事を言える事に」
俺も笑い返した。
みんなを忘れないように。
でも、ちゃんと言えるように。
「ありがとう。さようなら」
やっと泣けるな。
俺は、そう小さく呟いた。
ばあちゃんは、ずっと穏やかに笑っていた。
:08/03/05 01:49 :P903i :/Un8CKCQ
#89 [ボン太]
ヤッホーい
飛び入り参加と聞いてこのボンタ様がやってきたぜー
「ふもっふもふも!」
ハハハなーに遠慮することはないぞ皆の諸君!!
ハーハッハッハッ
ハーハッハッハッ
ハーハッハッハッ
……………ふぅ
:08/03/05 02:01 :N902iX :MVHHZNIk
#90 [◆vzApYZDoz6]
>>89いいぞ参加者が増えてきた!www
ガンガン参加してくれ!
:08/03/05 02:25 :P903i :/Un8CKCQ
#91 [Bloody Valentine(1/1)◆vzApYZDoz6]
「何ですかこれは何なんだ。今の状況を説明しろ簡潔に20字以内で説明しろ」
教室の真ん中で佇む女子生徒に、自分でもキモいと思うぐらい早口で問う。
まったく混乱していた。
朝教室に向かうと、そこは血の海。
ありきたりな比喩表現なんかじゃなく、本当に。
床は一面、どす黒く変色した赤。
壁には引き摺られたような、吹き掛けられたような、ぶちまけたような凄惨な血の跡。
真ん中でスパッと両断されてる机や椅子が、血の海に転がっている。
その中央に、クラスメイトであるその女子が立っていた。
ぶっちゃけると片想いしてる女子なんだけど。
今はそいつに説明責任を突き付けている真っ最中。
「…説明がいるのか?」
「普通に考えて当然だろ」
いや、別に説明しなくても彼女の手に握られた赤い刀身の日本刀を見れば、だいたい分かるけど。
そういや彼女は剣道部だったな、等とあまりにズレた考えが頭を過った。
まぁ1つ救いがあるとすれば、他のクラスメイトの死体が無いって事か。
全然救いにならねぇと思うだろうが、仲が良い奴の惨殺死体があるよかマシだ。
「…教室が、血の海だ」
「あー分かった俺が悪かった質問変えるわ。何で血の海だ?」
黒髪を靡かせて仁王立ちする彼女はやっぱり綺麗だ。
むしろ返り血を浴びて普段より綺麗だ。
いやいや、こんな状況で見とれてどうするんだよ。
「…私がやったんだ」
そう言うと彼女は俺との距離を一気に詰めた。
「お前も私のために紅になってくれ」
私のため、ってのは嬉しいが何の道理だそりゃ。
何でだよ、とまた説明を求めた俺の声は、首に刺さった刀身に邪魔されて喉を通らなかった。
:08/03/05 02:28 :P903i :/Un8CKCQ
#92 [トイレ借りたいシュール(1/2)◆vzApYZDoz6]
ピンポーン
「………………」
ピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポ
ガチャ
「インターホンを連打するんじゃねぇ!」
「いいじゃんお前んちだし」
「ほう。俺んちなら何をしても許されると」
「火を着けても許されると思ってます」
「帰r」
「お邪魔しまーす!」
「うむ。言い得て妙なり。…で何しに来た?」
「ウ○コしに来た」
「なるほど、トイレを貸してもらえるのはお前の中で決定事項か。あ、その一番奥ね」
「サンキュー!」
:08/03/05 02:43 :P903i :/Un8CKCQ
#93 [トイレ借りたいシュール(2/2)◆vzApYZDoz6]
ガチャ
「…えっ?」
「おっと、可愛らしい子がパンツを下ろしt」
「キャー!!」
「ところで何してるの?」
「…えっ?いや、えっと…」
「大便だろどう見ても」
「ああ、どうりで」
「小です!!ていうかどうりでって何!?」
「これはいい」
「つうか鍵閉めとけよ」
「その前に早くドア閉めてよ!!」
「…………」
バタン
「と言うわけですまんがもうちょい我慢してくれ」
「あっ、満足したからもういいや」
完…?
:08/03/05 02:44 :P903i :/Un8CKCQ
#94 [選ばれた男(1/2)に]
ああなんだ、気付かなかったよ。私はなんて愚か者だったんだ。
いつも見上げていた空はこんなにも青く清々しく広がっていて。
春の匂いを漂わせた風が私の鼻をすり抜けていて。
あたたかい。
あたたかい。
ああなんでこんな素晴らしいことに気付かなかったのだろう。
私は真の愚か者か。
でもどうだい、つまらない人生を送っていた私でも
毎日は素晴らしいと気付けた!
私は覚醒した!
なんてことだろう。
これに気付けただけで周りの風景はこんなにも変わるものなのだろうか。
どうして今まで気付けなかったのだろう。
私はてっきり、自分が普通のつまらない人間だと勘違いして、普通に生きてきてしまったのだ。
それが、だ。
自分にこんな力があったなんて。
春の朝、仕事の準備をしていた僕の目の前に、突然君が舞い降りて
貴男は
選ばれた戦士だ
なんて言うものだから、戸惑うのが当たり前じゃないか。
だが今なら信じれる。
だから思えるんだ。
これほど生きていて良かったと思う日は、無い。ってね。
:08/03/05 17:16 :N904i :CoKvvlsU
#95 [選ばれた男(2/2)に]
私はもう年を取りすぎたからと、断ろうとしたのに
今からでも遅くはないと君は言ってくれたから。
ああなんて素晴らしいのだろう。この沸き上がる喜びはなんだろう。
そう、これはチャンスだ。レールの上に敷かれた人生から、飛び出すチャンスだ!
私は素晴らしい世界を知らない。虹色に輝く毎日を知らない。味わったことがない。煌めいた景色を。素晴らしい人達を。まだ見ぬ敵を。
見てみたい。
見てみたい。
見たいんだ。
旅立ちは、今だ。
少しの金と食料があれば充分だ。仲間は、旅先で増えていくさ。
親には、伝説になった時にまた顔を見せに行けばいい。家庭を持っていない私には持ってこいの条件ではないか。
―準備は、できた。
心臓が高鳴っている。体中を暴れる様に強く血液が波打っている。重い腰を上げた私の膝が、震えている。
でも私はもう逃げない。振り返らない。
強くなりたいなら前へ進めと君が教えてくれたから。
額に流れる汗を吹く。もう大丈夫、大丈夫だ。怖くないと言えば嘘になるが、それ以上の希望が私にはあるんだ。
私を待っているのは、輝く未来だ!!!!!!
そうして私は、君に教えて貰った通り
ビルの屋上から飛び降りた。
:08/03/05 17:23 :N904i :CoKvvlsU
#96 [◆vzApYZDoz6]
:08/03/05 21:38 :P903i :/Un8CKCQ
#97 [◆vzApYZDoz6]
:08/03/05 21:39 :P903i :/Un8CKCQ
#98 [◆vzApYZDoz6]
:08/03/05 21:40 :P903i :/Un8CKCQ
#99 [◆vzApYZDoz6]
:08/03/05 21:40 :P903i :/Un8CKCQ
#100 [◆vzApYZDoz6]
さて、まとめもえらい量になってますがw
100レス突破しました!
と言うわけで新たにお題を追加したいと思います
お題
@電車
Aささやかな幸せ
B手紙
C都会
>>2のお題も引き続き使っておkです!
もちろんお題を使わなくてもおk!
引き続きC―Boxの皆様の参加&投下待ってます!
:08/03/05 21:47 :P903i :/Un8CKCQ
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