*柴日記*
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#101 [向日葵]
「あ、ごめんな……」

と途中で止まってしまった。

何故ならぶつかった相手がまたもや昨日の陰口を言った女の子だったからだ。

女の子は眉間にしわを寄せて上から下までジロジロと見てくる。

大丈夫。
今日は立川君とそんなに喋ってないし、因縁つけられる事もないと……思いたい。

変な汗が額に滲んできたところで、女の子が喋った。

「アンタさ、前も向いて歩けないの?」

「えと……ゴメンネ、ちょっと考え事してて」

⏰:08/03/30 01:55 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#102 [向日葵]
女の子はまた私をジロジロ見出した。

行き交う生徒は私達の事なんか一切気にしない。

どちらかと言えば、今は気にして欲しい気もするんだけど。
この気まずい空気から早く解放してほしい。

女の子は私を一通り観察し終わると、にっこり笑った。

それにホッとした私も笑い返そうとした。

――――その時だった。

「また捨てられたの?」

「……え」

⏰:08/03/30 02:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#103 [向日葵]
頭の中で、同じ言葉が鳴り響く。
めまいさえ起きそうだ。

「やっぱり拾いもんは出来が悪いから、すぐにポイッてされるんでしょ?可哀想に」

全然可哀想だなんて思ってない口調に表情。

その私をを見る姿を一言で言えば……嘲笑。

胸の奥が熱くなってくる気がした。
知らずの内に、スカートを握り締めて、歯を食い縛る。

膝に力を入れておかないと、崩れて……ううん、何かしてしまいそう……。

⏰:08/03/30 02:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#104 [向日葵]
「やめて……」

「え?」

私は何を言われても良い……。
でも。

「私の家族を馬鹿にしないで。拾いもんだろうがなんだろうが貴方には関係無い。立川君を好きなら、私につっかかってないで言えばいいじゃない。」

毅然と言えた。
そう思った瞬間、左頬が熱くなって、目がチカチカしだした。

何が起こったか分からないまま、数回瞬きを繰り返して女の子を見た。

⏰:08/03/30 02:14 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#105 [向日葵]
女の子は目をつり上げて顔を赤くしていた。
その様子から見れば、私はその子にひっぱたかれたみたいだ。

さっきまで私達に気が付かなかった生徒が、それを合図に一気に私達に注目する。

「ゴミの分際で、いっちょまえな事言ってんじゃねぇよ」

ゴミ……。

「――……ですって……?」

叩かれた頬をさすりながら、女の子に聞き返す。

周りのざわめきが聞こえないのは、皆がヒヤヒヤして私達を見ているからだ。

⏰:08/03/30 02:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#106 [向日葵]
「ムカついたからって、言って良い事と悪い事があるでしょ?それに、手を上げたら負けって小さい頃言わなかった?」

「うるさいっ!」

更に頭に血を上らせた女の子は私に掴みかかってきた。
急な事態に動き遅れた私は、胸ぐらを掴まれて壁に押し付けられた。
背中を強打して、心の中で「いったー!!」と叫ぶ。

周りが止めに入っても、彼女は私から手を離さなかった。

「上から物言うな!アンタなんかあたしらより格が下って分かんねぇのかよっ!」

⏰:08/03/30 02:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#107 [向日葵]
これじゃもう因縁と言うか八つ当たりと言うか、そんなもの関係ないからとりあえずコイツ絞めとこうみたいな感じだなー。

と冷静に考える反面、頭の肝心な糸が切れなくて良かったと思った。

そんな事を考えてる間にも、髪の毛を掴まれたり胸を叩かれたりやられっぱなしだった。

防御はしても攻撃はしなかった。
それで気が済むならいいかと思ったし。

でもそうはいかなかった。

「コラ!何やってんだっ!」

⏰:08/03/30 02:29 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#108 [向日葵]
先生が来てしまった……。

あ、ヤバイな……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

応接間みたいな所に私と女の子は案内された。

柔らかい黒革のソファーに座ると同時に、女の子は泣き始めた。

私は別に悪い事はしてないと、叩かれたり引っかかれたりした所をさする。

しばらくしてから、先生に連れられて、女の子のお母さんと、うちのお母さんがやって来た。

「ちょっと、どういう事ですか!?」

⏰:08/03/30 02:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#109 [向日葵]
女の子の派手なイメージとは全く逆の、教育ママみたいな眼鏡をしたお母さんは先生に詰め寄る。

一方うちのお母さんは私に駆け寄り、至る所にある私の体の傷を見て心配そうにハンカチを当てた。

どうやら血が出てた所があったみたい。

そしてもう1つ影が。

「なんで柴がいるの」

「越の話したら『俺も』って言うから……」

柴は大人しく私の後ろにぴったりとつく。

ようやく事情説明を聞き終えた教育ママさん風のおばさんはこちらに向き直りながら眼鏡をクイッと上げた。

⏰:08/03/30 02:42 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#110 [向日葵]
「失礼ですけど神田さん。貴方のご家族は皆様施設の子ですの?」

お母さんが答えた。

「それが何か?」

「まぁ……なら問題を起こして当たり前ですわね。よその子なんてもらうから手がつけられなくて野蛮な子になってしまうんですよ」

お母さんの応答する声が、1オクターブ低くなる。

「野蛮ですって?」

私も目を険しくさせた。
おばさんはそんな私達に有利に立ったつもりなのか、軽く胸を反らして見下すように私達を見る。

⏰:08/03/30 02:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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