*柴日記*
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#291 [向日葵]
そして次の瞬間、私は立川君の腕の中にいた。
「ここまで言っても分かりませんか……。いや、前に言っても分かっていなかった。だからもう1度言います」
柴のような、細く力強い感じではなく、たくましい立川君の体に抱き締められた私は動揺を隠せないでいた。
「僕は貴方が好きです。友人としてではなく、異性として貴方が好きなんです。神田越さん……」
「……っ!」
驚いて、体が硬直した。
立川君が私を……っ!?
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#292 [向日葵]
:08/05/04 01:29
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#293 [向日葵]
「神田さんの悩みや辛い事は僕に打ち明けてもらいたい……。貴方は無茶をしすぎるから、僕は助けてあげたいんで……」
立川君の言葉を聞き終える前に、両手を突っ張った。
頭が混乱した。
そして何より……柴じゃない腕に抱き締められるのが嫌だと感じてしまった。
別に立川君が嫌いな訳じゃない。
ただいつもと違う腕の感触が違和感を覚えてしまったのだ。
私はうつ向いて言葉を無くす。
なんて言えばいいのか、どうすれば立川君を傷つけないだろうか。
傷つけないと結論が出ているのならば、私はやっぱり立川君の告白を受け止める事が出来ないと言う事だ。
:08/05/04 01:34
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#294 [向日葵]
たまらず出て行こうとすると、腕を掴まれた。
「待って下さいっ!」
私は立川君を見た。
いつもクールで冷静沈着な立川君が、困った顔をして焦っていた。
何故か荒くなる息を、私は静めようとする。
耳の奥では、ドクドクと鼓動が聞こえた。
「こんな事してすいません……でも、嘘偽りはありません。これが自分の気持ちですから……。でも、だからと言って、気まずくなるのだけはやめて下さい……」
「う……うん……分かった……」
:08/05/04 01:38
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#295 [向日葵]
「でも」と私は続けた。
「きっと……立川君の気持ちを、受け止める事は出来ない……」
立川君は軽く目を見開く。
「それは、体育祭に来ていた男性ですか?」
思えばその時からだった。
私が柴を意識し始めたのは。
初めて柴をかっこいいと思った。
知らない一面を見れば本当の柴を知りたくてドンドンのめり込みそうになる自分に驚いた。
本当は知っていたのかもしれない。
この気持ちが何なのかを……。
:08/05/04 01:43
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#296 [向日葵]
でもその気持ちを拒否された時、私はどうすればいいか分からない。
ならば今のままでいいじゃないか。
心の底では、そう感じていたかもしれない。
だから分からないフリをし続けていたのだろうか……。
「柴は……守ってあげたいと思った人だから……」
大切に、大切にしてあげたい……。
「そう自覚したのはいつですか?」
「えっと……分からないのだけれど、気づいたのはさっきで……」
「ならチャンスはあります」
:08/05/04 01:46
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#297 [向日葵]
え?
するりと立川君の手が私の腕を離した。
「その気持ちが、実は勘違いかも……となれば、俺にもまだ挽回のチャンスはありますよね」
「あ、いや、それは……」
そんな事を言われれば更に困ってしまう。
勘違い?
そんな筈ないと思う。
だって柴を思い出す度に胸が苦しくなるんだもの……。
「とにかく……まだ決定打を打たれるまでは、俺は諦めませんから」
:08/05/04 01:50
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#298 [向日葵]
それだけ言って、立川君は行ってしまった。
力が抜けて、その場に座りこむ。
なんなんだ今日は……。
柴にキスされそうになるし、立川君には好きだとか言われるし……。
いっぺんに言いたい放題言わないで!したい放題しないで!
一番困っているのは……私だよ……。
と、急にクラリときた私は、そのまま床に倒れてしまった。
そういえば過労とか言われてたっけ……。
:08/05/04 01:54
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#299 [向日葵]
―――――――……
ヒヤリとした物が、額に当たるのを感じた。
優しく髪の毛を撫でる指は、なんて長いのだろう。
誰……?
・・・・・・・・・・・・・・・・
「おねえちゃん。だいじょうぶぅ?」
「苺……?」
目をうっすら開けて周りを見れば、見慣れた景色だった。
私の部屋だ。
「もう、心配かけないでよね!」
「あれ、桜……」
:08/05/04 01:57
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#300 [向日葵]
「学校から電話があって、お姉ちゃんが倒れたって言うから、柴が迎えに行って家まで連れて帰ってきたの!過労ならちゃんと休んでなよねぇっ!」
じゃあ……。
頭にそっと触れる。
さっき寝ている自分の髪を撫でたのは、柴なのだろうか……。
「おねえちゃん、しばちゃんにありがとうしなきゃメッよ?」
「……そうねぇ」
と苺の頭を撫でた。
苺はされるがままになっている。
「今何時?」
:08/05/04 02:01
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