【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
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#340 [[パン屋とケーキ(1/3)]蜜月]
残酷な描写があります
ある町に、働き者の夫婦が営むパン屋がありました。
何十年も前からあるそのパン屋は、店構えこそ古くてみすぼらしいものでしたが町のみんなからとても愛されていました。
何故なら夫婦が作るパンはみんな、魔法をかけたように甘くて柔らかくておいしかったからです。
しかし、町のみんながパン屋を愛する理由はそれだけではありません。
そのお店では一日三つ限定で飛び切りおいしいケーキが作られるのです。
町の大人たちは一人残らずそのケーキに夢中で、毎朝パン屋の前に並びました。
夫婦がお店を開けるとケーキは必ずすぐに売れてしまい、買えなかったお客さんは次の日の朝を待ち遠しく思うのでした。
「もう無いのかい?」
「すまないねぇ」
「どうしてこんなに少ないんだい?」
「すまないねぇ」
「このおいしさの秘訣はなんだい?」
「そりゃあ秘密さ」
お客さんたちは不思議に思いながらも毎日お店に通いました。
夫婦は毎晩、お店を閉めると車に乗り込み隣町の火葬場へ向かいます。
火葬場に着くと、そこで働く男にお金を渡し代わりに大きな荷物を受け取ります。
麻袋に入った重そうな荷物を車に詰め込んでお店に戻ると、夫婦はそれを二人がかりで厨房に運びました。
火葬場で買ったのは、飛び切りおいしいケーキの材料でした。
麻袋から取り出した白い食材に、パン屋の主人が包丁を入れます。
腕、足、首、腹、細切れになってゆく白い食材。
飛び切りおいしいケーキの材料は、幼い少年少女の死体でした。
:08/05/08 13:42 :SH903i :hl2laBBQ
#341 [[パン屋とケーキ(1/3)]蜜月]
素晴らしい包丁捌きで食材を切り分けると、次は奥さんの出番です。
目玉と舌と脳みそをミキサーにかけて、ドロドロになったところで抜いておいた血を混ぜ、さらにミキサーを回します。
肝臓や胃腸は挽き肉にして、茶色くカリカリになるまでフライパンで炒めます。味付けは、塩胡椒を少々。
心臓を薄くスライスすると、砂糖をまぶして小鍋で煮詰めました。
厨房には血の臭いと肉が焼ける香ばしい匂いが充満しています。
その間に主人はケーキの生地を作ります。
耳たぶやほっぺ、唇など体の中でも柔らかい部分を細かく刻んで生地に練り込みました。
両手と両足の爪を剥いでやすりで粉末状にすると、それも生地に練り込みました。
これをオーブンで焼けば、スポンジの完成です。
奥さんが焼けたスポンジを横半分に切って、間に心臓のスライスや内蔵の炒めものなんかをたくさん敷き詰めました。
次に不自然なほど真っ黒なドロドロ脳みそ入りチョコレートクリームを生地に塗りつけていきます。
ケーキを三つに切り分けて、最後に緑のミントをちょこんと乗せたら出来上がり。
夫婦は今日もケーキの出来栄えに満足しました。
ニコニコしながら残りの白い食材を焼いたり煮たりして平らげ、一日の仕事を終えました。
次の日、やはり開店と同時にケーキは売切れ。
一人の男が奥さんの耳元でヒソヒソ囁きました。
「オレが材料を調達するから、もっとたくさん作ってくれないか?」
「かまわないよ」
奥さんはニコニコと答えます。
男は「じゃあ夜中に」と言って店を飛び出してしまいました。
その夜、男は死体を二つ持ってきました。夫婦が火葬場で買ったのと合わせて三つ。
その夜の作業はとても大変でした。
:08/05/08 13:45 :SH903i :hl2laBBQ
#342 [[パン屋とケーキ(1/3)]蜜月]
けれど次の日、店頭には九つのケーキが並びました。
お客さんたちは大喜びです。
「明日も頼むよ」
「そりゃどうかな」
ケーキを買えたお客さんも買えなかったお客さんも、明日が楽しみで仕方ありません。
しかし町では子どもが次々と消えてしまう事件が起こっていました。
そう、夫婦に死体を渡した男は町の子どもたちを殺していたのです。
でも夫婦にはそんなこと関係ありません。
おいしいケーキが作れればそれで良かったのです。
そしてそれは町の大人たちも同じでした。
彼らも、おいしいケーキが食べられるならそれで良かったのです。
子どもが一人消え、ケーキが三つ増える。
子どもが二人消え、ケーキが六つ増える。
町の大人たちは気付いていました。
けれど毎日パン屋に通います。
ケーキのおいしさに夢中だったのです。
町の大人たちは昨日も今日も、きっと明日からも毎日、ケーキを買いにやってきます。
町に子どもが一人もいなくなってしまっても。
「もう無いのかい」
「すまないねぇ、また明日来ておくれ」
今日もケーキは売切れです。
飛び切りおいしいケーキ、あなたは食べてみたいと思いますか?
:08/05/08 13:49 :SH903i :hl2laBBQ
#343 [蜜月◆oycAM.aIfI]
あぁ…全部(1/3)になっちゃった(´・ω・`)
久しぶり過ぎて忘れてましたw
>>341が(2/3)
>>342が(3/3)です
あと酉つけてませんが本人です(^ω^)
評価していただけると嬉しいです!
:08/05/08 13:54 :SH903i :hl2laBBQ
#344 [我輩は匿名である]
内容と地の文のミスマッチがいいかんじ。
後、個人的な感想だとグロさが中途半端なことと最後の文の
飛び切りおいしいケーキ、あなたは食べてみたいと思いますか?
これはいらないんじゃないかな。
:08/05/08 14:23 :SH903i :☆☆☆
#345 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>344さん
ありがとうございます!
そうですね…、グロいの好きな方には物足りないですよね(;´д`)
最後の終わり方も少し悩んだんです。ご意見聞けて良かったです!
またお願いします(´∀`)
:08/05/08 14:40 :SH903i :hl2laBBQ
#346 [我輩は匿名である]
おかしいね。グロに耐性ないはずなのに。
それはともかく、私でよかったらいくらでも感想言うよ。
:08/05/08 16:19 :SH903i :☆☆☆
#347 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>346さん
なかなか投稿出来ませんが是非お願いします(´∀`)
:08/05/08 17:33 :SH903i :hl2laBBQ
#348 [◆vzApYZDoz6]
蜜月さん乙でーす
そろそろまとめに入るかな…
:08/05/09 06:25 :P903i :BfoOQUWI
#349 [◆vzApYZDoz6]
:08/05/10 00:18 :P903i :IvGEYiyI
#350 [◆vzApYZDoz6]
:08/05/10 00:18 :P903i :IvGEYiyI
#351 [◆vzApYZDoz6]
たいせーさんの作品
螺旋〜終わりなき戦い〜外伝(1/1)
>>313東脂ヤ唐ウんの作品
君とコーヒー(3/3)
>>332-334なお、タイトルのない作品は文中から抜粋してタイトルをつけました。
現在の作品数集計
1レス短編:33
2レス短編:35
3レス短編:36
総作品数:104
:08/05/10 00:19 :P903i :IvGEYiyI
#352 [◆vzApYZDoz6]
現在のお題
@雨
Aあの頃の思い出
B電話
C卒業
D電車
Eささやかな幸せ
F手紙
G都会
H未来
Iアルバイト
J忘れられない
K空
L窓
M指輪
N怒り
O葬式
まとめ&作品数集計&現在のお題
>>349-352:08/05/10 00:20 :P903i :IvGEYiyI
#353 [◆vzApYZDoz6]
さてさて、保守ネタが多く見受けられますがw
総作品数が100を突破しました!
だからって飽きずに、どんどん投下してくれると嬉しいですw
つうかお題の存在忘れてたよ俺w
みんな、思い付かなければお題を使っていきましょー
そして、まだまだ参戦者待ってますよー!
なんか謙遜してる人が沢山いてらっしゃるくさいですが、とんでもない!w
むしろ過疎だから気にせずジャカスカ投下してくだしあw
おい、そこのロムラー!
作品を読んでいて沸いてきた創作意欲を、このスレにぶつけやがれ!w
:08/05/10 00:27 :P903i :IvGEYiyI
#354 [紫陽花]
総作品数100突破おめでとうございます!!(・∀・)
これからもSSSを広めていきましょう!!ヽ(´ー`)ノ
:08/05/10 07:44 :F905i :nOBm1ONU
#355 [東脂ヤ転
総作品100突破おめでとうございますッ♪♪
かなり保守的なネタしか持ってませんがww
また是非参加させて下さい(^O^)/
:08/05/10 16:31 :W52P :r2MwaZYU
#356 [死神さんとおんなのこ【1/3】有]
とある世界のとある時代で、あるときたくさんの人がいっきに自殺をする時期がありました。ちょうどその頃は世界中が不安定で、未来に希望を見出せなくなってしまった人がたくさん自殺をしたのです。ある人は妻子を見捨てた夫、ある人は長年付き添った老夫婦、ある人は誕生日を翌日に控えた子供でした。
そんな人たちは死んだ後、生前の未練を晴らして成仏できるように、死神のところへ行って手ほどきを受ける必要がありました。死神たちには各々に「部屋」があって、一人の魂が成仏するまでその部屋に入れてはいけないという決まりがありました。その部屋は、いわば「相談室」のようなものでしたから。その部屋の中で、死神は魂の行く末を見張ったり、たまに愚痴を聞いたりします。
しかし、なにせあまりにも自殺者が多かったので、一人の仕事が増えて仕方がありませんでした。その死神も忙しいうちの一人でした。もともと仕事が好きでない上に、人間嫌いで面倒臭がりでした。隙があればすぐさぼろうとしました。そんな死神でしたので、ある女の子の担当になったことは、周りの死神たちからの「仕事しろ」というささやかな仕返しでもありました。
そう、その女の子は、とてもやっかいな人間だったのです。
:08/05/10 21:31 :PC :gCO4Pifc
#357 [死神さんとおんなのこ【2/3】有]
「わたしは仕事が嫌いです。」
「うん。それで?」
「あなたには早く成仏してこの場所から去って欲しい」
「でもあたし後悔なんてないよ、死神さん」
「嘘を言いなさい。でなければこんなところに来たりしません。」
「ねーえ、それよりさっ。つまんないから死神さんのお仕事の話でも聞かせて。気になるんだ。」
女の子は、ハルという名前の明るい子でした。とても人生を悲観したりしなさそうな、元気な子です。ですから、周りの死神たちもなぜ彼女が自殺をしたりしたのか、分からなかったのです。ですが、仕事は増えるばかり。手をこまねいていたら詰まってしまいます。仕方なく預けたのがこの死神でした。しかし、どんな死神であろうと、厄介者は厄介者でした。
「仕事は、あなたたちのような面倒な人間を成仏させることです。」
「へえ。どうやって?」
「本人に、残した未練を思い出させるのです。しかしあなたは一向に思い出してはくれない」
「確かに何にも憶えてないねー」
「これだから面倒事は嫌いなんです。あなたが例外であれば強制消去できるというのに」
強制消去とは普通の自殺者でないとき…例えば犯罪者や手違いであった場合などに、死神が魂を強制的に消すことをいいます。
彼女は例外であるのか、それすらも分かりませんでした。
:08/05/10 21:50 :PC :gCO4Pifc
#358 [有]
打ってたやつ全部消えました。まじで死にたいです
後日再投稿してもいいですか?
:08/05/10 22:36 :PC :gCO4Pifc
#359 [◆vzApYZDoz6]
>>358それ、分かります…
俺も現行の書き溜め12レス分を間違えて消してしまったときは携帯投げました、比喩じゃなくガチでw
全然いいですよ!
1度全部書いてからコピペして投下すれば、消えてしまう確率は下がると思いますよ
:08/05/11 04:03 :P903i :Ihm.lYII
#360 [◆vzApYZDoz6]
あげまーす
:08/05/16 00:47 :P903i :hRPlghPg
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