木の下でかくれんぼ
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#292 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]



「サエコさん。ちょっといいかしら」

下校前のホームルームが終わり、私は教室から出ようとするムラカミサエコをひき止めた。

彼女は驚いたように目を丸くしたあと、リュックを背負い直して私の方に向きなおる。

⏰:08/08/21 07:18 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#293 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

教室には私とムラカミサエコのふたりきりになった。

「どうしたの?」

ムラカミサエコの大きな瞳に私が映る。

「実は、あなたに伝えたいことがあって」

私は昨日聞いたスズキアサミの企みを、さも危険そうに話を大袈裟にして彼女に伝えた。

⏰:08/08/21 07:18 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#294 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

話し終えたあと、ムラカミサエコは焦点の定まらない泳いだ困惑を孕んだ目でこちらを見る。

彼女の目には涙がたまっていた。

その涙の理由は恐怖なの?

それとも悲しみ?

私はわき上がる笑いを堪えるのに必死だった。

⏰:08/08/21 08:00 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#295 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「それは本当なの? わたしはカミヤマくんと付き合ってなんてないのに、誤解だわ」

私は彼女の肩に手を置いた。

そして、いかにも貴方を心底あわれんでいる、けれど私は貴方の唯一無二の味方よ、というような表情をつくった。

⏰:08/08/21 08:05 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#296 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「まったくね。危ないことをされて怪我なんてしないように、頑張ってちょうだいね」

そう最後に言うと、私は教室をあとにした。

しばらく下駄箱でムラカミサエコを待っていたが、彼女はいつになっても降りてくることはなかった。

⏰:08/08/21 08:06 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#297 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]


感想、意見等をお待ちしています

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2635/

⏰:08/08/21 09:38 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#298 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]



翌日の昼休み、私は日直の仕事である黒板消しをしながらスズキアサミとムラカミサエコの会話を盗み聞きしていた。

教室には私達三人以外にはストーブに群がるスズキアサミのとり巻きしかいなかった。

⏰:08/08/21 11:38 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#299 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「きゃははっ! アサミぃ、サエコのやつ完全にビクってんじゃんか。優しくしてやりなよー」

「でもさ、呼び出しなんてちょっとやりすぎじゃない?」

ササキアキコがスズキアサミに聞こえないようにささやいた。

どうやら、自分のついた嘘でムラカミサエコが呼び出しをくらうのに罪悪感を感じているらしい。

しかし目はしっかりと笑っていた。

⏰:08/08/21 11:40 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#300 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「しょうがないって。アサミはカミヤマくんのことになると見境がなくなるんだからさ」

とり巻きの笑いとともに手を叩く音や甲高い笑い声が響く。

毎度のことながら工事中の道路のようにうるさいものである。

⏰:08/08/21 11:40 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#301 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

スズキアサミは口の端をつり上げて笑う。

そして勢いよくムラカミサエコの机に手を置き、すごみながら低い声で言った。

「いい? 絶対にきてよね。来なかったら、それこそ許さないんだから。分かった?」

「うん……」

⏰:08/08/21 11:42 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


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