木の下でかくれんぼ
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#331 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

どうしようもない茶番劇。

あんな優男の凄みに少しでも怯えていた自分が情けなく不甲斐ないくらいである。

そう思うと、だんだん怒りが湧いてきた。

私はシャープペンシルを持つ手に力が込められるのを感じた。

⏰:08/09/22 07:48 📱:L704i 🆔:kTZ6EawU


#332 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

シャープペンシルのプラスチックで出来た華奢なボディが、みしみしと軋み音を立てる。

偉そうに私に指図して、何様なのだろう。

私の心の中を見すかしたつもりでいるのだろうか。

⏰:08/09/22 07:50 📱:L704i 🆔:kTZ6EawU


#333 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

虫酸がはしる。

スズキアサミとムラカミサエコが醜く争い合う、こんなに楽しそうな最高の暇潰しのイベントを諦めろ?

答えは言うまでもなく、ノーである。

⏰:08/09/22 07:52 📱:L704i 🆔:kTZ6EawU


#334 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

それより、もっと楽しいことを楽しめるように仮想を膨らませてみよう。

例えば、カミヤマミヤト。

彼は確実にムラカミサエコに好意を抱いている。

コレを利用すれば、もっとイベントが楽しくなるかもしれない。

⏰:08/09/22 19:09 📱:L704i 🆔:kTZ6EawU


#335 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

私がスズキアサミの下駄箱にでっち上げのムラカミサエコのラブレターを忍び入れてやる。

もちろん、宛先はカミヤマミヤトだが、間違えてスズキアサミの下駄箱に入れてしまった、という設定である。

スズキアサミは怒るだろう。

その怒りが、イベントを楽しくさせる糧になる。

⏰:08/09/22 19:31 📱:L704i 🆔:kTZ6EawU


#336 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

さて。

ラブレターはどんな内容にしようか。

私は机からルーズリーフを取り出し、シャープペンシルを滑らせていった。

外を見ると、陰鬱とした雲が空を覆う、どしゃ降りの雨だった。

⏰:08/09/23 12:31 📱:L704i 🆔:kmGLlspw


#337 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]



ホームルームも終わり、クラスメイト達が帰り支度をしている頃、私は下駄箱に急ぎ足で向かっていた。

もちろん、でっち上げのラブレターをスズキアサミの下駄箱に差し入れておくためである。

⏰:08/09/24 20:53 📱:L704i 🆔:hstCBtAY


#338 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

下駄箱にいち早く着くと、私はスズキアサミの下駄箱にラブレターを素早く差し入んだ。

その瞬間、甘美なる罪悪感とこれから起こるであろう波乱に心臓が高鳴った。

誰も見ていないか周りを確認する。

⏰:08/09/24 22:54 📱:L704i 🆔:hstCBtAY


#339 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

辺りはシンと静まっていて、人の気配はまるで感じられない。

私は胸を撫で下ろした。

「……なにかひと悶着ありそうな予感がしていたけれど、なんだか、面白いくらいすんなり成功したわね。……明日が、楽しみだわ」

⏰:08/09/24 23:00 📱:L704i 🆔:hstCBtAY


#340 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

階段から、生徒達の笑い声が聞こえてきた。

ほとんどのクラスがほぼ一斉にホームルームを終えたのだろう。

私はあわてて鞄を背負い、下駄箱の影に身を潜めた。

⏰:08/09/25 17:27 📱:L704i 🆔:XnE4DeII


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