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#38 [紫陽花]
F905iで[werewolf]を
書いたのは私です
名前入れてなくて
すみません!!
:08/03/03 14:13 :F905i :☆☆☆
#39 [◆vzApYZDoz6]
:08/03/03 14:18 :P903i :zBYy/l0.
#40 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
>>38まさかの紫陽花さん!
書いたのですね。了解です
:08/03/03 14:26 :SH905i :☆☆☆
#41 [紫陽花[生きる理由]]
またこの季節がやってきた。
君の温もりを失ってから何度目だろうか。よくこの公園の桜の木の下のベンチで二人の将来を話したな……。
二人で部屋を借りよう、君は料理ができないから僕が炊事担当、たまの休みに今流行りの映画を見よう。
今でも鮮明に思い出せる君との思い出。
でも君の時間はあの日の夜止まってしまった。僕もすぐに君の元へ行こうとしたんだぜ。だけど君の声が聞こえたんだ。『もっと生きて。私の分も生きて。』ってね。だから僕は今も君のいない世界で生きてる。
君のいないこの世界は黒と白のただのパズルさ。
でも僕は生きる。
なぜって?
君が生きろと言ったから。
そんな単純な理由で僕は生きてる。でも人生ってそんなもんだろ?君なら分かってくれるかな……。
ーーーendーーー
:08/03/03 14:40 :F905i :☆☆☆
#42 [[延長戦]ふむ(1/1)◆s8/1o/v/Vc]
吹き荒れる風の中、二人は完全に対峙した。
鋭い眼光を互いにぶつけ合う。
こうして会うのは何年ぶりだろうか。
ザインが姿を眩まして三年…あの頃は同じくらいの実力で、いつも引き分けに終わっていた。
あいつはあれからどのくらい強くなったのか…。
両者の間に生暖かく強い風が吹き抜ける。
これも、運命か…。
ゆっくりと瞼を閉じて覚悟を決める。
久しぶりにザインの戦い方を思い出す。
いつも先手必勝とばかりに、まずあいつが切り込んで来る。
今もそうなのかは定かではない。
唯一あの頃と変わっている所は、この殺気篭った眼光。
冷静に瞼を開いて相手を見据える。
先に動き出したのはザインであった。
ザインは刀を抜き取ると構えすらせずに強く地面を蹴った。
人間とは思えない速さで風を切り大地を駆って真っ直ぐと相手に向かっていく。
無駄な動きは一切見られなかった。
黒い残像を残しながら月光に照らされて鋭く光る刃が軌道を描く。
あれだけあった距離を、一瞬で詰められた。
ザインの動きにジークは完全に硬直していた。
ザインが瞬時に危機を感じ反射的に身を後ろへ退く。
後退しながら刀に手を伸ばした時には、すでに遅かった。
風切音と共に襲い掛かる刃が眼前に迫る。
なんだよ…強ぇじゃん。
刀の太刀筋を追うように閃光の如く走る軌道を目に焼き付けて、ジークの意識は途絶えた。
力無く崩れ落ちたジークの口許には、僅かに笑みを帯びているように見えた。
:08/03/03 15:09 :SH905i :☆☆☆
#43 [河上彦斎(1/3)◆vzApYZDoz6]
江戸時代末期。
町外れの山道を歩く、1人の男がいた。
西陣の袴を着て、髷を結い、腰に刀を差している。
どこへ行くでもない。ただ強き者を求めて歩き、それと見えて斬り伏せる。
理由もなく人を斬るが、快楽殺人者という訳ではない。
いわゆる『修羅の道』を歩む者。強きに打ち勝つことでしか、己の存在意義を感じない者。
それが、その男。男はいつしか『修羅の者』と呼称されるようになった。
修羅の者は今日も強き者を求め野を渡る。
過去には数えきれない程の使い手を斬り伏せてきた。
京に於いては槍の名手と。大坂に於いては鎖鎌を繰る口引と。
伊勢に於いては柳生一族の末裔と。
薩摩に於いては弓と矢を駆る老傀と。
土佐に於いては節棍を使う女と。
数々の人間と、数々の武具を打ち倒してきた。
修羅の者はそれでも満足せず、ただひたすらに強き者を求めていた。
:08/03/03 15:41 :P903i :zBYy/l0.
#44 [河上彦斎(1/3)◆vzApYZDoz6]
そんな修羅の者の前に、ある1人の男が立ちはだかった。
立ちはだかった男は、手に西洋式の筒を持っていた。その筒には見覚えがあった。
自動拳銃。江戸末期の世では珍しい、近代兵器の第1歩。
「俺と合い見えてもらおうか」
男が自動拳銃を突き付ける。
西洋の龍のエングレーブが入った銃。
その龍を静かに見つめ、修羅の者は薄く笑った。
同時に刀に手を掛ける。
抜刀と同時に凪ぎ払われる刀身。男は突き付けていた銃身を立てて剣撃を受け止める。
刀の速度を殺さずに、銃身を横に倒して受け流
:08/03/03 15:42 :P903i :zBYy/l0.
#45 [河上彦斎(2/3)◆vzApYZDoz6]
>>44また途切れたw
しかも44とか不吉w
そんな修羅の者の前に、ある1人の男が立ちはだかった。
立ちはだかった男は、手に西洋式の筒を持っていた。その筒には見覚えがあった。
自動拳銃。江戸末期の世では珍しい、近代兵器の第1歩。
「俺と合い見えてもらおうか」
男が自動拳銃を突き付ける。
西洋の龍のエングレーブが入った銃。
その龍を静かに見つめ、修羅の者は薄く笑った。
同時に刀に手を掛ける。
抜刀と同時に凪ぎ払われる刀身。男は突き付けていた銃身を立てて剣撃を受け止める。
刀の速度を殺さずに、銃身を横に倒して受け流す。そのまま手首を回して銃口を修羅の者に向け、引き金を引いた。
:08/03/03 15:46 :P903i :zBYy/l0.
#46 [河上彦斎(3/3)◆vzApYZDoz6]
射出された弾丸は、現代のそれとは違い決して速くない。
それでも、銃口を向けられて尚笑みを浮かべる修羅の者を殺すには十分な速度があった。
だが、弾は修羅の者に当たらなかった。
受け流された刀の柄ギリギリに逆の手を添えて、テコの原理で刀身を無理やりに軌道修正。
つばめ返しと呼ばれる連撃技。
柄の真ん中を支点にして切り上げられた刃が、射出された鉛弾と銃身を両断し、一緒に引き金に掛けられた男の指を切断した。
「があっ!!」
思わず斬られた手を抱えて蹲る男の先で、振り上げられた刀身が妖しく光る。
それに気付いた男が顔を上げる前に、男の体は右肩から袈裟懸けに斬り裂かれた。
辺りに飛び散る緋色の鮮血。
修羅の者は、倒れ伏す男ではなく斬り捨てた刀を睨んでいた。
幾度となく血を纏った刀身は、赤黒く変色している。
とうに輝きを失った刀をしばらく眺めて、付いた血を振り払い鞘に納めた。
足下に転がる男の死体には目もくれず、修羅の者は再び歩き出す。
より強き者を、より強き武具を求めて。
ただひたすらに、修羅の道を歩いていった。
:08/03/03 15:47 :P903i :zBYy/l0.
#47 [[人斬り]ふむ(1/1)◆s8/1o/v/Vc]
人斬り。
それが俺の称号だった。
俺が名乗ったものではない。
世が俺に与えた名だ。
別にこの名は好きじゃないが、嫌いでもない。
なぜなら間違っていないから。
俺は人を殺す。
どんな形であれ、それは変わらない。
俺は人殺しだ。
皆が恐れる殺人鬼だ。
血塗られた太刀も、その味を覚えてしまっている。
滴る鮮血に、肉を切り裂く味を。
昨日も人を殺した。
洞窟の中にたむろしていた野党だったか…。
そんな事はどうでもいい。
俺は洞窟の地面や岩壁を血の色で汚し、血臭を充満させた。
十人前後いた人間は、俺の前で、俺の手によってただの肉の塊と化した。
人斬り。
それが大量殺人鬼である俺に付けられた呼称。
ぼんやりと空を眺めていたら、近くに女の叫び声が響いた。
見れば、河原で若い女が下衆な三人の男に襲われている。
俺は太刀に手を掛けた。
ゆっくりと歩を進める。
人を斬るために。
今日も、俺はこの手を血に染めて人殺しとなるだろう。
一人の女性のために。
:08/03/03 19:35 :SH905i :☆☆☆
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