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#374 [[とある無人島での話(1/3)]]
さて、どうしたものか……
俺が無人島に流れ着いてもう3回も太陽は東から上り西へ沈んだ。最初こそ、この状況を楽観視して大自然の中で見る夕日に感動していたが、さすがに3日も独りとなると夕日を見る余裕すらなくなっていた。
お腹が……空いたな。
少し山を登ったところにある岩場からチョロチョロと流れ出る湧き水をを見つけだしたことでのどの渇きはさほど問題ではなかった。
だがこの胃袋が血、肉を求める空腹感だけはどうしようもなかった。1日目に島全体を歩き回って食料を探してみたものの島に生息しているカラスのような鳥たちに全て啄まれ腐敗した果実しか見つけられず、魚を釣ろうと手製の釣り針を作ってみたがそう易々と魚は釣られてはくれなかった。
そして今、俺は最後の手段として浜辺の砂全体にメッセージを残すことにした。もしかしたら頭上を渡る飛行機やヘリコプターがこれを見てくれるかもしれないし、俺を捜してくれている人がこれを見つけるかもしれない。
:08/05/23 21:20 :F905i :☆☆☆
#375 [[とある無人島での話(2/3)]]
とても、とても小さな祈りだが俺はこの方法にすがるしかなかった。いや、もう俺は体力の限界で精神的にもこの方法を絞り出すことしかできなかった。
適当な丸太を拾って文字を書く。波にさらわれないように場所を考え、できるだけ大きな文字を砂浜いっぱいに書く。
誰か……気付いてくれ!!
太陽が4回東から上ったとき俺の願いは通じた。頭上からバリバリと機械音が聞こえる。最初は小さくて見えなかった物体は徐々にこちらに近づいてきてこの島の真上、俺が残したメッセージの真上に着陸した。
助けがきたのだ。
助かった……。
:08/05/23 21:21 :F905i :☆☆☆
#376 [[とある無人島での話(3/3)]]
精神的にも肉体的にも限界だった俺は頭上から降りてくるヘリコプターを見ながら自然と頬に一筋の涙が流れていた。
「やぁ、助けに来たぞ。大丈夫か?」
「あぁ……ありがとう。本当に助かったよ。それにしてもよくここが分かったな」
「探すの大変だったんだぞ。お前すごく後ろに流されてたんだから。でも……これのおかげで見つけられた」
そう言って地面を指差す。
「お前ぐらいだろ。こんなの書くやつ」
そう、俺が砂浜に残したメッセージとは
保守
この言葉が俺を救ってくれた。俺を暖かい外の世界へと助け出してくれたんだ。
---end---
:08/05/23 21:22 :F905i :☆☆☆
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