【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
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#333 [君とコーヒー(2/3)◇東脂ヤ転
いや、忙しさのせいにして、俺はいつも遥の話を聞いていなかった。
だから遥の苦しみも、分かってやれなかったんだ。
「ごめん・・・・遥」
一言そう呟くと、俺はコーヒーに口をつける。
冷めていて苦い。
その苦みがやけに悲しくて、胸が熱くなる。
「居なくなってから気付くなんて・・・・ハハッ・・本当、皮肉だな・・・」
「・・・・・本当ね」
その時、自分自身に言ったつもりの言葉に、返答する声が聞こえた。
唯一、俺を振り向かせる声。
:08/05/07 16:50 :W52P :NK/CCjVE
#334 [君とコーヒー(3/3)◇東脂ヤ転
「遥・・・・・」
出て行ったハズの遥が、そこに居た。
「遅いよ気付くの」
遥は持っていた荷物を下ろすと、テーブルの上にあったコーヒーを飲む。
「マズッ!!・・・全然成長してないんだから・・・!!」
そう言う遥の目には涙が溜まっていた。
「・・・・・おかえり、遥」
それだけ言って、俺は遥を抱きしめる。
「・・・・・・・・・・ただいま」
小さな声で呟いた遥の声が、コーヒーの苦みを優しく溶かしていった。
そして俺はまた明日からコーヒーを入れるんだ。
君と、僕
二人分のコーヒーを。
:08/05/07 21:29 :W52P :NK/CCjVE
#335 [我輩は匿名である]
三点リーダー使うべきだぜ。後、やたら改行すると見にくくなるぜ。
:08/05/07 23:25 :SH903i :☆☆☆
#336 [◆vzApYZDoz6]
月花さんのSSS読んできましたー
いい話w
まぁ言うなれば、もうちょい話を掘り下げてもよかったかな?と思います
遥が出ていった時の描写とか…
あとなんかスレで指摘されてましたが、三点リーダ(…)を使いましょーw
:08/05/08 04:11 :P903i :gM9eSuGU
#337 [◆vzApYZDoz6]
あれ…?
なんでこっちに書き込み…ああ、寝ぼけてたのかな俺はw
スルーしてくれい
:08/05/08 04:13 :P903i :gM9eSuGU
#338 [東脂ヤ転
>>335何かグダグダですんませんでした(;_;)
にしても、三点リーダーって・・・??
あと、やたらと改行しているワケではなく、一応意味を持って行っている改行なんです。
でも読みにくかったならすんませんm(..)m
>>336-337書き手の語り場で、お話しますねWW
:08/05/08 08:18 :W52P :lM.8mKgw
#339 [我輩は匿名である]
>>338…これが三点リーダー。君のは半角の点の集合体。つまりこれ・・・
若干見づらくなるんだな。
後、改行で含みを持たせたいって意味があるのはわかる。でもやたらめったら使うと意味が薄れると思う。
:08/05/08 08:49 :SH903i :☆☆☆
#340 [[パン屋とケーキ(1/3)]蜜月]
残酷な描写があります
ある町に、働き者の夫婦が営むパン屋がありました。
何十年も前からあるそのパン屋は、店構えこそ古くてみすぼらしいものでしたが町のみんなからとても愛されていました。
何故なら夫婦が作るパンはみんな、魔法をかけたように甘くて柔らかくておいしかったからです。
しかし、町のみんながパン屋を愛する理由はそれだけではありません。
そのお店では一日三つ限定で飛び切りおいしいケーキが作られるのです。
町の大人たちは一人残らずそのケーキに夢中で、毎朝パン屋の前に並びました。
夫婦がお店を開けるとケーキは必ずすぐに売れてしまい、買えなかったお客さんは次の日の朝を待ち遠しく思うのでした。
「もう無いのかい?」
「すまないねぇ」
「どうしてこんなに少ないんだい?」
「すまないねぇ」
「このおいしさの秘訣はなんだい?」
「そりゃあ秘密さ」
お客さんたちは不思議に思いながらも毎日お店に通いました。
夫婦は毎晩、お店を閉めると車に乗り込み隣町の火葬場へ向かいます。
火葬場に着くと、そこで働く男にお金を渡し代わりに大きな荷物を受け取ります。
麻袋に入った重そうな荷物を車に詰め込んでお店に戻ると、夫婦はそれを二人がかりで厨房に運びました。
火葬場で買ったのは、飛び切りおいしいケーキの材料でした。
麻袋から取り出した白い食材に、パン屋の主人が包丁を入れます。
腕、足、首、腹、細切れになってゆく白い食材。
飛び切りおいしいケーキの材料は、幼い少年少女の死体でした。
:08/05/08 13:42 :SH903i :hl2laBBQ
#341 [[パン屋とケーキ(1/3)]蜜月]
素晴らしい包丁捌きで食材を切り分けると、次は奥さんの出番です。
目玉と舌と脳みそをミキサーにかけて、ドロドロになったところで抜いておいた血を混ぜ、さらにミキサーを回します。
肝臓や胃腸は挽き肉にして、茶色くカリカリになるまでフライパンで炒めます。味付けは、塩胡椒を少々。
心臓を薄くスライスすると、砂糖をまぶして小鍋で煮詰めました。
厨房には血の臭いと肉が焼ける香ばしい匂いが充満しています。
その間に主人はケーキの生地を作ります。
耳たぶやほっぺ、唇など体の中でも柔らかい部分を細かく刻んで生地に練り込みました。
両手と両足の爪を剥いでやすりで粉末状にすると、それも生地に練り込みました。
これをオーブンで焼けば、スポンジの完成です。
奥さんが焼けたスポンジを横半分に切って、間に心臓のスライスや内蔵の炒めものなんかをたくさん敷き詰めました。
次に不自然なほど真っ黒なドロドロ脳みそ入りチョコレートクリームを生地に塗りつけていきます。
ケーキを三つに切り分けて、最後に緑のミントをちょこんと乗せたら出来上がり。
夫婦は今日もケーキの出来栄えに満足しました。
ニコニコしながら残りの白い食材を焼いたり煮たりして平らげ、一日の仕事を終えました。
次の日、やはり開店と同時にケーキは売切れ。
一人の男が奥さんの耳元でヒソヒソ囁きました。
「オレが材料を調達するから、もっとたくさん作ってくれないか?」
「かまわないよ」
奥さんはニコニコと答えます。
男は「じゃあ夜中に」と言って店を飛び出してしまいました。
その夜、男は死体を二つ持ってきました。夫婦が火葬場で買ったのと合わせて三つ。
その夜の作業はとても大変でした。
:08/05/08 13:45 :SH903i :hl2laBBQ
#342 [[パン屋とケーキ(1/3)]蜜月]
けれど次の日、店頭には九つのケーキが並びました。
お客さんたちは大喜びです。
「明日も頼むよ」
「そりゃどうかな」
ケーキを買えたお客さんも買えなかったお客さんも、明日が楽しみで仕方ありません。
しかし町では子どもが次々と消えてしまう事件が起こっていました。
そう、夫婦に死体を渡した男は町の子どもたちを殺していたのです。
でも夫婦にはそんなこと関係ありません。
おいしいケーキが作れればそれで良かったのです。
そしてそれは町の大人たちも同じでした。
彼らも、おいしいケーキが食べられるならそれで良かったのです。
子どもが一人消え、ケーキが三つ増える。
子どもが二人消え、ケーキが六つ増える。
町の大人たちは気付いていました。
けれど毎日パン屋に通います。
ケーキのおいしさに夢中だったのです。
町の大人たちは昨日も今日も、きっと明日からも毎日、ケーキを買いにやってきます。
町に子どもが一人もいなくなってしまっても。
「もう無いのかい」
「すまないねぇ、また明日来ておくれ」
今日もケーキは売切れです。
飛び切りおいしいケーキ、あなたは食べてみたいと思いますか?
:08/05/08 13:49 :SH903i :hl2laBBQ
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