*柴日記*
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#281 [向日葵]
ザッと勢いよくしゃがみ込んだ。
そして近くに落ちていたカバンを持ってドアを押し開ける。

「い、いいいってくるっ!!」

階段を一気に駆け下りて、外へ出れば自転車を動かして一心不乱に漕ぎだした。

何……っ!今の……っ!
ど、どどどうして柴、私にキッ……!!

そこまで思って、更に頭はヒートアップした。

「わぁぁぁぁっ!」

意味もなく叫ぶ。
明らかにおかしな子に認定されただろう。

⏰:08/04/27 18:33 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#282 [向日葵]
結局私が学校に着いたのは、2時間目が始まった時だった。

教室に来れば、皆がいなくておかしいと思った私は、机の上や床に置いてある沢山の荷物を見て、2時間目が体育である事を思い出す。

途中で行くのもなんなので、そのままサボる事にした。
幸い自分の席は空いていたので座った。

「はぁ……」

ため息をついて机に突っ伏す。

柴と仲直り出来たのはいいけれど、今度は違う意味で気まずくなってしまった。

⏰:08/05/02 00:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#283 [向日葵]
「家に帰りずらいよぉ……」

どうして柴は私にキ……キ、キスしようとしたんだろう……。
そして私はどうしてこんなにドキドキしてるんだろう……。

今まで柴が抱きついたり、抱き締めたりしても何も思わなかったし、キスなんてされてももしかしたら平気だったと思う……まぁ口は別だと思うけど。

そこで桜の言った言葉を思い出す。

[お姉ちゃん、柴が好きなの?]

す……好き……?

⏰:08/05/02 00:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#284 [向日葵]
好きって……そりゃ好きだけど……。

桜の言ってる“好き”は、私と違う意味を持ってるのだろうか。

頭を抱えていれば、柴がどんな人なのかを思い出す。

透き通るような茶髪。
細身で、だけどほど良く筋肉がついていて。
神秘的で魅惑的な灰色の目は、人の心を惑わす。
性格は甘えん坊。少し毒舌。とても妬きもちやき。誰よりも愛情を欲していて、優しい……。

これだけ柴の事を分かっていても、私はまだ足りないって思っちゃったんだ……。

⏰:08/05/02 00:26 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#285 [向日葵]
それは……。

「好きだから……?」

口にしてしまえば、それは形となって、胸の奥に甘い衝撃をもたらした。

そうだったんだ……。
私……柴が好きだったんだ……。

じゃあ柴は?
柴はどう思ってるんだろう。
もしかすれば、柴はさっきキスしようとしたんじゃないのかもしれない。
私の早とちりだったのかもしれない。

甘えたい時にはいつもやるみたいに、肩や頭に自分の頭を乗せたかっただけかもしれない。

⏰:08/05/02 00:29 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#286 [向日葵]
なら柴は、ただ私の事を飼い主程度にしか思ってないかもしれない。

なら、完全に私の片思いか……。

……でもこれが分かったからって自分が何をしなきゃならないかなんて分からない。
恋愛の基礎なんて自分は知らない。教科書があればそれを買いたいくらい。

いや……それよりもっと重要なのは、帰ったらどうすればいいかだ。

慣れない事で頭をフル回転していれば、次第にどこかに支障が出る。
私の考えはどうどう巡りしだした。

⏰:08/05/02 00:34 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#287 [向日葵]
そんな時、誰かがドアを開けた。
頭を抱えながらその方を見れば、そこに立っていたのは体操服姿の立川君だった。

立川君はこちらに気づくと、目を軽く見開いて驚いていた。

「神田さん?どうして……。だって今日休みじゃ……」

「体調も良くなったから来ちゃったよ。家にいてもしょうがないし」

と言って、またさっきの出来事を思い出した。

「しょうが……ないし……ウン……」

⏰:08/05/02 00:37 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#288 [向日葵]
そういえばと立川君を見る。

彼はどうして授業の最中に教室にいるのだろう。

「立川君はどうかした?まだ授業やってるよね」

「あ……はい。そうですが……。幻かと思ったんです」

立川君はなんだか眩しそうに私を見る。
私は首を傾げながら「幻?」と言った。

立川君は前髪に指を埋めて、困ったような表情を見せる。

「貴方が……グラウンドから見えたので、休みの筈なのにおかしい。自分は幻を見てるんじゃ……と思ったもので」

⏰:08/05/02 00:41 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#289 [向日葵]
「やだ立川君。私がいなくても別になんともでしょ?そりゃ委員長としては、仕事しっかりやらなきゃいけないけど」

立川君は今度は真っ直ぐに私を見る。
私の席は窓際だけれど、教室の端と端でも立川君の眼光は届いた。

「なんともない?」

呟いたその声は怒っているようにも聞こえた。
なので私は何か悪い事言ったかと不安になった。

「貴方は何も分かっていない」

立川君はそう言って、ゆっくり私との距離を詰めて来る。
その威圧感に、後退りしたくても後ろはもちろん窓なので無理だった。

⏰:08/05/02 00:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#290 [向日葵]
「た……立川君?」

名前を呼ぶと同時に、立川君はぴたりと止まる。
私との距離は1メートルほど。

「僕は、貴方が必要です。貴方ては毎日でも会いたい」

「必要って……。私は立川君みたいにしっかり仕事も出来ないし……あ、そりゃ頑張ってるつもりだよ!?でも必要って言われるほど大事な役割を担ってる感じは……」

「だから分かってないと言うのです」

立川君は手を伸ばし、私の腕を掴んだ。

⏰:08/05/02 00:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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