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#120 [[誘拐事件(2/2)]蜜月◆oycAM.aIfI]
そうして絶望した私は、現実から目を背け、昼も夜も夢の世界に逃げ込んだ。
けれどいつからか、目を覚ますと違和感を感じるようになっていた。
何がおかしいのか解らない、でも何かがおかしい。
 
 
そしてある日、ユウという少女と出会った。
彼女は私の中に存在していた。
誘拐犯は、私が眠りユウが現れると、ひどい暴行を働いたようだった。
しかしユウは私が作り出したあやふやな存在。私が私の都合の良いように記憶を消してしまうから、次の日には覚えていなかった。
 
犯人からの屈辱を受け、ユウはそれを忘れる。私は辱められたという事実だけを受け止める。
 
いつしかこの方程式によって、私の精神はギリギリで均衡を保っていた。
 
 
そして今日、ユウと私はこの均衡をぶち壊す。
私たち自身の均衡を守るために。
 
ユウが痛みを感じ忘れる。私は事実だけを受け止める。
 
ベランダの窓を突き破り、そのまま空中へ――。
 
“死”という事実だけを。

⏰:08/03/06 18:05 📱:SH903i 🆔:IsrrLMx6


#121 [◆vzApYZDoz6]
俺が二日酔いで潰れてた間に皆様かなり書いてますねw
今から読ませていただきます


>>114
あれほのぼのですかw
言われてみれば、ほのぼのダークな感じかもですねw

ガンガン投下しちゃって下さいね

⏰:08/03/06 22:36 📱:P903i 🆔:5soVjE/o


#122 [我輩は匿名である]
?「ふふふふふふ
あのこ絶対あたしが好きなのよ
うふふふふふふ」

電車の中で鏡を見ながら呟く女
その名は『済須 未来-サイス ミライ-』
成績優秀
顔上の中
なんでもできる優等生。
しかし、済須未来は少し違う。
人と目が合えば呟き
人に話しかけられればにやける
そいつについた
あだなは…
ー妄女ーモウジョ
聞いてたらわかるだろうがこいつは、顔を汚すかのような
妄想女
恋するのは自分じゃなくて相手

そんな妄女の1日の妄想を見てみようではないか

⏰:08/03/06 22:56 📱:W43H 🆔:LHm6bI72


#123 [我輩は匿名である]
(告白ってヤッパリ卒業式の後だよね)

何を考えているかはわからないが不気味な笑みとともに、こいつの1日は始まった

⏰:08/03/06 23:00 📱:W43H 🆔:LHm6bI72


#124 [「夕日」向日葵(1/2)]
疲れた体を、壁に預ける。

電車にゴトゴトと揺れながら、今日も1日終えたと安堵のため息を静かに吐いた。

毎日すぎる当たり前の時間。
自分はこんな時間を過ごしていて本当にいいのだろうか。
自問自答する。

何かしなくちゃならないのではないか?
でもそれが何かは分からない。

分からないから、無駄な時間を使っている気がしてならない。

このままの毎日が過ぎる事の方が、友達と合わせて笑ったり、溜った課題を済ませるよりしんどく感じた。

⏰:08/03/07 22:26 📱:SO903i 🆔:Ii/OqDZE


#125 [「夕日」向日葵(2/2)]
そんな時、外から眩しい光が差し込んだ。

それは今にも海に隠れそうなオレンジ色の夕日だった。

誰もが口々に綺麗だと言う。
私もその1人。

でもまた、明日から頑張れる気がした。
がむしゃらにでも、何かをやりとげれる気がした。

そう思うと、急に切なくなって、胸がいっぱいになった。

そこでようやく心身共に疲れきっていた自分に気づく。

夕日の光が、自分の心にも差し込んできたように感じたのだった……。

⏰:08/03/07 22:29 📱:SO903i 🆔:Ii/OqDZE


#126 [[手紙(1/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
“今日は同室のやつが持ってたトランプで遊んだよ。
トランプなんか二人とも久しぶりで、ババ抜きしか覚えてなくてさ。
二人じゃどっちがババ持ってるかすぐわかってしまうから、すぐ終わったけどね。
また明日手紙送るよ。”
 
俺は毎日手紙を書く。この部屋に来てから、この作業を欠かした日は一日も無い。
 
“今日は仕事がいつもより多くて、すごく疲れた。
でも心配しなくていいから。
毎日くたくたになるまで真面目に働いてるんだからさ。
また明日手紙送るよ。”
 
手紙の最後はいつも同じ。返事がなくても、この一文を書くことで、俺は書き続けていられるような気がする。
 
“今日、同室のやつがここを出たよ。またいつか会おうなんて言ったけど、あいつは忘れてしまうんだろうな。
良いやつだったんだ、すごく。
ちょっと淋しいよ。
また明日手紙送る。”
 
 
俺の母は、とても悲しいひとだった。
毎日毎日、旦那――つまり俺の父親だが――からひどい暴力を振るわれていた。
俺が生まれる前は、優しくて良い夫だったが、出産してから豹変したんだと、母の姉の伯母から聞いた。
母は、父を愛していたからなのか、警察に行く訳でもなく、ただ毎日怯えていた。母の傷やあざを見て、伯母が気付くまで何年間も一人で耐えていた。
俺は、父が母に対してそうなってしまったのは自分のせいだと思っていた。理由は解らないが、俺が産まれたせいで、父にとって何か気に入らないことが生じたのだろう。

⏰:08/03/08 01:18 📱:SH903i 🆔:7AUminCk


#127 [[手紙(2/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
“母さん今日も元気? 体の調子はどう? 俺は今日も元気に働いているよ。
今日、陶芸をしたんだ。俺が作った皿、宅急便で送るから見てくれよ。うまく造れなかったけど。
また明日手紙送るよ。”
 
俺はずっと、母に対して申し訳ないという気持ちで生きてきた。
そして、ここに来た。
母は俺がここに来たと知って、とても悲しんだようだった。精神的に弱ってしまって、今は入院している。
伯母が母の世話をしてくれていて、たまにここにも来てくれる。
伯母にも迷惑をかけてしまった。ここを出たら一生かけて恩返しをするつもりだ。
 
“俺の部屋に新しいやつが来た。
前のやつとは違って、あまり良いやつじゃなさそうだ。問題起こさなきゃいいんだけど。
また明日手紙送るよ。”
 
俺がここに来てもう八年経った。母ももう良い年だが、あと七年は会えない。心配だった。
親孝行出来る内に母のもとに戻りたいと思っていたら、嬉しい知らせが来た。
 
“母さん、俺、模範囚になれたよ。あと二年で出所できるらしいんだ。
母さん、もう少し待っててくれよな。外に出たら、働いて稼いで、おいしいものいっぱい食べに連れていくから。
じゃあ、また明日手紙送るよ。”

⏰:08/03/08 01:20 📱:SH903i 🆔:7AUminCk


#128 [[手紙(3/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
次の日、伯母さんが面会に来た。
昨日の手紙を読んで、入院中の母が初めて反応したというのだ。
母は今ほとんど話すこともなく、一日中寝て過ごすことが多いと聞いていたから、俺は母が俺の出所を喜んでくれたのだと思った。
そして伯母は、母からの返事を代筆したものを持ってきてくれた。
 
 
“どうしてあと二年で出所できるの? 懲役十五年でしょ? それでも足りないのに!
あなたは私の大切な人を奪ったのよ……
なのにトランプやら仕事やら毎日楽しそうに元気に過ごすなんて許せない。
出所しても私のところへは来ないでちょうだい。息子とも思ってませんから”
 
 
――これは……誰だ?
  まさか、そんな。
 
俺は、父が母を苦しめているのを幼い頃から目の当たりにしていた。
母が毎日怯えているのを見て、だんだんと父に憎しみを抱くようになっていた。
そして、殺した。
母を助けたい一心で、母に新しい人生を歩んで欲しくて、殺した。
 
――なのに……なのにどうして!
 
母が悲しんだのは俺が逮捕されたからではなく、父が死んだからだ、とだけ告げ、伯母は帰っていった。
 
 
そして俺は決意した。今度は他人の為ではなく、自分の為に……と。

⏰:08/03/08 01:28 📱:SH903i 🆔:7AUminCk


#129 [ずっと大好き]
あれからもう一カ月がたつよ…
タクは天国へ逝った

アタシとタクはお互い大好きだったのに一緒にはなれなかった
ただ…教師と生徒なだけなのに…
誰一人として祝福してくれる人はいなかった

ただ生きててくれればアタシ頑張る事出来るのに…
アナタがいなきゃだめなのに…
アタシの心は止まったまま無情に時間だけが過ぎてゆく

そして2ヶ月がたった

最近身体がだるい…

微熱も続く…

アタシどうしたんだろ

不安に思いアタシは病院に行った

⏰:08/03/08 12:25 📱:V803T 🆔:OM4BGBho


#130 [ずっと大好き]
医者「妊娠してますね」

「え…妊娠…」

アタシは即座に産むと決めた

アタシは空を見上げた

タク…アタシ妊娠してたょ
頑張って産むからタク見守っててね

その日アタシは夢をみた

タク「アミ俺ずっとお前が好きだし
生まれ変わってもお前をまた見つけてやる自信がある
俺はずっとかわんねぇからな」

アタシは目が覚めた

アタシは大声で泣いた

「タク…ヴッヒック…アタシもずっと好きなの変わらないよ…ヒック…今までもこれからもタクだけだょ…」

⏰:08/03/08 12:26 📱:V803T 🆔:OM4BGBho


#131 [梓【決意】(1/2)]
ベッドの中で彼にしがみつきながら、朦朧とした意識の中で私は考えた。

―今日、言おう。
きっかけを待っていたらいつまで経っても切り出せない。
彼と私は求めるものが違いすぎる。
「ん…あっ…!」

彼を強く感じ、私の思考はそこで途切れた。

⏰:08/03/08 17:29 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#132 [梓【決意】(2/2)]
下着を着けながらどう切り出そうか考えていると、3年間の彼との思い出がぼんやりと浮かんできた。

温かく、そして切なくなった。
でも、これでいい。彼との今までの生活は、決して悲しいものじゃない。愛しているからこそ、大切に思うからこそ、お互いのために離れよう。


「悠介…」

瞬間、後ろから彼に抱きすくめられた。と同時に左手に無機質な冷たさを感じた。




指輪だった。

「お前は俺と一緒にいればいいんだよ。」



私の決意は、柔らかく崩れていった。



*End*

⏰:08/03/08 17:43 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#133 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
◆vzApYZDoz6さんの作品
往年のライバル(1/1)
>>5
奇怪な電話(2/2)
>>6
>>9
あの頃の思い出(2/2)
>>10-11
ギャグカオスなシュール(1/1)
>>12
賭け(3/3)
>>19-21
ゆびきりげんまん(2/2)
>>23-24
雪(2/2)
>>26-27
親御さん(1/1)
>>37
河上彦斎(3/3)
>>43
>>45-46
雨のち晴れ(2/2)
>>51-52
あだ名で呼んでほしいシュール(2/2)
>>53-54
今から(1/1)
>>63
夢見て、常日頃(2/2)
>>71-72
始まりは白紙から(1/1)
>>73
ありがとう。さようなら(3/3)
>>86-88
Bloody Valentine(1/1)
>>91
トイレ借りたいシュール(2/2)
>>92-93

⏰:08/03/08 18:12 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#134 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
ふむさんの作品
最期の花(1/1)
>>8
世界の真実(3/3)
>>13
>>16-17
天の邪鬼(3/3)
>>25
>>28-29
延長戦(1/1)
>>42
人斬り(1/1)
>>47
空(2/2)
>>55-56
手紙(3/3)
>>110-112

にさんの作品
家族ドライブ(2/2)
>>66-67
選ばれた男(2/2)
>>94-95

紫陽花さんの作品
werewolf(2/2)
>>30-31
生きる理由(1/1)
>>41
私の宝物(1/1)
>>50
手紙(1/1)
>>101

⏰:08/03/08 18:15 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#135 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
向日葵さんの作品
旅立ち(1/1)
>>57
春への想い(3/3)
>>58-60
大好きな赤(2/2)
>>68-70
夕日(2/2)
>>124-125

リナさんの作品
死にたがりスティング(2/2)
>>75-76
偽物家族(2/2)
>>117-118

蜜月さんの作品
双子の正体(3/3)
>>79-81
電車(3/3)
>>102-104
誘拐事件(2/2)
>>119-120
手紙(3/3)
>>126-128

梓さんの作品
真夜中の着信(2/2)
>>14-15
決意(2/2)
>>131-132

⏰:08/03/08 18:15 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#136 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
【まとめ】
>>133-135

⏰:08/03/08 18:16 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#137 [紫陽花]


まとめ乙です!!!

⏰:08/03/08 19:24 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#138 [紫陽花[卒業(1/2)]]
もうこの学校に先輩はいない。

先輩は少しだけ春の木漏れ日が差し込んだ先週の金曜日私の通う高校を卒業した。


もうこの学校に先輩はいない。

朝わざとぎりぎりに学校に登校しても、昼休みに売店に行っても、移動教室の時友達に無理を言って遠回りしてみても、もう先輩を見つけることはできない。



あと二年早く生まれたかった。

なんどその言葉を口にしただろう。所詮私は後輩……。たまに挨拶をするのが私の精一杯の自己表現。

だけど先輩は、少しだけめんどくさそうな顔をして頭を下げてくれる。それだけで一日中幸せになれた。名前を呼んでくれた日など一生忘れないと思った。もちろん今でも覚えている。

⏰:08/03/08 19:25 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#139 [紫陽花[卒業(2/2)]]
だけどそんな先輩はこの学校を卒業してしまった。


今でも、朝学校に来ればまず先輩の姿を探してしまう。売店へ行くと先輩はいないと頭では分かっているのに目が勝手に先輩を探してしまう。心が勝手に今日もパンを買ってるんじゃないかと期待してしまう。廊下ですれ違うことは二度とないのに先輩を一目見ようと遠回りしてしまう。

先輩とは一年しか同じ学校に通っていないけど、その学校の至る所に先輩の思い出が隠れている。


それでも私はこの恋を終わらせるつもりはない。

確かに想いは届かないだろう。だけど私が先輩に恋した時間は永久に私の心の中に残るから。短い期間だったけど私の心は先輩でいっぱいになったから。



だから私は先輩を忘れない。





卒業おめでとうございます。




ーーーendーーー

⏰:08/03/08 19:26 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#140 [◆vzApYZDoz6]
おお、いつの間にかものすごい量の投下がw

そろそろ俺も投下しよw

⏰:08/03/08 21:29 📱:P903i 🆔:dQoHT8FQ


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