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#257 [【天使1/3】ミ]
※ここではないですが私の書いてる小説の一部です

***


伝える事に意味はないと思った。
「なぁ光」
「……何?」
目に映る海は黒かった。月明かりの下、海面に波打つ度に針のような光の線を造り出す。静かな眺めだ。
――俺の目にもしも……
ありもしない事を考える。
光のきゃしゃな体が、抱き寄せただけで壊れそうな気がした。防波堤から落ちない様に掴んでいたい。
――羽が見えたら
「どうしたのよ?」
光がこっちを向いた。髪が揺れてなびく。その澄んだ瞳は俺を写している。
肌寒い空気が一メートル離れた俺達を包む。
冬の海は嫌いじゃなかった。

⏰:08/03/26 20:53 📱:D703i 🆔:1QkXKdw2


#258 [【天使2/3】ミ]
――俺は何も疑わない
「なんでもねぇよ」
固い地面に、いやこの世界になんとか俺は倒れずに生きている気がする。
「何それ、変なの」
少し笑って手を後ろについて光は空を見上げた。真っ黒に少し紺色がかっている。
俺はお前がいつかそこへ帰ってしまいそうで怖い。
――そうであったら俺は
光が歌を歌い出す。英語は俺には伝わらないのに何か別の空気が生まれる。色は透明、見えないはずの。
目を閉じて黙って耳を済ます。この世の何より俺が綺麗だと思うもの。

汚りのない声だった。

⏰:08/03/26 21:04 📱:D703i 🆔:1QkXKdw2


#259 [「サヨナラ」向日葵(1/2)]
「離してよ」

彼女は言った。

僕は言われた通り掴んでいた彼女の細い腕を離した。

どうしてこうなったんだろう。

付き合い始めたあの頃は、お互い好きなだけで充分だった筈なのに。

もっととお互いがお互い求める程、心は徐々に離れて、すれ違って……別れと言う結末へ道が進んで行った。

もう1度、通じ合ったら。
僕はそんな淡い希望を持っていた。

でも彼女は希望を持つどころか、全て諦め投げ捨てて、僕の元から去る事を決意したのだ。

⏰:08/03/26 23:05 📱:SO903i 🆔:GrOcznyk


#260 [「サヨナラ」向日葵(2/2)]
彼女の心に僕はもういない。

そう悟った瞬間、僕は手を、心を、手放したのだ……。

「結局無理だったのよ、私達」

最後にそう言って彼女は去って行った。

結局?
結局って何?
僕はどこで間違ったの?

甘い恋も、これで終わり。
呆然て立ち尽くす僕を気にする人は誰もいない。

「サヨナラ……」

と呟いて、僕は彼女との多くの笑い合った思い出達と別れを告げた。

⏰:08/03/26 23:09 📱:SO903i 🆔:GrOcznyk


#261 [コピペ的なシュール(1/1)◆vzApYZDoz6]
10月 シーズン終了
「来年こそは死ぬ気でやる」
11月 契約更改
「球団の温情に感謝している。来年は大暴れしたい」
12月 仰木氏命日
「来年は仰木さんのために頑張る」
1月 イチローと遊ぶ
「良い刺激になる。今年は元気な姿を見せたい」
2月 キャンプ
「すごく順調。開幕に間に合わせる」
3月 オープン戦
「万全の体制で復帰したい。それまでの間はチームに頑張ってもらいたい」
4月 開幕 清原シーズンオフ
「もどかしい気持ちで一杯。でも焦ってはいけない」
5月 チーム低迷
「夏頃には復帰したい」
6月 チーム泥沼
「膝が思うように回復しない…」
7月 夏場
「悩んだが手術をしようと思う。来年こそは元気な姿を見せたい」
8月 手術終了
「少しずつ回復していけば」
9月 清原歩いた!がニュースになる
「凄く順調。来年が楽しみ」
10月 シーズン終了
「来年こそは死ぬ気でやる」

⏰:08/03/27 03:12 📱:P903i 🆔:H/Sk7YSI


#262 [ちむ◆kIFO7LoPgI]
あげます\(^O^)/

⏰:08/03/29 19:20 📱:L704i 🆔:i4.s8I/6


#263 [なぞなぞ(1/2)◆vzApYZDoz6]
「問題!世界の中心にいる虫ってなーんだ?」

「世界の中心、か───」


(───この問題、まず『世界の中心』についてじっくり考える必要があるな。なぜなら、この場合における世界が何なのか、これさえ確定すれば自ずと中心も決まってくるからだ。
『世界』という言葉には色々な意味がある…この宇宙全体はもちろん世界だし、地球上のあらゆる国々を指した言葉にもなる。細分化していけば、個人の回りの目が届く範囲、これも各自の世界になりうるだろう。
…ここで重要になるのは、問題の答えに明確な『中心』が存在する、ということ。解答の候補が『虫』ということを考えると、宇宙の中心などという天文学的な答えは望ましくないし、同様に国家の中心という政治的解答も然り、正解に相応しいとは思えない。つまり、各自の世界、その中心から答えを推察しなければならない)

⏰:08/03/30 00:58 📱:P903i 🆔:JR.ZSsSE


#264 [なぞなぞ(2/2)◆vzApYZDoz6]
(しかし『各自の世界』の中心は自ずと各自、つまり人間になってくる。通常、人間の体内に虫など存在しないが、これは『人=虫』という哲学的なことから考察するべきなのか?
──いや、『世界の中心』である人間、これに関わる…つまり危害を加える虫。ここから考えるのが適切だろう。
まず思い付くのは、毒を持ち人間を即死に至らしめる事すら可能なスズメバチやダイオウサソリ。だがこれらの死亡件数は限られているし、都会など人が集まる場所にいるような虫でもないから、人類の驚異にはなり得ないだろう。
となると、家庭に高確率で棲息し、人に精神的驚異を与える頭文字Gか…?いや、少なくとも俺にとっては驚異にならないし、国によっては食料にもされるからこれも却下。
こうなるとやはり答えは1つ…水辺があれば瞬く間に繁殖し、近年では都会での増殖率が増加の一途をたどり、マラリアなど多くの病原菌の媒介にもなる───)


「───『蚊』かな?」

「おー、正解!」

⏰:08/03/30 00:58 📱:P903i 🆔:JR.ZSsSE


#265 [紫陽花]



あげッ(∀・。)


⏰:08/04/01 21:19 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#266 [兄(1/2)◆vzApYZDoz6]
「お前はこの家の人間じゃない」

唐突に父が兄に言い放った。
そのときの父の目が怒りに満ちていたのを、僕は今でもはっきりと覚えている。

訳が分からず、父と兄に交互に視線を巡らせた。
こんな空気は一度たりとも感じたことがない。
なぜ、今まで気付かなかったのだろうか。

この空気は、ひどく汚れていて重たかった。

「出て行け。今すぐに、だ」

父の言葉は殆んど動詞だけで構成されていた。ひどく冷たく短い文。
なぜ、父はこんな言葉を兄に向けられるのだろうか。
兄はそんな人だったのだろうか。

僕の中で、思い出がぐるぐると回転する。それに合わせて頭が混乱する。
いつから、どうして、こんなことになったのだろうか。

「ハッ」

戸惑う僕をよそに、兄は父を馬鹿にしたように鼻で笑った。
そしてその笑いとは全く別の、とても暖かな笑顔を僕に向ける。
思い出の中の兄は、いつもこんな風に笑っていてくれていた。
だけど、いつも何処か悲しそうで。
僕は、言葉も出なかった。

兄が笑顔を崩さず、何も言わずに、僕の頭をひどく優しく撫でる。

なんというか、雰囲気的にこれが最後だと、僕の脳細胞が告げていた。

⏰:08/04/03 14:35 📱:P903i 🆔:xEGH5/Ds


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