*柴日記*
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#506 [向日葵]
しかも今は寒い。
暖をとる為に居座ってる人も少なくないだろう。
寒い中、暖かい飲み物でも買って公園で喋るのも悪くないと思ったけど、椿がいるので少々心配だった。
「じゃあ、買い物しに行こうか!」
私の提案に、2人ものってくれたので、近くのデパートに行った。
周りを見れば、ふと気づく。
「そういえば……もうでクリスマスシーズン?」
「あ、そうだね。美嘉の祭大好きな血が騒ぎだす!」
:08/08/19 00:51
:SO906i
:☆☆☆
#507 [向日葵]
そうか、もうそんな時期かぁ……。
「あ、ねぇ、椿はどうするの?要さん……だっけ?と過ごすの?」
私の頭の中には、高級な夜景の見えるレストランで、綺麗な恰好した2人がグラスを交わしているなんともベタな姿しか見えない。
セレブって素敵だなぁ……。
柴ところもやっぱり豪華だったのかなぁ……。
でも柴は、あまりその頃あまり楽しくなかったのかもしれないなぁ……。
「アイツなら、年始までフランスだって」
「えぇっ!?」
妄想……いやいや想像していたビジョンが見事に崩れ去る。
:08/08/19 00:57
:SO906i
:☆☆☆
#508 [向日葵]
「なんで?」
椿は苦笑いする。
そんな彼女の代わりに、美嘉が説明してくれた。
「世界のデザイナー達が集まるクリスマスファッションショーとお正月ファッションショーがあるんだってさ。当然ファッション業界に君臨してるアイツは、顔出ししなきゃいけないって訳」
改めて、椿の婚約者さんは凄いんだなぁと感じる。
「会いに行けばいいじゃない。椿は寂しくないの?」
そう言いながら、この前自分が感じた寂しさを思い出して、少し胸が苦しくなった。
「会いにいけば、きっと迷惑がかかりますから」
:08/08/19 01:09
:SO906i
:☆☆☆
#509 [向日葵]
「美嘉はアイツが会いに来る気がするけどね」
どうやら要さんは椿にメロメロなご様子。
椿は要さんの事やっぱり好きだよね?
迷惑だからとか言ってるけど、本当は会いたくて仕方ないんじゃないのかなと思う。
私の場合はそうだった。
そう思えば…………たった今、柴に会いたくなった。
そんな思いをかき消すように、私は言う。
「なら、今からプレゼント探しに行かない?」
「美嘉はあげる人いないよー」
「椿にあげたらいいじゃい」
:08/08/19 01:13
:SO906i
:☆☆☆
#510 [向日葵]
私は家族皆にあげたい。
この何ヶ月かのうちで、私は改めて家族の大切さを学んだ。
愛情の大切さを知った。
それを教えてくれたのは、柴であり、神田家の皆だ。
血が繋がってるとか繋がってないとかなんて、大した事じゃない。
その人達を思い、思われたなら、それはもう家族なんだ。
デパートで、それぞれのプレゼントを選ぶ。
少し浮き足だってるのは気のせいではないだろう。
その時、プレゼントを選んでいた椿の手が止まった。
何を見つめているのかと思えば、携帯を見ていた。
:08/08/19 01:18
:SO906i
:☆☆☆
#511 [向日葵]
「み、美嘉ちゃん、越ちゃん。私、ちょっと帰らせて頂きます……っ!」
深々と頭を下げると、こちらの返事も待たずに椿は走って行ってしまった。
「ね、美嘉の予想通り」
少し拗ね気味の美嘉に、私は笑う。
あの椿が走って行く程の相手。
恋の力は凄いなとつくづく思う。
「美嘉、ちょっと電話してきていい?」
「ハイハイ。そうやって皆友情をほったらかしにするんだねーっと」
:08/08/19 01:22
:SO906i
:☆☆☆
#512 [向日葵]
「電話するだけっ!」
私より背の高い美嘉の頭を一撫でして、お店から少し離れた場所で私は電話をかけた。
「もしもし、柴……?」
――――――――…………
年末は美嘉の為にパーティーしてよね!
とまだ拗ね気味の美嘉と別れた私は家へと帰っていた。
ハァ……と息を吐けば、一瞬白くなって消えていく。
しているマフラーで口元を隠す。
「えーつっ!」
その声に顔を上げれば、まだ少し遠くの家の前で柴が立っていた。
:08/08/19 01:27
:SO906i
:☆☆☆
#513 [向日葵]
「ただいま柴っ!ごめんね、寒い中待たせちゃって」
「大丈夫っ。ところでなんで外に出なきゃいけなかったの?」
私は門から中に入る。
柴は私の冷えた手を取って包みこんでくれた。
「柴、もうすぐ何の日か知ってる?」
「なんかって……まさか越の誕生日とか!?」
「アハハ!違う違う!もっと簡単よ」
柴は眉間にシワを寄せて考える。
そんなに難しい質問をした訳じゃないんだけどなぁ……。
:08/08/21 02:12
:SO906i
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#514 [向日葵]
「クリスマスだよ。クリスマス」
「あぁ、なぁんだ」
私は柴が包みこんでくれてる手をソッと放して、カバンからラッピングされた袋を出した。
柴はそれを見つめながら目をパチパチ瞬きさせる。
「少し早いんだけど、メリークリスマス!」
「え!?俺に!?」
頷くと、柴は目をキラキラさせた。
急いで、でも丁寧にラッピングを開けていく。
「マフラーだ……」
:08/08/21 02:16
:SO906i
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#515 [向日葵]
プレゼントに選んだのは、柴の瞳と同じ、灰色のマフラー。
一目でこれだと思い、買ったのだ。
「ありがとう!すっごく嬉しい!」
本当に嬉しいのか柴は満面の笑みを浮かべて、いそいそとマフラーを巻いた。
巻いてまたニヒヒと笑う。
「どう?似合う?」
「うん!もちろん!」
柴は歯を見せて笑うと、私の両手をキュッと握って目を細めて微笑んだ。
「俺は越に色んなもの貰ってるね」
:08/08/21 02:19
:SO906i
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