木の下でかくれんぼ
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#350 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

私は、身体から絞り出すように、声を震わせて、訊いた。

立っているのがつらい。

体の力をほんの一瞬でも緩めれば、瞬く間に崩れ落ちてしまいそうなくらいに脱力していた。

⏰:08/09/28 07:20 📱:L704i 🆔:wERXz/mU


#351 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

カミヤマミヤトは、唐突に、天井をあおいだ。

何かを考えているようだった。

しかし、すぐに視線を私へと落とした。

⏰:08/09/28 07:22 📱:L704i 🆔:wERXz/mU


#352 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「どうして、って、……面白いことを訊くんだね、アンドウさんは……。フフフ……。君なら絶対に、……何かをしでかしてくれると思っていたからだよ。でも、いいよ、あんまり怒ってないよ。このまま何もなしに忠告を聞いてくれるなんて、最初から期待してなかったからさ。呆れてるっていうのが本心かな……」

ウフフ。

フフフ。

カミヤマミヤトの笑い声がしつこくまとわりついて、頭から離れない。

⏰:08/09/28 07:23 📱:L704i 🆔:wERXz/mU


#353 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「それで……」

彼は私に一歩近づき、間隔をつめた。

足がすくんで動けない。

彼の冷たく鋭い目線が私をとらえる。

⏰:08/09/28 07:24 📱:L704i 🆔:wERXz/mU


#354 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「次は何をしでかすつもりなんだい……? フフフ……。君なら、舌の根の乾かぬうちに悪知恵をひらめくんだろうけどさ、……もうそんなことはさせないよ。遊びは終わりだ、アンドウナナミ」

寂しくないように、君の家族もろとも、殺してあげる。

労るように優しく、カミヤマミヤトは呟いた。

⏰:08/10/04 16:49 📱:L704i 🆔:6RQeqqkE


#355 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「せめてもの情けとして、今夜は家族と水入らずの一時をあげるよ。僕って優しいだろう? ……フフフ。けど、明日の朝、必ず、君を殺しにいくから」

「ちょっと、ふざけるのもいい加減にしてよねっ……! 謝るから、冗談でも殺すだなんて言葉、使わないでよ! 貴方、本当に、目がオカシイわ……。正気とは思えない……」

⏰:08/10/07 22:57 📱:L704i 🆔:/NQepL.E


#356 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

彼の顔から笑みが消えた。

私にゆっくりと手を伸ばす。

その手が私の首を鷲掴みにしようとする、刹那、絶妙なタイミングで正面からこちらへかけよってくるスズキアサミの姿が見えた。

⏰:08/10/08 15:14 📱:L704i 🆔:9.pobqzQ


#357 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

彼女が声を発してようやく、カミヤマミヤトは彼女の存在に気付いた。

伸ばしていた手を素早く引っ込めた。

スズキアサミの手がカミヤマミヤトの肩に置かれたとたん、彼の目が一瞬大きく見開かれ、その後、先ほどまでの冷酷な目付きが嘘のように消え去っていった。

⏰:08/10/08 15:16 📱:L704i 🆔:9.pobqzQ


#358 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

春の日だまりのように優しい目が私を見る。

あまりの豹変っぷりに、私は唐突にジギルとハイドを思い出した。

もしかしたら彼の身体のどこかにはスイッチがあり、それを押したり戻したりすることで正と負の人格を自由に操作することができるのではないかと思った。

⏰:08/10/08 19:49 📱:L704i 🆔:9.pobqzQ


#359 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「ミヤト、ごめん! 今日はこれからちょっとした用事があってさ、一緒に帰れなくなったんだ……。本当にごめんね」

スズキアサミはカミヤマミヤトに向かって、何度も深く頭を下げた。

それをカミヤマミヤトは笑ってたしなめる。

⏰:08/10/08 19:51 📱:L704i 🆔:9.pobqzQ


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