*柴日記*
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#11 [向日葵]
皆が了解したと言う事で、私は柴が使う部屋へと案内した。

丁度1つ余っているので、そこにする事にする。

階段を上がって、空いてる部屋へと案内。
柴は黙々とついてくる。

ドアを開けると、何もない空間が広がっている。

「じゃあここね。布団はまた持ってくるから。」

「……てない。」

「は?」

柴は入口に止まったまま、窓を見つめて何か呟いた。

⏰:08/03/18 01:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#12 [向日葵]
柴よりも先に部屋に入ってた私は、柴に寄っていってもう1回何を言ったか尋ねた。

「何?」

「似てない……誰1人として、兄弟も、親子も……。」

「……そっか」

私はにこっとして、質問に答える。

「皆、施設からこの家に来たから。似てなくて当然なんだよ」

私は皆、桜も空も苺も……皆施設から今のお母さんの所へ引き取られた。

⏰:08/03/18 01:20 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#13 [向日葵]
お母さんは、子供が欲しいけど出来なくて、ずっと悲しんでいた。
そんな時、私達を見つけてくれた。

血の繋がりなんてないけど、愛情一杯に育ててくれた。

私は5歳の時、両親から捨てられた。

それでも今のお母さんが大事に育ててくれたおかげで、今は何も寂しくもないし、怖くもない。

「本当の兄弟じゃなくても、皆大切よ。」

柴は静かに私を見つめ返す。
灰色の瞳でじっと見つめられるば、少しドキドキした。

⏰:08/03/18 01:25 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#14 [向日葵]
「いいな」

「え?」

と突然、柴が被さってきた。
急なので、バランスを崩した私の体は、柴と共に倒れる。

ドスンと派手な音を立てると、私はムクリと起き上がった。

「あいったたたた。ちょっと柴!何すん」

「スー……スー……」

え、寝ちゃった?

確認するまでもなく、ピクリとも動かず柴は寝息を立てる。

⏰:08/03/18 01:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#15 [向日葵]
何か……謎めいた人だなぁ……。

歳は20ちょっとくらい。
長身、どちらかといえば美形。
そして灰色の瞳。

一体どこの人なんだろうか。

結果として膝枕をしなくちゃならない羽目になった私は、柴の寝顔を見ながらぼんやりと色々考えた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

眠りがもとから浅いのか、1時間経つと柴は目を覚ました。

覚えてないのか、半目で辺りを見渡す。

そんな仕草に、私は笑ってしまった。

⏰:08/03/18 01:33 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#16 [向日葵]
「本当犬みたい!柴って名前あってたみたいね」

柴は少し首を傾げてから、座って頭をポリポリかいた。

私のビジョンからは、子犬が後ろ足で頭をかいてるように見える。

「お腹空いてない?喉は渇いてない?」

柴は頭をかくのを止めて、また私をじっと見つめる。
見つめながら、眉間のしわを深くした。

何か、私悪い事言ったっけ……?

「馬鹿らしい……。」

⏰:08/03/18 01:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#17 [向日葵]
は……?

「赤の他人家にあげるなんてどういう神経してんだか……第一そんなに親切にして何なの?媚売ってんの?」

最後の言葉を言い終わると同時に、私は柴の両方の頬をつねってやった。
そして間近で怒った顔をする。

「2度と、私の家族の悪口言わないで。」

媚なんて売った事はない。

困っているなら助けてあげたい。
そんな、ただ優しい心をそんな風に言うなんて許さない。

⏰:08/03/18 01:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#18 [向日葵]
「少なくとも、私はこの家族を誇りに思ってる。本当の家族であろうがなかろうが関係ない。本当の皆の心を見ずに、悪く言うのは止めて。」

そうして、私は頬から手を離す。
依然、まだ顔も気持ちも怒ったままだ。

柴はつねられた頬をさすりながら、ぼんやりと足元を見ていた。

少し……言いすぎた?
でも柴が悪いのよ。
私の家族を……あんな風に……。

「うらやましい……。」

柴がまたポツリと言う。

⏰:08/03/18 01:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#19 [向日葵]
私は眉を寄せて柴を見る。

柴はまたさっきのように悲しい目をしていた。

灰色の瞳に憂いの色が混ざる。

「悪く言ってごめん……」

あれ、意外と素直。

「でもお人好し」

でもやっぱり毒舌。

「いいの。誰かにとってはお人好しでも、誰かにとっては救いになってるかもしれないでしょ?」

柴は珍しい物のように私をじっと見つめる。

そんなにおかしい事言ったかな。

⏰:08/03/18 18:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#20 [向日葵]
カタと音がしたので振り向くと、そこに苺が覗いていた。

苺は恐る恐る部屋に入って来て、柴の近くで止まった。

最初は上から下まで何度も観察して、その内ににこぉっ笑った。

「しばおにいちゃん。いちごおにいちゃんとあそびたいな。」

柴は軽く目を見張ると、少し表情を柔らかくしたのが分かった。
目元も笑みを含んでいる。

苺も柴を気に入ったのか、生意気に膝の上に乗ってる。

⏰:08/03/18 18:55 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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