【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
最新 最初 🆕
#1 [◆vzApYZDoz6]
ここは全員参加型の超短レス短編【SSS(ショートショートストーリー)】投下スレです。
このスレを開いたあなたも参加可能ですよ!

ルールは
・3レス以内であること
ただ1つのみ!
ジャンルも、恋愛・ファンタジー・バトル・ミステリー・ホラー・シリアス・エロetc何でもあり!どんと来いwww

トリップ推奨!
投下する時は、普段使ってるHNの前に
作品名(現レス数/全レス数)
と入れましょう!もちろん名無しさんでも参加OK!

例えば全3レスでタイトルが『あいうえお』なら、名前欄に
あいうえお(1/3)
と入れればいい訳です
こうすれば他の人と被ったりしても読みやすい筈w

>>2-5辺りへ続く

⏰:08/03/03 01:48 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#2 [◆vzApYZDoz6]
書き手さんが息抜きに使うもよし、書き手になりたい読み手さんが練習に使うもよし!
1人何作品投下しても構いません!

『書きたいけど、どんなん書けばいいのかわかりまへーん』
そんな小説初心者のために、お題をいくつか用意しましたよー^^

お題
@雨
Aあの頃の思い出
B電話
C卒業

お題をそのままタイトルにしてもよし、お題をテーマにしてもよし。
もちろん、お題を使わなくてもOK!

⏰:08/03/03 01:49 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#3 [◆vzApYZDoz6]
小説のスタイルも問いません!
会話だけでも、地の文(会話以外の文)だけでも、両方混ざっててもよし。
一人称だろうが二人称だろうが三人称だろうが構いません!
書き手さんなら、現行小説を小説で宣伝するのもありww
その場合は名前欄のタイトルに〜の宣伝小説とでも書きましょう!

とにかく『3レス以内』であれば何でもありです!
才能溢れる作家達の参加を待ってますよ^^

⏰:08/03/03 01:50 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#4 [◆vzApYZDoz6]
アンカー
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/03/03 01:51 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#5 [往年のライバル(1/1)◆vzApYZDoz6]
では手始めに俺が(コピペですが)

腰に構えた左手という鞘から、竹刀という刀を引き抜く。
鞘から手を離し両手で柄を握りしめ、一度頭上へ鋒を持っていき、ゆっくりと降ろしていく。
幾度となく繰り返した正眼の構え。構えたまま流れるように膝を折って腰を降ろし、蹲踞の姿勢に移行する。
正中線の延長線上に伸びる竹刀の先には、同じように構えて蹲踞する対戦相手。
面の影になって顔はまったく見えないが、俺の記憶が視神経を経て勝手に顔を形作る。
去年の同じ日、決勝で負けた相手。一昨年の同じ日、準決勝で負けた相手。
順当に行けば今年の今日の決勝戦は勝てる、なんて俺の都合のいい考えだろうか。
どちらにしろ、奴も俺も今日が高校最後の公式試合。お互いに悔いの残らない試合にしたいものだ。
向き合う俺と奴の間に、主審の右手がゆっくり下がってくる。
合図と共に上がったその瞬間に、いつも俺の思考は断ち切られる。
反復練習で体に染み着いた『自分の剣道』が、必ず勝つという確固たる意思の下で俺を勝手に制御するんだ。
いつであろうとそれは同じだったが、それでも奴にだけは負けてきた。
だが見ていろよ。今日は、今日こそは――

「始め!!」

主審の声に思念が強制的に打ち切られる。体が勝手に面を放つ。
出鼻はお互い決まらない。決まっていても多分次の動作に入ってただろうけど。

さっきの思念は結果に変えて思い出す事にしよう。

最後に勝つのは俺だ、ってな。

⏰:08/03/03 01:54 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#6 [奇怪な電話(1/2)◆vzApYZDoz6]
「まいったなー…」

男は頻りにそう呟きながら、自分の家をあちこち見回していた。
2階建1軒家の1階を、2階で眠る妻や息子を起こさないように、そっと。だがしかし焦ったように探しまわる。
ふと壁に掛けられた時計を見ると、時刻は朝6時。
家に帰ってきたのは5時頃だ。
友達の家で呑み明かした後タクシーで帰り、家に着いてから風呂に入り、朝飯を食べて、さぁ今から寝よう、という時に気が付いた。

携帯電話が見当たらない。

男はかれこれ10分程ずっと探し回っている。
家に帰ってから2階には1度も行ってないのだから、2階にあるはずはない。
たがいくら探そうとも1階にも見当たらない。

「しまったな…あいつんちに忘れてきたかな?」

男はまいったというように後頭部を掻きながら、家の電話の子機を手に取る。
その時に最初からこうしていれば良かった事に気が付いた。
恥ずかしかったのだろうか。男が振り返って、誰に見られてる訳でもないのに後ろを見回した。
自嘲ぎみに鼻で笑い、登録された自分の携帯電話に電話する。起きていれば友達が取るはずだろう。
受話器を当てた右耳から流れるコール音は、なかなか途切れない。

⏰:08/03/03 02:14 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#7 [◆vzApYZDoz6]
「もう寝ちまったか…」

また掛けなおすか、と耳から受話器を離す。
だが終話ボタンを押そうとする前に、僅かな大きさだがバイブ音が聞こえてきた。
どうやら自分の家にあったらしい。男はバイブの音を辿って歩き回った。
しかし、どうやら部屋の中には無いようだ。
いったん廊下に出ると、バイブ音が少し大きくなった。電話は近い。
しかし、不審な事にそれは2階から響いているようだ。
2階には1度も行ってない筈なんだが。そんなに酔ってたかな…
とりあえず2階に上がり、そろりそろりと廊下を歩く。
廊下の端に%8

⏰:08/03/03 02:15 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#8 [[最期の花]ふむ(1/1)◆PppyzxIHxs]
玉砕覚悟…
なんと良い響きだろうか。
数多の咆哮と足音が混沌とする世界で、我の前にある蝋燭の灯が静かに揺らめいて壁を怪しく照らした。
壁の向こうには既に火が放たれているのだろうか。
ゆらゆらと茜色に染まっている障子が目に映れば、そんなことが頭を過ぎった。
傍らにある白紙に包まれた小刀に手を掛ける。
鋭い刃は灯の僅かな揺らめきを吸い込んで、時折鈍い輝きを放っていた。
外にはどれくらいの従者が生き残って闘っておるのかのう…。
小さく息を吐くように漏らせば白装束を整える。
堂々たる構えで座せば、自然と装束が足に巻き込まれる形になった。
玉砕覚悟…
なんと良い響きだろうか。
生命尽きるまで、この身が果てるまで奮闘する姿は…鬼人が如くの気迫を漂わすであろうな。
最期まで敵にひれ伏さぬ生き様は、さぞかし天晴れであろうな。
さて、そろそろ…
我も逝くかね。
小刀を腹部に当てれば、躊躇うことなく深々と自らの腹に突き立てた。
鋭い痛みが全身に広がるように襲う。
じわりと脂汗が額に滲んだ。
仰向けに倒れそうになるも、巻き込まれた白装束がそれを許さない。
紅い鮮血が白装束を染めた。
玉砕覚悟で最期まで闘うなぞ、なんと浅ましいことよ…
荒い呼吸のまま、力を振り絞り小刀を横へ薙ぐ。
尖った刃が肉を引き裂き鮮血を流れ出させる。
我は敵の手に掛かって無惨に死ぬるくらいなら…自らの手でこの生命を絶とうぞ…
口元に笑みを含みながら、燃え往く寺の中で男はゆっくりと絶命した。

⏰:08/03/03 02:15 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#9 [奇怪な電話(2/2)◆vzApYZDoz6]
>>7

「もう寝ちまったか…」

また掛けなおすか、と耳から受話器を離す。
だが終話ボタンを押そうとする前に、僅かな大きさだがバイブ音が聞こえてきた。
どうやら自分の家にあったらしい。男はバイブの音を辿って歩き回った。
しかし、どうやら部屋の中には無いようだ。
いったん廊下に出ると、バイブ音が少し大きくなった。電話は近い。
しかし、不審な事にそれは2階から響いているようだ。
2階には1度も行ってない筈なんだが。そんなに酔ってたかな…
とりあえず2階に上がり、そろりそろりと廊下を歩く。
廊下の端に近付くにつれ、バイブ音がよく聞こえる。
だが、廊下の端に辿り着いても携帯電話が見当たらない。否、廊下の端からバイブ音が聞こえる訳ではない。
だがバイブ音が聞こえる一番近い場所は廊下の端。

「………?………」

男が、ゆっくりと視線をあげる。
ちょうど天井まで向かった時に、終話ボタンを押した訳でもないのにバイブ音が止まった。
垂れ下げた手に握る受話器から、微かに聞こえる友達の声。

「…これお前の携帯だろ?とりあえず今は眠いから後で持っていってやるよ…」

電話が切れた。

耳をすますと、荒く小さな呼吸音が聞こえてくる。

――そこに居るのは、誰だ?

⏰:08/03/03 02:16 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#10 [あの頃の思い出(1/2)]
なあ、憶えているか?心地よく吹くこの風の匂いを。

なあ、憶えているか?秋茜が飛ぶこのススキの原を。

なあ、憶えているか?あの日俺とお前2人で見た、赤く染まった夕焼けの空を。

『ここの風景は、きっと何よりも綺麗よね』

俺は、憶えている。お前が夕焼け空を仰ぎながらそう言ったのを。

俺は、憶えている。そう言ったお前の横顔が、一番綺麗だと思ったのを。

俺は、憶えている。あの日、お前と交わした小さな約束。

⏰:08/03/03 02:33 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#11 [あの頃の思い出(2/2)]
『次もまた見たいな。もちろん、私とあなた2人で、ね』

お前と交わした指切りげんまん。

俺はその指切りの約束を果たすために、ずっとここで待っている。

お前がどこへ行こうとも。

お前が帰ってくるのを、ずっと、ずっと。

「…………だから、帰ってこいよ。いつでも…待ってるからさ」

お前と2人で夕焼けを見た、このススキの原で。

⏰:08/03/03 02:34 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#12 [ギャグカオスなシュール(1/1)]
「オババババババババババババハ!!!wwwwwwwwwww」

「ワヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャwwwwwwwwwww」

「ギヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒwwwwwwwwww」
「アーッハッハッハッハッハッハッハッ!!!wwwwwwwwwww」



「………」

「………」

「………」







「次の授業なんだっけ?」

「国語だよ」

「あー宿題やってねーw誰か貸してw」

「やだよバーロw」


完…?

⏰:08/03/03 02:44 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#13 [[世界の真実]ふむ(1/2)◆s8/1o/v/Vc]
目が覚めた。
僅かに身震いするような肌寒さに瞼を開ければ、覚醒しきっていない頭で考える。
どうやら俺は寝てしまったらしい。
今は何時だろうか…。
カーテンが閉められていない窓から見える外は、既に日が没しており真っ暗な闇の世界を作り出していた。
室内も電気が就いておらず薄暗かった。
枕元の電子時計が緑色の字を発色させて12:37の文字を象っている。

「夜中か…」

寝過ぎたと後悔しつつも、のろのろと起き上がれば室内を明るくしようと電灯の電源に手を伸ばす。
カチリ…、と短い音を立ててスイッチが入れ代わった。
しかし、電灯は光らない。
部屋は不気味な薄暗さを保っていた。

「んだよ…電球切れてんのか?」

愚痴を零せば少しだけ苛々が込み上げてくる。
テレビに近付くとおもむろに手を伸ばし電源を入れる。
テレビは依然として真っ黒を画面に映し出している。

「何だよ…停電かよ…」

小さく舌打ちすれば一人納得し、暗いままの室内のベッドに腰を下ろした。
携帯を取り出すと無造作に開く。
僅かな携帯の眩しさに目を細めれば、待受画面には12:39の文字。
そして電話が一件来ていた。
それを確認しようと中身を開いた瞬間であった。
一瞬砂嵐になったかと思った矢先、画面は真っ黒になって電源が落ちた。

⏰:08/03/03 02:48 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#14 [梓 [真夜中の着信](1/2)]
〜〜♪

携帯を開くと、登録外の番号からの着信。私は、見なかったことにして携帯をポケットにしまった。

知らない番号…ではなかった。存在を消したくてデータを消した。それでも覚えている番号。忘れられなかった。
自分の鼓動が聞こえる。


好きでたまらなかった。好きで好きで、好きで好きで好きで好きで。
…こんな関係、うまくいく訳がなかった。

別れて半年。新しい彼女ができたと噂に聞いた。
私の中で、何かが壊れる音がした。


.

⏰:08/03/03 03:06 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#15 [梓 [真夜中の着信](2/2)]
電話は、見なかった事にしよう。後で履歴も消しておこう。そうすれば無かった事にできる。今まで通りの生活が送れる。

―本当にそれでいいの?

だって私はまだ思い出にできていない。

―会いたいんじゃないの?

会うべきじゃないの。

―まだ好きなの?

冗談じゃないわよ、あんな奴もう好きじゃないわ。

―じゃあ電話くらいいいじゃない。

…声を聞いたら会いたくなっちゃうじゃない。


私はそっとポケットから携帯を出した。一昔前の曲が静かな部屋に鳴り響く。

彼が好きだと言っていた、あの曲。




私はじっと携帯を見つめていた。

---END---

⏰:08/03/03 03:07 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#16 [[世界の真実]ふむ(2/3)◆s8/1o/v/Vc]
「おいおい冗談じゃねぇぞ!」

俺は慌てて電源を押し戻す。
しかし、いつまで押し続けていても一向に電源は戻らなかった。
電池はしっかりと三本補充されていたのを見たから、電池切れではないだろう。
念のため、充電器に差し込んだが反応はなかった。
そういえば停電だったな…。
思い出せば諦めたように携帯を投げ出して、ベッドに倒れ込む。
静かな時間が流れて、妙な違和感を抱いた。
嫌な予感のような、違和感を。
不意に横を見れば電子時計が発色していた。

「…ん?」

はて、気のせいだろうか。
電子時計の示す文字の光が弱々しくなってきているような…。
ぼんやりとそんな事を考えていたら、突然糸が切れたかのように電子時計の文字が消えた。

「…!?」

それを見ると俺は目を丸くした。
さっきからどうもおかしい。
違和感の原因がわかったのである。
無音なのだ。
静かすぎる、車の音すら聞こえない不気味な程無音の世界。
俺は立ち上がり窓を全開に開けた。

⏰:08/03/03 03:23 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#17 [[世界の真実]ふむ(3/3)◆s8/1o/v/Vc]
「何だよ…これ」

声が震えていた。
目の前に広がった光景は、真の闇。
停電の規模ではなく、人を失った不気味に佇む建物たちがひっそりと列を連ねていた。
照らし出すのは淡く朧な月明かりのみであった。

「誰も…いないのか?」

その時、後ろのベッドの片隅から声が聞こえた。
ベッドに寝転ぶ時はいつも掛けているラジオが、作動した様子だった。
俺はゆっくりと振り返る。
不気味なまで薄暗い室内に無機質なラジオの声が響いた。
途切れ途切れに数秒流れた後、ラジオは完全にその機能を失った。
俺は聞き取り難いラジオの内容に言葉を失った。
愕然と立ち尽くす俺に、先程ラジオは言った。

《現在…ょ…には…緊急…避難勧告が…されて…大変…危険…すので…ただちに…》

喋る物を無くした世界は、無音の世界へと続く不気味な静けさに包まれていった…。

⏰:08/03/03 03:26 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#18 [[世界の真実]ふむ(3/3)◆s8/1o/v/Vc]
最期の花[時代物](1/1)
>>8

世界の真実[ホラー](3/3)
>>13
>>16
>>17
(1/2じゃ文字数が足りませんでした;)

⏰:08/03/03 03:31 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#19 [賭け(1/3)]
俺はその日、1人でバーで呑んでいた。
特に理由は無い。ただ何となく、1人でいたかっただけだ。
カクテルの入ったグラスを静かに回していると、隣に1人の男が座って話し掛けてきた。

「君、もしよければ僕と賭けをしないか?」

フォーマルなスーツを着た、ごくごく普通の男。
いきなり何を言ってるのだろうか、と普段なら思っていただろう。
聞く気になったのは俺が酔っていたからだろうか。

「どんな賭けだい?」
「なぁに、簡単な賭けさ。君は何があっても顔が上を向いてはいけない。上を向いたら負けだ」

上を向いたら負け?そんなの向く訳無いだろう。
だが、今日初めて会ったばかりのこの男がどう上を向かせるかは、なかなか面白そうだ。
その時は文字通り酔狂だった俺は、賭けに応じる事にした。

「で、何を賭けるんだい?」
「この店で呑んだ代金さ。君が上を向いたら君が僕の代金を奢る。向かなければ逆だ」

なるほど、それなら例え負けてもそんなにダメージにはならないな。

「よし分かった」
「なら、今からスタートだ」

⏰:08/03/03 03:38 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#20 [賭け(2/3)]
賭けが始まった。
男はスーツの上着を脱いで、早速俺に話し掛けてきた。
内容は別段他愛のない世間話のようなものだが、男の話術に引き込まれてしまう。
だがこれは罠だ。きっと巧みに話しくるめて上を向かせるのだろう。
俺はそう思い、いつ仕掛けてくるか警戒しながら、男の話に耳を傾けていた。

それから、1時間程が経った。
男はまだ仕掛けてこない。
話の内容も、先程と話題は変わってはいるが特におかしな点はない。
そろそろ仕掛けてきてもいいと思うのだが。本当に俺を負かす気があるのか?
もしかしてただの暇潰しだろうか。
いや、そう思わせるのが罠に違いない。きっとそろそろ上を向かしにかかってくるはずだ。
そう考えていた時、男が腕時計を見ながら言った。

「おや…もう時間だ。悪いが賭けはおまいだ」

おしまい?俺はまだ上を向いてはいないが。
……という事は。

「…賭けは、俺の勝ちって事になるのか?」
「悔しいけどそうだね」

あっさりすぎて、なんとも拍子抜けだ。
だが、これで呑み代が浮くしまぁいいか。

「悪いが行かないと駄目でね。これで払っておいてくれるかな?」

男はそう言って財布から1万円札を取り出し、俺の前に置いた。

「今日はどうも。君と話せて楽しかった」

男が俺の前に手を差し出してきた。

「そうだな、俺も楽しかったよ。ありがとな」

またいつか会いたいものだ。
そう思いながら、男とがっちりと握手を交わした。

⏰:08/03/03 03:39 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#21 [賭け(3/3)]
代金は2人合わせて8000円。1万円でお釣りが出る。
呑み代が浮いたどころか、少し儲かった。自然と顔が綻んでくる。
足取り軽くレジへ向かう。
だが、男から貰った1万円札を出そうとした時に、1万円札がおかしい事に気が付いた。
なんというか、紙質が違う。厚みも少し違う気がする。

「…もしかしてあいつ、偽札を!?」

慌てて1万円札を電灯の光にかざして、透かしを見る。
そこに写っていたのは福沢諭吉ではなく。


『ほら上を向いた ごちそうさま』


こう書かれていただけだった。

⏰:08/03/03 03:39 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#22 [◆vzApYZDoz6]
>>14-15
いいですねーw

じゃんじゃん参加してくださいw

⏰:08/03/03 03:41 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#23 [ゆびきりげんまん(1/2)]
ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます。
ゆびきった。

「私ね、昔約束したんだ」
「約束?へぇー、誰とよ?」

図書館の机。
私の前に座る友達が読んでいた本を閉じた。こんな話にも興味を持ってくれたらしい。
広辞苑を読んでいたのだから、相当暇だっただけなのかも知れないけど。

「誰かは思い出せないんだ。どんな約束かもよく憶えていない」
「何それ。約束した事しか憶えていないの?」
「うん。誰かと指切りげんまんしたんだ」
ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます。
ゆびきった。
頭の中で、そのフレーズがずっと反芻される。
あの約束で、初めて交わした指切りげんまん。

⏰:08/03/03 04:20 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#24 [ゆびきりげんまん(2/2)]
でもいつだったっけ?結構幼い頃だったような気がする。
でも人生4、5年ぐらい生きてりゃあの歌には出会えるし。何とも確証がない。頭の中で壊れたようにあのフレーズがずっと流れる。
ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます。
ゆびきった。

「…あっ」
「…?どしたの?」
「思い出したのよ」
「誰と約束したかを?」
「ううん、約束した事を」

うそついたら、ね?
約束した相手の声だけが頭の中で再生される。
少し低い女の子の声。顔は忘れたけど、声は思い出せる。
赤いランドセルに黄色い帽子をかぶって、約束したんだ。
あれは多分初めての指切りげんまん。

「一緒に地獄へ堕ちよう、って約束したんだ」

あの子は、憶えてるのかな。

⏰:08/03/03 04:20 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#25 [[天の邪鬼]ふむ(1/3)◆s8/1o/v/Vc]
鬱蒼と生い茂る森を歩いていた。
真の闇に包まれた、夜の森であった。
月明かりすら、ない。
冷たい夜風が駆け抜ければ、木々たちが不気味な音を立てて森自体が一つの生き物のように怪しく蠢いた。
そんな中を歩く一人の男がいた。
凛とした表情に灯る鋭い眼光はしっかりと正面を見据えていた。
手には明かりらしきものはなかった。
真の闇だというのに、明かりなしで進んでいるのである。
悠然と進むその歩調には、まるで昼間に見晴らしの良い道を歩いているかのようにさえ感じさせる。
男の口元には、絶える事なく微笑が含まれていた。
男は今日の昼間、興味深い話を聞いた。
どうやら、この森には妖怪らしからぬモノがいるらしい。
それを初めて見たのは、この近くに住む老人だという。
老人は山菜採りが趣味で、よく山に登っていた。
農民であるために、なかなか早くは仕事が終わらず、大体山に登るのは日が没してからの方が多かった。
その日もいつものように松明と鎌を片手に籠を背負い、熊などに備えて知り合いから譲り受けた太刀を腰に携えた。
出掛けるに当たって、今日はどの山に行こうかと考える。
同じ山ばかりではその山の山菜を取り付くしてしまうし、何より楽しみが薄れる。
そこで老人は考えついた。
ちと遠いが、あの山なら良い山菜がよく採れるじゃろうて…
多少山を登らなければならないが、以前に山菜が山ほどなっている場所を見つけたのであった。
そうと決まれば早速そこに向かった。

⏰:08/03/03 12:31 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#26 [雪(1/2)◆vzApYZDoz6]
昨日からずっと雪が降っている。そのおかげで外はなかなかの積雪量だ。

別に冬に雪が降るのは当たり前だが、基本的に雪が殆んど降らないこの地方で、雪が積もるのは珍しい。
住んでいるマンションから眼下を見下ろせば、近所の子供達がその珍しい積雪の上で大いにはしゃぎまわっている。
その子供達に混じって、俺の姉も遊んでいた。

「おい姉貴、遊んでないで手伝えよ!」

窓から身を乗り出して、子供達と雪合戦をしている姉に叫ぶ。
なんとも平和な光景だ。

「いつでもできる部屋の大掃除と、希にみる豪雪の元で思い切り遊ぶ事、どっちが大事!?」

姉が叫び返してきた。
ハタチを超えているというのに、そんなに雪遊びに夢中になれるものなのか。

なんとも平和な光景だ。

⏰:08/03/03 12:46 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#27 [雪(2/2)◆vzApYZDoz6]
「うるせぇ!いいから戻ってこい!」
「今日のお前は冷たい!そう、雪のように!」

こりゃ駄目だ、完全に雪に洗脳されてる。雪のように冷たいってなんだよそれ。
窓から身を引っ込めて、室内に視線を戻した。
乱雑に置かれた雑巾に掃除機、紐で縛られた雑誌類。
俺のすぐ横には漫画がいくつか置いてある。
そう言えば、タンスの奥から見付けて読んでたんだっけ。俺もサボってんじゃん。
外からは子供達のはしゃぐ声が聞こえてくる。
俺は漫画を纏めて、立ち上がった。

外はまだ雪が降っていた。
積雪に沢山つけられた足跡。出来るだけ足跡のない綺麗な場所を選んで歩き、足跡を残していく。
姉はまだはしゃいでいた。
こっそり後ろから近付いて、雪玉を当てる。
姉は驚いて振り返り、続いてあどけなく笑って手招きする。
その誘いに乗って、俺も本格的に雪合戦に参加した。


なんとも平和な光景だ。

⏰:08/03/03 12:47 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#28 [[天の邪鬼]ふむ(2/3)◆s8/1o/v/Vc]
草木を掻き分けて森を進む。
今年齢六十七を迎える老人には厳しいものがあった。
しかし、それが山菜のためとなると、それすら楽しみに変わる。
手の松明の明かりを頼りに歩を進めていった。
山の中腹辺りまで来ただろうか。
もうそろそろ目的地が見えてくると心躍らされた時、頭上から声が下りてきた。

「ここを通りたいか…」

低い男のような声であった。
はて、誰ぞおるのか。
老人は小さく呟くと頭上を見上げた。
しかし暗い木々が不気味に風に靡いてるだけで、人の姿は見当たらない。
空耳かえ…。
老人は正面に顔を戻すと、溜め息を一つ吐いて再び歩を進める。
するとどうしたことか、また同じ声がする。
これはもはや空耳ではない。
老人は急に恐ろしくなった。
夜に森なんぞに入ったもんじゃから鬼に出くわしたのやも知れん…。もしくは夜道で良く見えなんだから、道を反れて鬼の巣窟に迷い込んでしまったか…。
老人は山に入ったことを後悔した。
これでは山菜採りどころではない。
引き返そうとすると、また声が問う。
ここを通りたいか…。
進もうとすれば、またまた声が問う。
これは答えねば帰して貰えぬやも知れぬ。
そう考えた老人は震える声で答えた。
通りたい。
声はすぐに返ってきた。
通らせない。
老人は絶望に打ちひしがれて尚も問う。
俺を帰らしてはくれぬのか。
帰らして欲しいのか。
帰りたいとも。
帰らしてやらぬ。
老人はそこで不思議に思った。
ある考えを思い付いた老人は声の主に再び問いた。

⏰:08/03/03 12:54 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#29 [[天の邪鬼]ふむ(3/3)◆s8/1o/v/Vc]
この先には何があるのか。
何があると思う。
山菜じゃ。
何もない。
老人は確信した。
ここぞとばかりに最後の質問をする。
やはり帰してくれぬのかのぅ。
帰して欲しいか。
声の主が答えるとしばらくの沈黙の後、老人が返す。
いや、帰りとうない。
ならば帰れ。
あっさり承諾を得た老人は足早に山を下りていった。
そういう話であった。
さて…、
男はどのくらい歩いたのであろうか。
山の中腹に差し掛かった辺りであった。
不意に頭上から声が降り注がれた。

「ここを通りたいか…」

男は落ち着いた口調で答えた。
通りたくない。
声の主の答えが返ってくる。
ならば通れ。
声の主が言い終えるとすぐに男は問い掛ける。
俺を喰らうか。
喰らって欲しいのか。
喰らって欲しいさ。
喰らわぬ。
男は会話を楽しんでいるようにさえ伺えた。
口元に微笑を浮かべつつ、男はゆっくりと最後の質問のために口を開く。

俺の…使い魔にならぬか。

男は依然として微笑を含めたまま、静かに次の言葉を待った…。

⏰:08/03/03 13:10 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#30 [[werewolf]1/2]
あぁ……
僕は何をしているのだろう。君にはずっと隠していたのに、君が満月が綺麗なんて言うから。君がこんな姿になったのは僕のせいじゃない。否、誰のせいでもないんだ。仕方なかったんだ。だって僕は【狼男】なんだから。満月を見た瞬間から僕の意志に関係なく、手足には体を切り裂き肉をえぐるための爪が生え、体には人間の体毛とは程遠い動物の毛が生えだす。口元は大きく裂け獲物をしとめる為の牙が生える。それから、のどの渇きを潤すために鮮血をを求め、空腹を満たすために肉を求め、欲望のままに女のゾクゾクするような悲鳴を求めてしまう。

⏰:08/03/03 13:30 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#31 [[werewolf]2/2]
そんな僕を見て君は『化け物!!』と叫んだね。そんな事は分かっていたんだ。自分は人間ではないことぐらい百も承知していたよ。それでも人間の姿の時だけは君と同じ時間を過ごし些細なことで幸せを感じられた。幸せだったんだ。こんな淡い時間がずっと続くと思ってた。でも狼になった僕は僕の意志では止められない。ふと我に返ったとき僕が噛みついたであろう君の首筋から溢れ出す朱色の血、命が切れる前の微かな呼吸、赤みをなくした小さな唇、全てが美しいと思ってしまった。


あぁ……
本当に僕は狼なんだな。
もうこれで人を殺したのは4人目だろうか。だがそんな事はもうどうでもいい。僕の愛した人はこの世にいない。否、僕の牙が君をこの世から去らせた。

あぁ……
僕は狼。
人間でもない
狼でもない化け物さ。


ーーーendーーー

⏰:08/03/03 13:31 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#32 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
◆vzApYZDoz6さんの作品
往年のライバル(1/1)
>>5
奇怪な電話(2/2)
>>6
>>9
あの頃の思い出(2/2)
>>10-11
ギャグカオスなシュール(1/1)
>>12
賭け(3/3)
>>19-21
ゆびきりげんまん(2/2)
>>23-24
雪(2/2)
>>26-27
werewolf(2/2)
>>30-31

ふむさんの作品
最期の花(1/1)
>>8
世界の真実(3/3)
>>13
>>16-17
天の邪鬼(3/3)
>>25
>>28-29

梓さんの作品
真夜中の着信(2/2)
>>14-15

⏰:08/03/03 13:58 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#33 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
>>32←まとめ

ナナシさん多いですね…
書き溜めってやつですか

⏰:08/03/03 13:59 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#34 [◆vzApYZDoz6]
>>33
werewlofは俺じゃないですよw

⏰:08/03/03 14:01 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#35 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
うわぁ〜…
早速ミスですね;
お恥ずかしい!

⏰:08/03/03 14:08 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#36 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
まとめ
◆vzApYZDoz6さんの作品
往年のライバル(1/1)
>>5
奇怪な電話(2/2)
>>6
>>9
あの頃の思い出(2/2)
>>10-11
ギャグカオスなシュール(1/1)
>>12
賭け(3/3)
>>19-21
ゆびきりげんまん(2/2)
>>23-24
雪(2/2)
>>26-27

ふむさんの作品
最期の花(1/1)
>>8
世界の真実(3/3)
>>13
>>16-17
天の邪鬼(3/3)
>>25
>>28-29

梓さんの作品
真夜中の着信(2/2)
>>14-15

F905iさんの作品
werewolf(2/2)
>>30-31

⏰:08/03/03 14:10 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#37 [親御さん(1/1)◆vzApYZDoz6]
独り暮らしを始めて半年程経ったある日、実家から荷物が届いた。
荷物の中身は色とりどりの野菜と、1通の手紙。
とりあえず手紙を読んでみた。

愛する息子へ
お元気ですか?
風邪などひいたりしていませんか?
ちゃんと食べていますか?
出無精なあなたの事だから、きっとカップラーメンなどばかり食べているのでしょうね。
実家で採れた野菜を送ります。それで栄養の偏りを改善してちょうだいね。
母より

まったく、心配性な母ちゃんだ。




「…だからって電話してきたら手紙入れた意味ないじゃん!」
『いやね、ちゃんと届いたかどうか気になっちゃってぇ』

親って、そういうもんです。

⏰:08/03/03 14:10 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#38 [紫陽花]

F905iで[werewolf]を
書いたのは私です

名前入れてなくて
すみません!!

⏰:08/03/03 14:13 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#39 [◆vzApYZDoz6]
>>38
了解ですー
名無しでも全然OKですよ!

⏰:08/03/03 14:18 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#40 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
>>38
まさかの紫陽花さん!
書いたのですね。了解です

⏰:08/03/03 14:26 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194