木の下でかくれんぼ
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#262 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
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しかしそれは仕方ないことだった。
私の方もクラスメイトを仲間だなんて思ってはいなかったからだ。
友好を求めて近寄ってくる人間はことごとく鼻であしらった。
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#263 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
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#264 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
だから私に友人がいないのは当然のことなのだ。
そんなこと、母親は知らない。
「私、学校に行かない。死神に外に出るなって約束させられてるんだもの。私は約束を守る。外にいる死神にもそう伝えておいて」
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#265 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
ベッドの横にあるカーテンを少し開けて下を覗くと、玄関の近くに死神の姿が見えた。
私はいよいよ恐ろしくなり身震いする。
「死神? 何言ってるのあなたは! いい加減にしなさいよナナミ、今から出張に出てるお父さんを呼び戻してあなたを叱ってもらってもいいのよ」
母親はしつこくドアノブを回し続けた。
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#266 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「こっちは鍵があるの。いい? 開けるわよ!」
そう言うなり間髪いれずにドアが勢いよく開いた。
ドアノブを回していたのは単なる芝居で、すでに鍵でドアを開けていたのだろう。
カーテンが閉め切られて大きな暗闇をつくっていた私の部屋に、まばゆい光が挿し込む。
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#267 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
私はドアの前に仁王立ちする母親をひっかぶった布団の隙間から見た。
眉根には深い皺をつくり、目はつり上がって、口はきつく閉じられた一文字だった。
平穏を好みいつも笑っている母親にしては眉をつり上げて怒るなど意外な一面である。
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#268 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
母親は私のかぶった布団を力強くはぎ取った。
そして私の腕を掴み無理矢理立たせようとする。
「さあ、まずはしっかりと朝ごはんを食べなさい。学校に行かないにしても、ちゃんと着替えて、顔を洗って、お日さまの光をあびて、悩みがあるなら何でもお母さんに相談しなさい。もうこれ以上、お母さんを心配させないでちょうだい!」
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#269 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
母親は泣いていた。
流石に母親を心配させて泣かせた罪悪感に胸が痛んだ。
外へ出なければ死神に問われることはない、せめて元気に振る舞って母親を安心させてあげよう。
そう思い、立ち上がった時だった。
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#270 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「無理矢理は、駄目ですよ。きちんと言葉で解決しないと」
楽しむかのように笑いを孕んだ男の声が聞こえてきた。
あわてて周りを見渡すと、ドアにもたれかかる死神の姿があった。
:08/08/17 23:13
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#271 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
日の光を浴びて、目がらんらんと光り髪の毛が栗色に見える。
口の端はいやらしく片方だけつり上げられていた。
この一週間、一時たりとも忘れたことはない恐ろしい顔である。
死神、カミヤマミヤト。
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