木の下でかくれんぼ
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#150 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

カミヤマくんは小さな溜め息を吐いた。

アサミさんを心配する言葉に特別な感情は一切感じられない。

アサミさんが消えて、クラスメイトで一番悲観し嘆くのはカミヤマくんだとばかり思っていた。

しかし実際は違った。

⏰:08/04/29 17:09 📱:L704i 🆔:vX8MJVrM


#151 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

いの一番に行方不明を至って冷静に解釈し、わたし以外には自分から話題に出さない。

殺人犯のわたしよりもはるかに「普通」すぎると言える。


「そういえば、おとといからアンドウさんも学校に来てないね」


ドキリとした。無意識の内に鼓動が高鳴る。

⏰:08/04/29 17:11 📱:L704i 🆔:vX8MJVrM


#152 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「……そ、そうね……」

「先生は風邪だと言うけど……もしかしたら……アンドウさんにも、何かあったのかな?」

わたしはうつむいたまま目を見開いた。同時に全身に妙な汗が滲む。

駄目だよ、カミヤマくん。それ以上は駄目。カミヤマくんが何をいいたいのか薄々は理解できる。けれど、駄目、だからこそ、駄目。

⏰:08/04/29 17:13 📱:L704i 🆔:vX8MJVrM


#153 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「何か……って何? ……カミヤマくん……」

「もしかしたら、アサミとアンドウさんは、同じ理由で学校に来れないのかもしれない」




こいつ、殺す。

コイツもアンドウのように首を突っ込んでくるに違いない。

殺してやる。

⏰:08/04/29 17:16 📱:L704i 🆔:vX8MJVrM


#154 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

抑えきれない感情を必死に抑え、わたしは問いかけた。

「そうかしら? わたしにはただ風邪で寝込んでいるだけのように思えるけれど……」

わたしがそう言うと、カミヤマくんは首を横に振った。

⏰:08/04/29 17:18 📱:L704i 🆔:vX8MJVrM


#155 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「…………。実は、昨日アンドウさんの家にお見舞いに行ったんだ。それでアンドウさんのお母さんは『一日中、部屋の隅でぶつぶつの独り言を呟いて、ご飯もろくに食べずに引きこもってる』って……」

「…………」

⏰:08/04/29 18:01 📱:L704i 🆔:vX8MJVrM


#156 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「その話が本当なら、アンドウさんは何か尋常じゃないことがあったんじゃないかな、と思うんだ。アサミが行方不明になったのと、ほぼ同じタイミングだし……関連があるのかも」

「か、関連が……。そうね、あるのかもしれないわね……」

⏰:08/04/29 18:02 📱:L704i 🆔:vX8MJVrM


#157 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

気分は最悪だった。

アサミさんを殺害したことで続いていた幸福感は煙のように消え去り、変わりに土足で心の中を歩き回られているような気分だけが残った。

ようやくアンドウという邪魔者を消すだけの段階に入ったというのに、ここで再び思わぬ障害が現れてしまった。

⏰:08/04/29 18:03 📱:L704i 🆔:vX8MJVrM


#158 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

畜生。

せめてアンドウをさっさと消していれば少しは負担が軽くなったかもしれないのに。

「本題に入るよ。サエコさん、君に付いてきて欲しいところがあるんだ」

「……付いてきて欲しいところ……?」

⏰:08/04/29 18:06 📱:L704i 🆔:vX8MJVrM


#159 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

わたしはうなだれながら繰り返す。

カミヤマくんは静かに頷いた。


「アンドウさんの、家に」

⏰:08/04/29 18:07 📱:L704i 🆔:vX8MJVrM


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