木の下でかくれんぼ
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#201 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「いいね、午後の授業が清々しい気分で受けられそうだ。……そうそう。こんなに天気がいいと、死体の腐敗が進んじゃうね。こんな日に殺人をした人は運がない」



「…………え?」

⏰:08/05/11 16:17 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#202 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

死体の腐敗。その単語を耳にした瞬間、わたしは凍り付いた。

………………。

まさか、昨夜の《後をつけてきた人物》はカミヤマくん?

馬鹿な。カミヤマくんが何故わたしの行動を監視していなければならないのか分からない。

⏰:08/05/11 16:18 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#203 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「ど、どういう意味……?」

声が震える。

動揺したわたしを見て、カミヤマくんは小さく声を出して笑った。

額に嫌な汗が伝う。

「冗談だよ。僕、サスペンスが好きでさ、いつもこんな事を考えているんだ。もしかして、気分を害してしまったかな?」

⏰:08/05/11 16:20 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#204 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

……冗談?

本当に冗談なのだろうか。わたしの中で疑問が葛藤する。

この男、虫一匹殺せないような顔してこんなことを考えていたなんて恐ろしい。

どちらにせよ、カミヤマくんへのイメージがマイナスに変わったのは確かだ。

⏰:08/05/11 16:21 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#205 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「……いえ、少し驚いただけよ。まさかカミヤマくんがそんな事を考えていたなんて思いもしなかったから、動揺してしまったの……」

「そう? いつもこんなことばかり考えてるんだよ。それに……」

⏰:08/05/11 16:49 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#206 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

……カミヤマくん。

わたしが怯えきった声でその名を呼ぶと、カミヤマくんはわたしの方へと手を伸ばした。

その手はわたしの顔を撫でた。氷のようなカミヤマくんの手の冷たさが、肌を通して直接伝わってくる。

⏰:08/05/11 16:50 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#207 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「君のこともね」

そう言うカミヤマくんの顔は、わたしが知っているソレではなかった。

目は冷たくわたしを見据え、口からは笑みが消えた。まるで別人だった。
背筋に悪寒がはしる。

⏰:08/05/11 16:51 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#208 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「……カ、カミヤマくん……」

一体どうしてしまったの。

わたしはカミヤマくんから一歩、また一歩と遠ざかる。

カミヤマくんはそれに合わせ、わたしとの距離を縮めていく。

何故逃げてしまうのか分からないが、わたしの中の何かがけたたましく警鐘を鳴らしていた。

⏰:08/05/11 16:54 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#209 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「アサミを殺したのは君なんだろう?」

何故、そんなことをいきなり言い出すの。

もう訳が分からず、わたしは必死に首を横に振る。

いや、来ないで。わたしアサミさんをコロシテなんかない。

わたしの見開いた目がカミヤマくんをとらえた。

笑っていた。

⏰:08/05/11 16:55 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#210 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「何を怯えることがあるの? 僕は君を誉めてあげたいくらいなのに。アサミを殺してくれてありがとうって……」

「……わたしは……アサミさんを殺してなんか、ない……」

「嘘だよ。君は僕を愛していた。だから邪魔なアサミを殺した。そうだろう……? そうに決まってる……」

⏰:08/05/11 16:56 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#211 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

カミヤマくんはわたしを抱き締めた。

カミヤマくんの温もりが、愛が、狂気が伝わってくる。

わたしは恐怖で身動きできずにいた。

体の震えが、恐怖が止まらない。

⏰:08/05/11 16:57 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#212 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「愛してるよ、サエコ。僕の為に狂気に走った君を、僕は受け入れるよ。だからこそ君の手伝いをしてきた。《後始末》の手伝いをね……」

「……《後始末》の手伝い……?」

⏰:08/05/11 16:58 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#213 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

カミヤマくんは《後始末》の手伝いの内容を淡々と話し始めた。

わたしがアサミさんを屋上から突き落とした後、死体を溝に隠したこと。

葉の山に隠されたアサミさんの死体が見つからないよう、休み時間の度にずっと見張っていたこと。

昨晩、わたしの《後始末》を見て気が狂ったアンドウさんを早朝に《始末》したこと……。

⏰:08/05/11 16:58 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#214 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

信じられなかった。

都合よく進んでいた計画の裏で、カミヤマくんがこれ程までに暗躍していたなんて。

わたしは信じられない、と言わんばかりにカミヤマくんを見つめた。

⏰:08/05/11 17:00 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#215 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「全ては君の為さ。君と僕の望みの実現の為。君は僕のことを、僕は君のことだけを考えて生きていく為」

だから……。

カミヤマくんは続けて話し始めた。

「君の叔母さんと叔父さんも、今朝殺してあげたよ。僕の両親もだ。これからは親なんていない方がいい。これから二人が一緒に生きていくのを邪魔するに決まってる」

⏰:08/05/11 17:02 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#216 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

カミヤマくんは微笑んだ。

「…………」

わたしは口をぽかんと開けたまま、カミヤマくんの言葉を理解しようと頭をフル回転させていた。

⏰:08/05/11 17:03 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#217 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

叔母さんと叔母さん……?

わたしのオバサンとオジサンのコト……?

殺したって、どういう意味なのだろう。

殺した?殺した?

ころした……

殺した?

わたしの叔母さんと叔父さんをカミヤマくんが殺した?

⏰:08/05/11 17:03 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#218 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

>>217

文頭が「叔母さんと叔母さん」となっていますが、それは書き間違いです。すみません。

○叔母さんと叔父さん
×叔母さんと叔母さん

⏰:08/05/11 17:05 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#219 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「……ねぇ…………嬉しい…………?」

カミヤマくんはわたしの手を取り訊いた。

その声には罪悪感などまるで感じることが出来ず、わたしは震えた。

⏰:08/05/11 17:52 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#220 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

当たり前のように叔母さんと叔父さん、そして自分の両親を殺したこの男は一体誰なの。

まるで悪魔だ。

無邪気に、当たり前のように欲しい玩具を手にいれる為に人を皆殺しにする悪魔なのだ。

⏰:08/05/11 17:53 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#221 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「………い…」

「え?」



「嫌ぁあぁあぁぁぁぁー! 人殺し! キチガイ! 放してよ、放してよーっ!」

⏰:08/05/11 17:54 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#222 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

カミヤマくんの手を思い切り振り払い、わたしは逃げ出す。

後ろから「待って!」と言うカミヤマくんの叫び声が聞こえた。

⏰:08/05/11 17:56 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#223 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

足が重い、上手く走れない。

アスファルトが底無し沼のように感じた。

まるで、逃げるわたしの足の力を吸い込んでいくようだった。

⏰:08/05/11 17:56 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#224 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「待ってサエコ! どうして逃げるの! 僕が守ってあげるよ、何も怖くなんかないよ!」

「来ないでぇぇ! 助けて、誰か助けてぇぇぇーっ!」

⏰:08/05/11 17:57 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#225 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

逃げ回る途中、登校する生徒がわたし達を怪訝そうな目で見ていた。

何度か車にひかれそうにもなったが、けして立ち止まらなかった。

立ち止まればカミヤマくんという狂気に飲み込まれる。

⏰:08/05/11 17:58 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#226 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

しかし、もうわたしの体力は限界に近づいていた。

ヒュウヒュウと肺は鳴り限界を知らせ、足はガクガクと痙攣している。

それに比べカミヤマくんはまだ叫び声を上げながら平然と追いかけてくる。

この調子だと、間もなくわたしは追いつかれるのだろう。わたしの頭に絶望がよぎった。

⏰:08/05/11 18:02 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#227 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

気付くと、わたしは学校の銀杏の木の下に倒れ込んでいた。

肺が酸素を求めて泣きわめく。

うつろな目で回りを見渡すと、大勢の生徒がわたしを凝視しているのが分かった。

⏰:08/05/11 19:42 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#228 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「……み、見るんじゃない……汚ならしい目でわたしを見るんじゃないよっ……!」

わたしは力を振り絞って起き上がる。

「いゃあぁぁ!」
「ひぃぃぃ……!」


途端に、近くの生徒や校舎から凄まじい悲鳴が上がった。

⏰:08/05/11 19:43 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#229 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「なんなのよ……」

わたしは立ち上がる。

……一体何にたいして悲鳴をあげているんだ。

みんなの視線の先、わたしが先程倒れ込んでたところを見た。


そ こ に は ……。

⏰:08/05/11 19:46 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#230 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「……ア、アンドウさん……」

わたしは混乱し、驚きのあまり尻餅をついた。

わたしが倒れ込んだ先。

そこには全身から血を垂れ流し変わり果てた姿になったアンドウさんがいた。

⏰:08/05/11 20:05 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#231 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「僕がアサミと入れ替えて葉の山に隠したんだよ……まさかこんな形で見付かるなんてね……」

悲鳴に混じり、背後からカミヤマくんの声が聞こえた。

振り向くと、カミヤマくんは銀杏の木にもたれかかり、わたしを優しい瞳で見つめていた。

⏰:08/05/11 23:22 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#232 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「う……うう……」

逃げなければ。

わたしはカミヤマくんを見つめたまま後ずさる。

「それにしても、見つかっちゃったね。僕達だけの秘密が……。どうする? みんな殺しちゃう? ……フフフ」

⏰:08/05/11 23:27 📱:L704i 🆔:5YNNSfM6


#233 [_´Д`]
あげ(´・ω・)

⏰:08/05/26 10:28 📱:N904i 🆔:C4cK5oW6


#234 [柳下]
おもろい

⏰:08/05/26 11:44 📱:F703i 🆔:OzdKUCd.


#235 [我輩は匿名である]
書かないの?

⏰:08/06/04 06:11 📱:F705i 🆔:mNwZ4Ib.


#236 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

カミヤマくんは無邪気な笑顔をはりつけケケケとに笑う。

今の殺戮とした状況とその笑い声はあまりにも不釣り合いなものだった。

⏰:08/06/04 21:24 📱:L704i 🆔:ZxijOEDw


#237 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「念のために、ここにコレを隠しておいて正解だったみたいだよ」

カミヤマくんはアンドウさんの死体に近づくと、崩れた葉の山から錆びた金槌を取り出した。

わたしは目を疑った。

何故そこにそんなモノが。それでわたしを殴り殺すつもりなの?

⏰:08/06/04 21:25 📱:L704i 🆔:ZxijOEDw


#238 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「…………」

わたしは必死に首を横に振り、口をパクパクと開閉させ、お願いよ止めてと念じた。

……ワタシという人一人殺した愚かな殺人鬼には、命乞いなんておこがましいわよ。

頭の中からわたしをなじるアサミさんの声が聞こえた。

⏰:08/06/08 01:58 📱:L704i 🆔:qiS4SuAQ


#239 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

ごめんなさい。

本当にごめんなさい。


……もしも、もう一度やり直せるのなら……アサミさん。

わたしはあなたと友達になりたかった。

他愛もないことで笑い合える、友達に……。

しかし今のわたしは涙を流すことしか出来ない。

⏰:08/06/08 02:00 📱:L704i 🆔:qiS4SuAQ


#240 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「怖がらなくてもいいんだよ、サエコ。別にこれを君にぶつけようなんて思ってなんかいない。君が死んだりなんかしたら……僕は死ぬ」

「…………」

「……やれやれ。まさかコレを誰かに使うことになるとはね」

⏰:08/06/08 02:01 📱:L704i 🆔:qiS4SuAQ


#241 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

使うことになるって、一体誰に?

わたしが訊こうとしたその時、教師がこちらに走ってくるのが見えた。

カミヤマ君は教師を薄目で睨み付けながら金槌を持ち構え更にきつく握りしめた。

そんなもので立ち塞がる壁全てを壊すことなんて出来はしないのに。

……遠くからはパトカーのサイレンが聞こえてくる。わたし達に逃げ場はもうない。

⏰:08/06/08 11:49 📱:L704i 🆔:qiS4SuAQ


#242 [我輩は匿名である]
書いてください

⏰:08/06/15 07:52 📱:F705i 🆔:pEz0oVoM


#243 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「…………」

終わり、わたしは終わったんだ……。

わたしはカミヤマくん、いいえ、わたしが造り出した殺人鬼と共に果てる。

叔母さんと叔父さんを殺した殺人鬼となんて、皮肉なものだ。

結局、わたしは守りたかったものをわたしのせいで喪ってしまったのである。

⏰:08/06/15 18:47 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#244 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「……罰……これは罰なんだ……。わたしが感情に任せてアサミさんを殺した罰……。叔母さんと叔父さんを裏切った罰なんだ……。叔母さん、叔父さん……ごめんなさい……ごめんなさい……」

わたしもすぐに逝きます。

わたしの頬に温かい涙が伝った。

カミヤマくんはしばらくの沈黙の後、静かにしゃがみ込んでそれを指で優しくぬぐった。

⏰:08/06/15 18:49 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#245 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「それは違うよ、サエコ。罰ではなく運命だ。アサミの死は僕達が旅立つためのきっかけに過ぎない」

カミヤマくんは諭すようにいい放つ。

「きっかけ……?」

カミヤマくんは再びわたしを抱きしめた。

⏰:08/06/15 19:09 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#246 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「障害となる壁を叩き壊し、自らの生きる道を突き進むことを……アサミは身をもってサエコに教えてくれた。アサミが僕に好意を抱いていたのも、サエコにそれを教えるための道しるべだったんだ。アサミの僕を貪欲に求める想いが、サエコを運命に引き込んだ。僕と生きる、運命へ」

わたしの中で、様々な感情が交錯していた。

その中でも一際大きく渦巻く感情が《後悔と憐れみ》だった。

⏰:08/06/15 19:51 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#247 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「……どうしてなの……どうしてそんなにわたしを想ってくれていたのに……」

カミヤマくんは金槌を握りしめたまま、立ち上がった。

カミヤマくんの見つめる先には、アンドウさんの死体を見て仰天している教師だった。

⏰:08/06/15 19:52 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#248 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「どうしてその愛を正しい道で示してはくれなかったの……? すべてが歪んでしまった後でしか、示すことはできなかったの……? わたし達は……わたしは……」

涙を拭いながら発した言葉はあまりにか弱く、カミヤマくんに届くことなく空気と同化していった。

⏰:08/06/15 19:53 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#249 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「お……おいっ!」

教師が錯乱状態のままわたし達に声をかけた。

「お、おお、お前たち、これは一体どういうことなんだ!? 何故アンドウがこんな……」

教師はわたしの肩を掴み、アンドウさんを見て叫んだ。

⏰:08/06/15 19:55 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#250 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

わたし、知りません。知りません。逃げて先生。ここから逃げて。

涙で視界がぼやけ、教師の顔がよく分からない。

しかし、教師に向かって降りおろされる金槌は鮮明に見えていた。

⏰:08/06/15 19:55 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#251 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「カミヤマ、お前は何か知って……」

そう言ったとたん、教師の頭蓋に金槌が深くめり込んだ。

ぐええ、と唸り声を上げながら目の焦点が定まらぬまま教師はわたしの足元へと倒れ込んだ。

教師の頭部から噴き出す鮮血はあまりにもくっきりとしていて、わたしの目を覚まさせた。

⏰:08/06/15 19:57 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#252 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

「さあ」

わたしの目の前に白い手が差し出された。

「行こう。長い序章は終わった。ここから僕らの運命が始まる」

ぬらぬらとした鮮血を被ったその手を、わたしは強く握りしめた。

⏰:08/06/15 19:58 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#253 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

これからどうなるかは分からない。

けれどわたし達にはもう立ち止まることはできなかった。

足裏から血が流れようとも息が切れようとも走り続けなくてはならない。

⏰:08/06/15 19:59 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#254 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

わたし達は走り出した。

グラウンドを駆け抜け、雑木林を駆け抜けた。

道すがら、美しく輝く夕日を見た。

走るわたしの頬を撫でる風を感じた。

大地を踏み締め、わたしを生かしてくれている大宇宙の意思と愛を感じた。

運命を切り開く喜び、生きる喜びを噛み締めながら、わたし達は今にも沈まんとする夕日の光の中へと溶けていった。

⏰:08/06/15 20:00 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#255 [ちむ◆Hi9o8eIXuA]

木の下でかくれんぼ、これにて終了です。

ご意見、感想等ありましたらコチラへお願いします。
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2635/

このスレッドに感想等を書き込むのは極力お控え頂けると助かります。

ただし、アンカーは大歓迎です。

⏰:08/06/15 20:09 📱:L704i 🆔:77UeCXLE


#256 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]


age(*^^*)

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2635/

⏰:08/08/16 09:34 📱:L704i 🆔:be.0TE3Q


#257 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

ここからは「木の下でかくれんぼ」の外伝を「鬼が哭くよるに」と同時進行で書いていきます。

新スレを立てるのは勿体ないと思い、わざと立てませんでした。

ですので、本編と混ざりあっていて読みにくいことも多いと思いますので、アンカーのみココに書き込むのを許可します。

恐れいりますが、感想等は感想板にお願いします。

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2635/

⏰:08/08/17 16:37 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#258 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]






⏰:08/08/17 16:45 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#259 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

ぎしぎしと床板が軋む音が聞こえ、私は母親が階段をのぼり部屋に近づいてくるのを知る。

私は悲鳴を上げた。

その時にはもう母親を母親として見ておらず、もはやあの死神の使いとして認識していた。

⏰:08/08/17 21:46 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#260 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

私は布団をひっかぶり、強く目をつぶり両手で耳をふさいだ。

ドアを叩く質素な音が部屋に響き渡る。

しばらくすると母親の怒りを孕んだ声が聞こえてきた。

⏰:08/08/17 21:48 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#261 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「ナナミ、起きなさい。あなたいつまで学校を休むつもりなの? お友達がわざわざ迎えに来てくれたのよ。さっさと着替えて行ってらっしゃい」

私には親しい友人なんて一人もいない。

それどころか、クラスメイトのほとんどの人間に仲間と見なされてはいないのである。

⏰:08/08/17 22:03 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#262 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
<Font Size="-1">
しかしそれは仕方ないことだった。

私の方もクラスメイトを仲間だなんて思ってはいなかったからだ。

友好を求めて近寄ってくる人間はことごとく鼻であしらった。
</Div>

⏰:08/08/17 22:05 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#263 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

>>262

タグミス失礼しました

⏰:08/08/17 22:06 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#264 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

だから私に友人がいないのは当然のことなのだ。

そんなこと、母親は知らない。

「私、学校に行かない。死神に外に出るなって約束させられてるんだもの。私は約束を守る。外にいる死神にもそう伝えておいて」

⏰:08/08/17 22:22 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#265 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

ベッドの横にあるカーテンを少し開けて下を覗くと、玄関の近くに死神の姿が見えた。

私はいよいよ恐ろしくなり身震いする。

「死神? 何言ってるのあなたは! いい加減にしなさいよナナミ、今から出張に出てるお父さんを呼び戻してあなたを叱ってもらってもいいのよ」

母親はしつこくドアノブを回し続けた。

⏰:08/08/17 22:24 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#266 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「こっちは鍵があるの。いい? 開けるわよ!」

そう言うなり間髪いれずにドアが勢いよく開いた。

ドアノブを回していたのは単なる芝居で、すでに鍵でドアを開けていたのだろう。

カーテンが閉め切られて大きな暗闇をつくっていた私の部屋に、まばゆい光が挿し込む。

⏰:08/08/17 22:26 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#267 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

私はドアの前に仁王立ちする母親をひっかぶった布団の隙間から見た。

眉根には深い皺をつくり、目はつり上がって、口はきつく閉じられた一文字だった。

平穏を好みいつも笑っている母親にしては眉をつり上げて怒るなど意外な一面である。

⏰:08/08/17 22:27 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#268 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

母親は私のかぶった布団を力強くはぎ取った。

そして私の腕を掴み無理矢理立たせようとする。

「さあ、まずはしっかりと朝ごはんを食べなさい。学校に行かないにしても、ちゃんと着替えて、顔を洗って、お日さまの光をあびて、悩みがあるなら何でもお母さんに相談しなさい。もうこれ以上、お母さんを心配させないでちょうだい!」

⏰:08/08/17 22:31 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#269 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

母親は泣いていた。

流石に母親を心配させて泣かせた罪悪感に胸が痛んだ。

外へ出なければ死神に問われることはない、せめて元気に振る舞って母親を安心させてあげよう。

そう思い、立ち上がった時だった。

⏰:08/08/17 22:56 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#270 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「無理矢理は、駄目ですよ。きちんと言葉で解決しないと」

楽しむかのように笑いを孕んだ男の声が聞こえてきた。

あわてて周りを見渡すと、ドアにもたれかかる死神の姿があった。

⏰:08/08/17 23:13 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#271 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

日の光を浴びて、目がらんらんと光り髪の毛が栗色に見える。

口の端はいやらしく片方だけつり上げられていた。

この一週間、一時たりとも忘れたことはない恐ろしい顔である。

死神、カミヤマミヤト。

⏰:08/08/17 23:13 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#272 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「……うああ!」

こちらを興味深そうな目で見ている。

私の様子を伺っている。

⏰:08/08/17 23:15 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#273 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

モウ、逃ゲラレナイ。

「いやぁあぁぁーっ! お母さん! お母さん! 私を殺しにきたあの死神を早くどこかへ連れていってぇ! 早く、早くーっ!」

⏰:08/08/17 23:15 📱:L704i 🆔:P3f9E//o


#274 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

私は叫んだ。

あらんかぎりの声で叫んだ。

「ナナミどうしたの? 落ち着きなさい、ナナミ!」

助けてお母さん。

母親に助けを求めて必死にしがみついても、狂い叫ぶ私に混乱していて私と死神を交互に見つめるばかりだった。

⏰:08/08/18 11:31 📱:L704i 🆔:7dEREgGc


#275 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

近くにあるものをあらかた投げ終えたところで、死神は口を開いた。

「とって食うつもりはないんだよ、アンドウナナミさん。ぼくはただ、一週間もの間ちゃんと約束を守ってくれた君にご褒美をあげたくって来たんだ」

ご褒美。

そう言って死神が取り出したのは、まだ乾ききっていないどす黒い血がたっぷりとこびりついた金槌だった。

⏰:08/08/18 11:34 📱:L704i 🆔:7dEREgGc


#276 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

それをしっかりと握りしめてこちらに歩いてくる。

「お願いよ助けて」

それは逃げる暇もなくして、私の頭上に高く振り上げられた。

⏰:08/08/18 11:36 📱:L704i 🆔:7dEREgGc


#277 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]



クラスメイトのスズキアサミと私は席が前後と近い。

だから必然的によほどの小声でない限りは会話がまるまる聞こえてくる。

私には盗み聞きなんていう趣味はないし嫌いであるから、いつもは読書の妨げをする雑音程度にあしらっていた。

⏰:08/08/21 00:18 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#278 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

今日もいつものようにスズキアサミのうふふというよく通る陽気な声と、そのとりまき逹のぎゃははという下品な笑い声が耳に入っていた。

自習時間だというのに立ち回っている挙げ句、大声で立ち話というのはいただけない。

クラスメイトの白い視線に気付かないのだろうかと首を傾げた。

私はため息をつく。

⏰:08/08/21 00:19 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#279 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

確かに入れたと思っていたお気に入りの小説は忘れるし、天気は大嫌いな太陽の照りつける快晴だし、気分は最悪だった。

仕方なく机に突っ伏して空を眺めていると、スズキアサミの怒りを孕んだ声が聞こえてきた。

普段は仮面のように完璧すぎる笑顔をはりつけ甘ったるい声色でクラスメイトに接するスズキアサミとは思えない。

興味をそそられつつも、私は変わらず窓の外へと目を向けていた。

⏰:08/08/21 00:21 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#280 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「明日はサエコのやつを屋上に呼び出して問い詰めてやるわ。どうせ何も言わないんだろうけど、その時は考えがあるもの」

私は驚き目を少し大きくして話を聞き始めた。

ムラカミサエコ。

その話題の人物に前々から興味があったからである。

⏰:08/08/21 00:32 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#281 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

彼女は私やスズキアサミのクラスメイトで、雪のように白い肌と深い闇をそのまま束にしたようなショートヘアが印象的な子だった。

私が言えたぎりではないが、影を好むかのように人ごみに紛れてひっそりと生きるあの陰気くさい性格さえなければ、必ずや異性の目をひくであろう美貌の持ち主である。

それはスズキアサミに双子かと疑うくらい瓜二つの容姿で、彼女はたびたびその事でクラスメイトに罵られて傷ついているようだった。

⏰:08/08/21 00:36 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#282 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

内気な彼女は反抗するということを知らず、ただ彼女らのひどい罵声を受け止め鵜呑みにしていた。

最近はスズキアサミ本人までムラカミサエコをいじめるようになった。

助ける者は誰もいない。

⏰:08/08/21 00:37 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#283 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

けれど、それはしょうがないことだった。

このクラスときたら、まったく他のクラスが光り輝いて見えるほどの〈ガラクタ〉の寄せ集めなのだから。

それは当然、私も含めたことである。

⏰:08/08/21 00:38 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#284 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「サエコのやつ、やっぱりカミヤマくんと付き合ってたのね……。そうなんでしょ? アキコ?」

スズキアサミがとり巻きの一人に聞いた。

肩まであるポニーテールを揺らして、ササキアキコは戸惑ったように頷いた。

⏰:08/08/21 00:40 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#285 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「うん。あいつ、カミヤマくんと何度も一緒に帰ってたしさ。間違いないよ」

「許せない。あんなやつを今まで教師や先輩のイジメからかばってたアタシも馬鹿だった」

スズキアサミは悔しそうに眉根に皺を寄せて、がりがりと爪を噛んだ。

彼女の癖だった。

⏰:08/08/21 00:41 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#286 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「カミヤマくんだってサエコなんかに近寄られて嫌がってるに違いないわ、だけど優しいから嫌って言えないのよ。許さないから、本当に許さないんだから、サエコ……」

その時、唐突に教師が教室に大量のプリントを抱えて戻ってきた。

とたんにクラスのざわめきが消えうせ、視線が教卓に集まった。

⏰:08/08/21 00:43 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#287 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

立ち歩いていたスズキアサミのとり巻き達はあわてて急ぎ足で各々の机に帰っていった。

やれやれ、これでやっと静かになる、と私はうなだれていた身をおこした。

私の後ろの席に座ったとり巻きの一人に、ササキアキコが帰り際に周りを気にしながら小声でささやいた。

⏰:08/08/21 00:45 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#288 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「やばいよ。アサミ、わたしの作った嘘を信じちゃってるんだけど」

声が震えている。

明らかに嘘がばれてしまうことに怯えていた。

相手はあっけらかんと笑いながらそれに返した。

⏰:08/08/21 00:46 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#289 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「別にいいんじゃない、放っておいてもさ。サエコがアサミに口ごたえするわけないし」

「でも」

「大丈夫だって。それにさ、アサミがサエコになにするか見とこうよ。面白そうじゃん?」

⏰:08/08/21 00:51 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#290 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

ササキアキコは苦笑いしながら席へと帰っていく。

続けて担任教師による冬休みについての説明が始まり、注意事項がびっしりとつまったプリントがいくつか回されてきた。

⏰:08/08/21 00:52 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#291 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

私は冬休みをどう過ごすかということよりも、ある一つの考えに一生懸命、頭を回転させていた。

面白くなってきた。

しばらくは退屈せずにすむかもしれない。

再び窓の外を見ると、窓ガラスには肘まくらをして楽しそうに微笑んだ私が映っていた。

⏰:08/08/21 00:54 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#292 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]



「サエコさん。ちょっといいかしら」

下校前のホームルームが終わり、私は教室から出ようとするムラカミサエコをひき止めた。

彼女は驚いたように目を丸くしたあと、リュックを背負い直して私の方に向きなおる。

⏰:08/08/21 07:18 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#293 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

教室には私とムラカミサエコのふたりきりになった。

「どうしたの?」

ムラカミサエコの大きな瞳に私が映る。

「実は、あなたに伝えたいことがあって」

私は昨日聞いたスズキアサミの企みを、さも危険そうに話を大袈裟にして彼女に伝えた。

⏰:08/08/21 07:18 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#294 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

話し終えたあと、ムラカミサエコは焦点の定まらない泳いだ困惑を孕んだ目でこちらを見る。

彼女の目には涙がたまっていた。

その涙の理由は恐怖なの?

それとも悲しみ?

私はわき上がる笑いを堪えるのに必死だった。

⏰:08/08/21 08:00 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#295 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「それは本当なの? わたしはカミヤマくんと付き合ってなんてないのに、誤解だわ」

私は彼女の肩に手を置いた。

そして、いかにも貴方を心底あわれんでいる、けれど私は貴方の唯一無二の味方よ、というような表情をつくった。

⏰:08/08/21 08:05 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#296 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「まったくね。危ないことをされて怪我なんてしないように、頑張ってちょうだいね」

そう最後に言うと、私は教室をあとにした。

しばらく下駄箱でムラカミサエコを待っていたが、彼女はいつになっても降りてくることはなかった。

⏰:08/08/21 08:06 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#297 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]


感想、意見等をお待ちしています

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⏰:08/08/21 09:38 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#298 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]



翌日の昼休み、私は日直の仕事である黒板消しをしながらスズキアサミとムラカミサエコの会話を盗み聞きしていた。

教室には私達三人以外にはストーブに群がるスズキアサミのとり巻きしかいなかった。

⏰:08/08/21 11:38 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#299 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「きゃははっ! アサミぃ、サエコのやつ完全にビクってんじゃんか。優しくしてやりなよー」

「でもさ、呼び出しなんてちょっとやりすぎじゃない?」

ササキアキコがスズキアサミに聞こえないようにささやいた。

どうやら、自分のついた嘘でムラカミサエコが呼び出しをくらうのに罪悪感を感じているらしい。

しかし目はしっかりと笑っていた。

⏰:08/08/21 11:40 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#300 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「しょうがないって。アサミはカミヤマくんのことになると見境がなくなるんだからさ」

とり巻きの笑いとともに手を叩く音や甲高い笑い声が響く。

毎度のことながら工事中の道路のようにうるさいものである。

⏰:08/08/21 11:40 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


#301 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

スズキアサミは口の端をつり上げて笑う。

そして勢いよくムラカミサエコの机に手を置き、すごみながら低い声で言った。

「いい? 絶対にきてよね。来なかったら、それこそ許さないんだから。分かった?」

「うん……」

⏰:08/08/21 11:42 📱:L704i 🆔:TkuPywH.


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