木の下でかくれんぼ
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#342 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「駄目だよ、アンドウさん。アサミの下駄箱に、こんなものを残して帰る気かい?」

カミヤマミヤトは、先ほど私がスズキアサミの下駄箱に差し入れておいたラブレターをちらつかせて言った。

口元は不気味に歪められ笑っているが、目はあまりの寒さに凍ってしまった流水のごとく、微動だにしていない。

⏰:08/09/25 20:12 📱:L704i 🆔:XnE4DeII


#343 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

しかし、それは澄んだ氷ではなく汚濁の混じった純度の低い氷のようだった。

少し汚ない表現で表すならば、まさに死んだ魚の目、である。

私は全身から血の気がひいていくのを感じた。

手のひらに、おかしな汗が滲む。

⏰:08/09/25 20:13 📱:L704i 🆔:XnE4DeII


#344 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

あれほど僕達には関わるなと言っておいたはずだ。

言葉は交わされなくとも、しっかりと分かるくらいに明確に、カミヤマミヤトは目でそう問いかけていた。

カミヤマミヤトは無言のままラブレターの封を乱雑に破り、中身のルーズリーフを取り出した。

⏰:08/09/25 20:59 📱:L704i 🆔:XnE4DeII


#345 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

彼は機械的な動きでルーズリーフを開き、目だけを動かして連なられた文字を読んでいく。

喉元まできていた叫び声を、私は必死に抑え込めた。

こんな修羅場を全く知らない生徒達は、心底楽しそうな笑い声を上げて私達の横を抜けて帰宅していった。

⏰:08/09/25 21:00 📱:L704i 🆔:XnE4DeII


#346 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

できることなら、私も早く家に帰って毛布にくるまりたかった。

でっち上げのラブレターを読み終えたらしいカミヤマミヤトは、フフフと笑い声をたててラブレターを破り捨てた。

私の足元に、無数の紙切れがゆっくりと舞い落ちる。

⏰:08/09/25 21:01 📱:L704i 🆔:XnE4DeII


#347 [我輩は匿名である]
>>1-200
>>201-400
>>401-600

⏰:08/09/26 09:09 📱:SH905i 🆔:y8CGDOkQ


#348 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「フフフ……。残念、見つかっちゃったね……」

「…………」

カミヤマミヤトは私の足元に散乱した紙切れを見る。

⏰:08/09/28 06:50 📱:L704i 🆔:wERXz/mU


#349 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

「これをアサミの下駄箱にわざと入れておいて、怒りをかわせる気だったのかい? そうなんだろう? フフ……うまく考えたね。こういうのを悪知恵が働くっていうのかな……? まあ、結局失敗に終わっちゃったわけだけど……」

私は息を飲んだ。

「……貴方、どうして、ここに、……」

⏰:08/09/28 07:01 📱:L704i 🆔:wERXz/mU


#350 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

私は、身体から絞り出すように、声を震わせて、訊いた。

立っているのがつらい。

体の力をほんの一瞬でも緩めれば、瞬く間に崩れ落ちてしまいそうなくらいに脱力していた。

⏰:08/09/28 07:20 📱:L704i 🆔:wERXz/mU


#351 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]

カミヤマミヤトは、唐突に、天井をあおいだ。

何かを考えているようだった。

しかし、すぐに視線を私へと落とした。

⏰:08/09/28 07:22 📱:L704i 🆔:wERXz/mU


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