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#463 [未来1/2 林檎]
目が覚めると一面、白い部屋にいた。
目の前には小さな透明のガラス張りの部屋がある。
その部屋は4畳半ぐらいの大きさで天井は少し低めだ。

よく見るとその小さな部屋の中には可愛い白人の赤ちゃんが4人いる。
皆、人差し指をくわえてお腹を空かしているようだ。

しばらく見ていると3人の赤ちゃんが1人をこしょばがらせ始めた。
始めはそれを笑いながら見ていた私だが、どうやら様子がおかしい。

1人の赤ちゃんが泣き始めたのだ。
近づいて見てみると、なんと3人全員が生えたばかりの爪で1人をひっかき回していた。

慌てて止めようとしたがその部屋には入り口がどこにもない。
どうすることもできなくて、ただ呆然と見ていた。

そして遂に赤ちゃんの皮膚が破け、真っ赤な肉が見えた。
しめたと言わんばかりに3人は顔を合わせる。

⏰:08/08/11 16:19 📱:D705i 🆔:Wohegi.s


#464 [未来2/2 林檎]
次の瞬間1人が肉に食いついた。
それに続けて2人も食らいつく。

泣き叫ぶ赤ちゃん。
どんなに大声で叫んでも誰も助けてくれない。
私は3人の赤ちゃんが3匹の悪魔にしか見えなかった。

いきなり吐き気が私を襲う。
とてもじゃないけど見ていられないので、あてもなく歩き出した。

…どれくらい歩いたのだろう。
歩いても歩いても白い部屋から抜け出せない。
この部屋に終わりはあるのか?

そんな事を考えていると前から白衣を着た男がやってきた。
あの赤ちゃん達は何なんだ、皆狂っていたぞ と言うと
狂っているのはお前だよ と言われ首に噛みつかれた。

この瞬間すべてを思い出した。
これは…地球から食糧が無くなったら人類は生きられるのか。
という実験だ。
食べ物を一番捨てている国が実験台になった。
それが私たちの国だ。
その中でランダムで選ばれた100人が犠牲になった。

私は選ばれたと通知がきた瞬間、自殺しようとしたが何者かにより邪魔され、ここへ連れて来られたんだ。

しかし、このままいくと100人の命が無駄になる。
現実になるかもしれない。
あなたも食べ物は残さず食べてください。
そうしないと次はあなたの国かもしれないですから…

⏰:08/08/11 17:00 📱:D705i 🆔:Wohegi.s


#465 [紫陽花]
あげ(´・ω・`)

⏰:08/08/17 22:26 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#466 [8月のおしまい(3/3)◆vzApYZDoz6]
季節は夏、うだるような暑さの8月の午後。

自転車の前かごには、俺と彼女の黒い鞄が2つ。
途中で漕ぐ気力も無くなった自転車を押しながら、蝉の鳴き声が響く帰り道を歩いていた。

不意に、彼女の足が止まる。

「あ、飛行機雲」

「ん?」

汗を拭いながら、彼女が指差す空を見上げる。

高く、遠くまで突き抜けていく青空に、おもわず片目を瞑ってしまう程に強く輝く太陽。
彼女の指の先には、その太陽の光を受けて白さを増した一筋の雲があった。

「あぁ、俺目ぇ悪いから」
「見えねーのかよ」

まぁそれは嘘で、本当は飛行機雲とそれを吐き出し視界の端まで突き進む銀色の飛行機まで、ばっちりと見えていた。

「ああー…クソ暑い」

彼女は舌打ちをして悪態をつきながら、熱せられた道を再び歩き出す。
しかしこの言葉遣いはどうにかならないものだろうか。

「帰ったら麦茶でも飲むか…」

⏰:08/08/27 10:00 📱:P903i 🆔:EWTxTBzE


#467 [8月のおしまい(2/3)◆vzApYZDoz6]
言ってしまえばド田舎のこの町は道のほとんどが装されておらず、また水をたっぷり湛えた田んぼのど真中を突っ切っているので、舗装された道路よりは暑くない。

ただ、それでも直射日光が、Yシャツに学ランのズボンという格好の俺に容赦なく襲いかかる。

「うへぇ…ズボンの中ぐしょぐしょだ」

「キモいこと言うなよ」

彼女はセーラー服。歩くたびに股下を風が通る。

「男子は冬が暖かいじゃん」なんて言う女子が多いが、夏の長ズボンよりかは冬のスカートの方が絶対にマシだと俺は思う。

なぜこのクソ暑い日にクソ暑い格好をしなければいけないのか。

登校日なんて、なくなればいいのに。

遠くから蝉の鳴き声が響く。
お馴染みのミンミンゼミに、シャーシャーと鳴くアブラゼミ。
それに混じって時折、つくつくぼーし、と別の鳴き声が聞こえてくる。

「夏もそろそろ終わりかぁ」

田んぼを抜けて、小さな交差点で進行方向を変える。

⏰:08/08/27 10:01 📱:P903i 🆔:EWTxTBzE


#468 [8月のおしまい(3/3)◆vzApYZDoz6]
土造りの用水路から、ポチャン、とかわいい音がした。

「切ないなぁ、夏の終わりって」

用水路から目だけを覗かせるトノサマガエルを一瞥して、彼女はそう応えた。

「部活も引退したしな…これから高校受験かぁ……」

俺は今にもこちらに倒れてきそうな入道雲を眺めながら、ぽつりと呟く。

前を歩く彼女が立ち止まり、振り返った。

「…ねぇ」

「なに?」

「高校行ってもさぁ、またこんな夏に会えるかな」

「……えー……?」

柄にもなくセンチな事を言い出したので驚いたが、彼女の目は真剣だった。

ので、至極簡単に答えてみせた。

「…俺らなら大丈夫だろ」

「そっか…そうだよな!!」

彼女は嬉しそうに、きれいな顔で笑ってみせた。

ああ畜生。

そんな顔するからますます夏の終わりが恋しくなるんじゃねぇか。

⏰:08/08/27 10:02 📱:P903i 🆔:EWTxTBzE


#469 [ぁき]

この話めっちゃすきですーっ


てかここが大好き★
最初っからずっと見てます

⏰:08/08/29 02:19 📱:SH905i 🆔:kyWwOBe.


#470 [◆vzApYZDoz6]
>>469
どうもですw
よければ参加してね

⏰:08/08/29 03:55 📱:P903i 🆔:saOknxQ2


#471 [応援(1/3)に]
ー暇だなあ。
普段の忙しさからは考えられないゆっくりとした時間の流れの中でそれを感じずには居られない。
夏とは思えない肌寒さと激しい雷雨の所為か、一番混雑している筈の夕方、院内には殆ど患者の姿が見られない。暖かい膝掛けと、微かに流れている院内の音楽を掻き消して外壁を打つ雨の音が心地良く耳に響いて、私の眠気を誘った。本当に寝てしまいそう。

「ねえねえ、これ見て」
一瞬飛んだ意識を起こして声のする方へ首を捻ると、同僚が嬉々とした様子で茶封筒を差し出していた。
「…なにこれ」
ぼんやりした頭で差出人を読むが、全く記憶が呼び起こされない。既に封が破ってあり、中身を出すと一枚の手紙と写真が入っていた。
「ほら、あの時の患者さんだよ!」
「…ああ」
写真の中でどこかの牧場を背景に女性と幸せそうに微笑んでいる中年男性、この顔には見覚えがある。
「こんな、元気になったんだね」

⏰:08/08/31 09:18 📱:N904i 🆔:rzQdvrtA


#472 [応援(2/3)に]
最初ここに来た時は人生が終わったような顔で来てたっけ。絶対大丈夫、一緒に治そうってその度に励まして。患者のあの泣きそうな笑顔が印象に残ってる。
手紙の内容は、あの時の貴方達の励ましが無ければ今の自分は居なかった、本当に感謝していると言うものだった。
「幸せそうで良かった」
同僚もそれに頷く。こうゆうのは素直に嬉しい。
「写真の裏側、見て」
言われるがままに裏に返すと、丁寧な字で『これからも頑張って下さい』とだけ書かれていた。
「…私、この仕事してて良かったな」
「私も」
嫌な事や悲しい事も沢山あるけど、患者さんと触れ合える、喜びを分かち合えるこの仕事で良かった。辛いことがあったら応援してくれる人の事を思い出して頑張れる気がする。

仕事頑張るぞ。

雨も上がり見覚えの無い顔が入ってきた。何か凄い悩みを抱えてそうな雰囲気を醸し出している。

⏰:08/08/31 09:19 📱:N904i 🆔:rzQdvrtA


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