*柴日記*
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#375 [向日葵]
「お日様色の方が柴は好きかなって。ホラ、オレンジって温かな感じするでしょ?だから柴はそういうのが好きそうだなって」
無邪気に笑う越を抱き締めたい衝動にかられる。
それをぐっと我慢して、彼女の風船を握る手を柔らかく包む。
越の顔が、赤い風船のように色づく。
「……し、柴……?」
「ありがとう……越……」
「あ、風船?いいよ別にそんな!タダだし!」
そうじゃない。
自分を見つけて、助けてくれて、ありがとう……。
柴はそう言いたかったのだ。
:08/06/20 00:56
:SO903i
:☆☆☆
#376 [向日葵]
>>319に感想板がありますんで、感想あればお願いします

:08/06/20 00:57
:SO903i
:☆☆☆
#377 [向日葵]
「ねえ越。最後に観覧車に乗ろうよ」
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と柴が言ったので、観覧車に乗ったはいいものの、心の中で失敗したなと私は思った。
なんて言っても密室に15分間2人きり。
ゴーカートとは違う2人きりの雰囲気に戸惑いを隠せない上、誘った張本人である柴はさっきから窓の外を見つめたっきり喋ろうともしない。
さっきから話題話題と頭をフル回転させてる私もそろそろ限界だった。
「越……」
柴がポツリと私の名を呼んだ。
やっと喋ってくれた事にホッとする。
:08/06/24 23:45
:SO903i
:☆☆☆
#378 [向日葵]
「何?」
「どうして俺を拾ったの?」
「何、突然……」
灰色の瞳が私を見る。
暮れかけた太陽のオレンジ色が混ざる。
胸がドキドキしだす。
「あのままほっておかれたら、多分今の俺がいない気がする。時々思うんだ。今の俺が本当の俺なのかなって……」
「本当の……柴……?」
柴は頷く。
「自分が自分でなく感じる。誰かに優しくしたいとか、誰かを大切にしたいとか……今まで思わなかったんだ」
:08/06/24 23:50
:SO903i
:☆☆☆
#379 [向日葵]
柴は自分の両手を見つめる。
私はむしろ柴がそんな感情を持った事がないと言った事が不思議だった。
柴を拾った時から喋る事以外は柴のままだったからだ。
冷たいとか酷いとか思わなかった。
初対面の苺にだって優しく接していたし、柴に愛情を注いでくれた早代さんの事を話す時だって、いとおしそうな顔をしていた。
「人って何かに触れたりする度に変われるものだよ。私だって、前とはきっと全然違うだろうし……」
柴がまた私を見る。
:08/06/24 23:54
:SO903i
:☆☆☆
#380 [向日葵]
「柴は今の自分を受け入れたらいいと思うよ。変わる事は怖くなんかないから。怖かったら助けてあげるから」
柴が目を細めて、口をゆっくりと笑みの形にする。
太陽の光で、柴の目が輝いて見える。
それに私はまたドキドキした。
私……なんか恥ずかしい事言っちゃったかも……。
「い、いつの間にか頂上過ぎちゃったね!あ、あれって駅かな!わーあんなに小さい!」
恥ずかしさを紛らわす為に窓に張り付く。
:08/06/24 23:58
:SO903i
:☆☆☆
#381 [向日葵]
目は窓の外でも神経は私を見つめているだろう柴にそそがれていた。
すると柴が言った。
「そっち行っていい?」
「え?」
私が返事するのも待たず、立ち上がった柴は、私の隣に座った。
「え、ちょ、柴!?」
動揺してる私とは違って、柴はにっこり笑っているだけだ。
「肩貸してくれない?」
肩……?
:08/06/25 00:04
:SO903i
:☆☆☆
#382 [向日葵]
また私が返事する前に、柴の頭が柔らかく私の肩に触れた。
重さは感じない。
本当に軽くのせている程度だ。
いつもの甘えている雰囲気のようだけれど、どこかまた違う甘い雰囲気……。
茶色い綺麗な髪の毛が、私の頬と顎をくすぐる。
不思議と恥ずかしくはなかった。
それよりなんだか柴が泣いているような気がして、つい頭を包むように抱き締めてしまった。
大丈夫、そばにいるよ……。
そう言っているつもりで抱き締める。
:08/06/25 00:09
:SO903i
:☆☆☆
#383 [向日葵]
その時の2人を包む沈黙は、意外にも心地良いものだった。
―――――――……
帰り道。
何故か手を繋いで帰っている私と柴。
口数も少なかった。
まるで手だけで会話しているようだった。
時々ちらりと顔を上げて柴を見れば、柴は私の視線にすぐ気づきにこりと微笑むだけだった。
それが恥ずかしい私はまたすぐ前を向く。
そんな一連の流れを何回か繰り返した。
もうすぐ家だと思えば、ちょっと物足りない気がした。
:08/06/25 00:14
:SO903i
:☆☆☆
#384 [向日葵]
門の鍵を開けなくちゃならない。
その為には柴の手を離さなくちゃならない。
「えと……鍵、出すね……」
名残惜しそうに手を離す。
そして門を開けた。
その時だった。
「大和君!」
女性の声だった。
門を1歩入った私が振り向くと、柴が女性に抱き締められている所だった。
思わず目を見開く。
誰……?それに、なんで柴の本名を知って……。
:08/06/25 00:19
:SO903i
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