*柴日記*
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#30 [向日葵]
静かに私がつけた彼の名を呼ぶ。
彼は濡れた目で軽く応じた。

「俺は……家を追い出されたんだ……」

私は目を見開く。
握ったままの彼の手を、少し強く握った。

「俺は物心ついた頃から、愛情とか、そんなもの受けた事は無かった……。」

冷たい空洞の中にいるように、空っぽだった。そう柴は呟いた。

彼はポツリポツリと言葉を紡ぐ。

自分の素性をあまり話しはしなかったけれど、とにかく彼は“1人ぼっち”だったのだ。

そんな中、両親は離婚。
しかし彼は悲しいなんて感情は何も感じなかったと言う。
だって自分は、そんな感情を感じるほど何も与えてはもらわなかったから。

⏰:08/03/21 00:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#31 [向日葵]
そして、再婚。

「それが早代だった」

「早代?」

「俺と8つ歳の離れた優しい人。初めて俺に愛情を注いでくれた人……」

すると突然、柴は黙ってしまった。

先を促しては話ずらいだろうから、私は辛抱強く続きを待った。

しばらくして、柴はまた話始めた。

「あろうことか……俺は早代に恋愛感情を持つようになった。母親としてじゃなく、気持ちを、心を、もっとって欲しがるようになった……」

次に喋った時の彼の口調は、とても重かった。

⏰:08/03/21 00:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#32 [向日葵]
「関係を……持ってしまったんだ……」

「関係……?」

イマイチ分からなかった私は聞き返した。

柴は辛そうに細める目を閉じて、か細く言う。

「体……の事……肉体関係って……やつだよ。」

頭をきつく殴られた感覚がした。
だから彼は追い出されたのだ。

「出て行く時、早代が酷い目にあってる声が聞こえた……。俺の……せいで……っ!」

⏰:08/03/21 00:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#33 [向日葵]
柴は私に手を握られたまま床に座りこんだ。

私は今にも壊れてしまいそうな彼を見つめる。

「俺は不幸にしてしまうしかない……っ。愛情を求めても、相手を不幸にするしかないんだ……っ!」

私は、親から捨てられた記憶を持ってる。

私も柴と一緒だった。

私がいるせいで、お母さん達は不幸になった。
だから、私は捨てられてしまったんだと。

でも、この家に来てから、自分が誰かの力になれる事を知った。

⏰:08/03/21 00:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#34 [向日葵]
それを教えてくれたのは、“お母さん”であり、お父さんや桜や空や苺、家族だった。

「柴、大丈夫」

私は柴と視線を合わすようにしゃがんだ。
柴はまだ濡れている目で私を不思議そうに見る。

「私達の家族はね、どんな事でも力を合わせて乗り越えていける家族なの。」

柴のおでこと私のおでこを合わせて、そっと目を瞑る。

「それを受け継ぐのが私の名前、“越”。初めてここへ来た私がそんな子に育つようにつけてくれたのよ」

⏰:08/03/21 00:34 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#35 [向日葵]
宝物のような私の名前。

だからね、柴……。

「一緒にいたら、きっと何でも越えていけるよ。安心して、いいんだよ……?」

目を開くと、灰色の瞳がすぐそこにあった。
潤んだ瞳は尚美しい。

柴はその魅力的な目を瞑ると、頭を私の肩に預けて静かにまた泣いた。

でもその肩の重みが、私に心を許してくれた証のようでなんだか嬉しかった。

……これが、私と柴の出会いだった。

⏰:08/03/21 00:37 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#36 [向日葵]
―1日目―

柴って慣れると本当に子犬みたいなの。
気がつけば寄り添ってすぐ側にいるんだよ。
(神田家・長女・越談)






柴と出会って、2週間が経ちました。
徐々にだけど、家のルールとか、皆との接し方とか分かってきたみたいで、柴は毎日楽しそう。

良かった良かったぁ!

「……ん、よし!」

⏰:08/03/21 00:41 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#37 [向日葵]
現在私は朝食作ってます!
朝と言えば、やっぱり味噌汁っしょ!
今日もいい出来に仕上がったよー。

忙しい両親のお手伝いをする私の日課。
桜と自分のお弁当も私が作ってます!

卵を割ろうと、卵を持った瞬間、頭に重みが……。
間違いない……。

「ちょっと柴っ。眠いならまだ寝てればいいのに」

「なんか起きたんだもん……」

柴はよく、こうして私の頭に自分の頭に乗せて甘えてくる。

⏰:08/03/21 00:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#38 [向日葵]
柴がこうして甘えてくるのにはもう慣れた。

柴が私に心を許してくれた時からすりこみしたヒヨコみたいに柴は私の後を追いかけてくるようになった。

とは言え、別に困ってる訳じゃない。

どちらかと言えば、世話好きの血が騒ぎだして柴の事を1から10まで面倒見れて嬉しいくらい。

苺や空も私をこんな風に追いかけてくる時もあるし。

柴はペット兼弟みたいなものだ。

「今日は何時に帰ってくんの……」

「もー柴。毎日毎日同じ事言わせないで。4時半頃だよ」

「もっと早く帰って来てよー」

⏰:08/03/22 17:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#39 [我輩は匿名である]
「出来るだけね」

食事をテーブルに運ぶ間も柴はちょこんと服の裾を持ってついてくる。
イメージ的に柴の足にピヨピヨサンダルが履いてあってピヨピヨ鳴ってる感じ。

「まぁった柴はお姉ちゃんにくっついてー」

「あ、桜おはよう」

桜は優しくて、いつも早起きして私を手伝ってくれる。

頭を結びながら降りてきた桜は、お箸を並べてくれる。

「だってくっつきたいもん。それとも桜くっついて欲しい?

⏰:08/03/22 17:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#40 [我輩は匿名である]
「やめてくれ」

と言っても柴は私以外にはこうしないじゃない。
苺とか空は逆に柴に「遊べ」とくっついてくるけど。

「じゃあ文句言わないでよ」

「ちょっと、お姉ちゃんはアンタのものじゃないんだからね!あんまりそうやってると空達がお姉ちゃん取られたって拗ねちゃうんだから。少しは離れなさいよ」

すると柴は私の体に腕を回して桜に舌を出した。

「いーやーだー」

桜のこめかみ辺りに青筋が出来るのが見えた。
ついでに2人の間に火花が散る。

朝から何やってんだか……。

⏰:08/03/22 17:58 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#41 [我輩は匿名である]
―――――――…………

柴の構ってオーラをなんとか振り切って、私は自転車で学校へ向かいながら爽やかな風を体で感じていた。

甘えるのはいいけど学校に遅刻するっつーの……。

学校について、指定された場所に自転車を置き、下駄箱へ向かう。

「越!おっはよー!」

「美嘉。おはよ。早いね今日は」

「失礼なっ。美嘉だってやれば出来るっての!」

友達の島田美嘉(シマダミカ)ちゃんは、明るくて元気な……遅刻常習犯……です。
ハンドボールをやってて、小麦色に焼けた肌と短めの髪の毛が彼女の印象によく合っていた。

⏰:08/03/22 17:59 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#42 [我輩は匿名である]
「おはよう、ございます」

「椿おはよう。」

大人しい野々垣椿(ノノガキツバキ)ちゃん。
社長令嬢で体が少し弱い。
腰までの長い黒髪はため息をつきたくなる。

「椿今日も体育休むって。アンタ体平気なのー?」

「この頃良くなってきてますから、平気です……」

大きな声で豪快な美嘉と違い、椿の声は耳を近づけないと聞こえないくらいか細い。

そんなアンバランスな2人は実は幼なじみ。
だからとても仲が良い。

⏰:08/03/22 18:00 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#43 [向日葵]
「何かあったら美嘉に言いなよ!家まで担いで行くから!」

本当にやってのけそうな美嘉が恐い……。

教室に入れば、皆が挨拶をしてくれる。

「神田。おはよう」

「あ、立川君おはよう」

立川憲吾(タツカワケンゴ)君。
学級委員長で、皆から「眼鏡男子!」と唱われるほど美形な男の子。
そして何を隠そう私も学級委員。

「先生から頼まれた事があります。後で一緒にやってもらえますか」

しかも世に珍しい敬語キャラなので美形+眼鏡+敬語とくれば乙女達は歓喜の叫びを上げる。

⏰:08/03/23 02:42 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#44 [我輩は匿名である]
私は歓喜と言うよりこんなにモテる立川君に感心しちゃうけどなぁ。

「了解!じゃあ後でねっ」

私は席へ向かう。
すると鞄を置いた美嘉と椿がすぐに私の元へてやって来た。

「いやーモテるねー」

「ねー。あれだけ美形だったらそりゃモテちゃうよねー」

美嘉と椿は目を点にする。
2人の反応に私も目が点になって「何?」と聞き返した。

「おモテになるのは越さんの事です……」

え、私……?
モ、モテ……って……。

「何言ってんの。私告白すらされた事ないのに。」

⏰:08/03/23 02:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#45 [我輩は匿名である]
美嘉と椿はため息を吐く。と、美嘉は私の肩に手を置いて考え深く頷く。

「いい……それでこそ越だ」

「いやだから何が」

その後も聞いても、2人も笑顔で交して、何も教えてくれなかった。

そういえば……もし仕事が長引いてしまえば柴が拗ねる。

でも苺がいるからいいかなぁ……。

実は苺の保育園には柴が迎えに行ってるのだ。
その前まで送迎バスだったけど、迎えに来てくれるという事で、苺もすごく喜んでいる。だから誰よりも早く柴になついた。

⏰:08/03/23 02:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#46 [我輩は匿名である]
苺の遊び相手になってれば、時間なんて忘れてしまうだろう。

連絡しようか迷いながら開いていた携帯を閉めて、またポケットへ戻す。

柴が来てから、家がより明るくなったなぁ……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

結局休み時間だけでは間に合わず、放課後に作業が延びてしまった。

今やってる作業は、体育大会の保護者向けパンフレット。

折れ線に従ってただ折るだけ。

こんなの先生か機械かに任せてやって欲しいものだ。
なんでよりにもよって生徒、しかも学級委員がやるかなぁ……。

⏰:08/03/23 02:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#47 [我輩は匿名である]
「終わらないね。そういえば立川君部活大丈夫?」

立川君は剣道部の主将で大会でよく優勝してる強い人なのだ。
そんな人が、ほのぼのと(かどうかは分からないけど)パンフレットを作ってていいんだろうか。

「部活より学校行事の方を優先するよう顧問の先生から言われてますから。大丈夫ですよ」

薄く笑う立川君。
美男子の笑いはやっぱり綺麗だと思う。

こんなのを見て、女の子達は卒倒したり悶えたりするんだろうなぁ……。私にはイマイチ理解出来ないけど……。

と、その時携帯のバイブが鳴った。

⏰:08/03/23 02:47 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#48 [向日葵]
開いてみたい所だけど、先生が見回りみたいに来たら大変だから放っておく。

「携帯、出なくていいんですか?」

「大丈夫大丈夫。すぐに終わると思うしっ」

そう言いながら、携帯は鳴り続ける。
どうやら電話らしい。

「あの……やっぱり出た方が……」

「……や、大、丈夫、だと……」

と気まずくなる私の心配をよそに、携帯はようやく鳴り終わった。

なんとなくホッとする。

「本当に良かったんですか?」

「いいのいいのっ。さぁ!早く終らせてしまお!」

⏰:08/03/23 02:49 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#49 [向日葵]
頑張ってやったた甲斐あって、その後20分程やると全て終わった。

「お疲れっしたー!立川君部活行って大丈夫だよ」

「え、でもこれ職員室に……」

「だって立川君、本当は早く部活行きたいんでしょ?ならいいって!」

申し訳なさそうに私にお礼を言うと、鞄を持ってドアの所まで足を運ぶ。

「神田さんは良い人ですね」

「え?そんな事ないよー」

誉められるとやっぱり嬉しい。私はでへへと笑いながら頭をかいた。

「そんな所も、俺は好きですよ」

⏰:08/03/23 02:56 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#50 [向日葵]
それだけ言って立川君は早々と行ってしまった。

え……好き……?
い、いっやー美男子にそんな事言われちゃったら……照れるなぁー!

立川君!私も君が好きだよ!
ってかクラスみーんな大好きだぁ!

好意をもたれる事は嬉しいのでルンルン気分で職員室にパンフレットを運び、鼻歌なんか歌いながら下駄箱へ向かった。

さぁて、今日の晩御飯何しよっかなー。

「あ、おねーちゃぁん!」

「へ?」

⏰:08/03/23 03:00 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#51 [向日葵]
前方を見れば、門の所からパタパタと走って来る苺を発見。
そのまま私の足に抱きつく。

「おかえりぃー!」

「ただいまー!……って和んでる場合じゃない……。苺ぉ、どうしてここにいんの?」

苺を抱き上げながら校門を通り過ぎようとした時、横から声がした。

「一緒に来たからだよ」

そこにいたのは不機嫌丸出しの柴だった。
壁に背を預けて腕組みしてる。

⏰:08/03/23 03:03 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#52 [向日葵]
「柴ぁ!どうしたのこんなとこまで!」

「“どうしたの”……じゃなぁい!今何時だと思ってんの!?」

学校の時計を見ればもう5時だ。
どうやら柴が言いたいのは4時半に帰ると言いながら何故帰ってないのか!……と言う事だ。

「だって仕事があったんだもん。仕方ないでしょー?」

「しばちゃんね、ずーっとおねえちゃんまだかなーっていってたのぉ!」

柴は黙って私が抱き上げてた苺を自分が抱くと、スタスタ足早に帰宅方向へ歩いて行ってしまった。

私も急いで追いかける。

やっぱり連絡しておくんだったなー。

⏰:08/03/23 03:09 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#53 [向日葵]
「柴、ごめんね。すぐ終わると思って……」

謝ると、柴は足の速度を落とした。
少しホッとして、私は柴の横を歩く。
チラリと柴の顔を見れば、やっぱりまだどこか拗ねていた。

「電話だってしたのに……」

ボソリと文句を言う柴。

「うんごめんね。でもね柴、校則じゃ携帯は禁止されてるから簡単には出せないの。柴も高校時代があったなら分かってくれるよね?」

軽くため息をつきながら、柴は小さく「うん」と言った。
柴は言えば分かってくれる素直さを持っているから嬉しい。

⏰:08/03/23 03:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#54 [向日葵]
たまにワガママの度が過ぎてる時もあるけど……。

それでも不服そうな彼は、眉を寄せて灰色の目を細める。

そういえば……。

「柴の瞳はなんで灰色なの?両親どちらか外国の人?」

少しずり落ちた苺を抱え直しながら柴は「いや」と答えた。

「おばあちゃんがそうなんだ。だからクォーター」

「へーカッコイイねー。どこの国?」

「知らない」

うんそんな予感した……。

⏰:08/03/23 03:20 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#55 [向日葵]
柴はじっと私を見つめた。
私は笑顔で見つめ返す。

柴はまた軽くため息をつくと、いつの間にか寝てしまった苺を片手で抱いて、空いてる方の手を私の手に絡めた。

大きな柴の手は私の手をあっという間に包んでしまう。

「本当はもっと怒りたいけど……カッコイイって言ってくれたからいいや……」

そう言って柴は微笑む。

柴がそうやって微笑んでくれると私も嬉しい。
柴が私の近くで、過去に囚われず幸せを感じてくれてるのだと思うから……。

⏰:08/03/23 03:24 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#56 [向日葵]
フワフワした雰囲気で返っていると、後ろから私を呼ぶ声が。

「神田さん!」

振り向くと、自転車に乗った立川君が近づいてくる。

「立川君!どうして……」

「自転車の鍵、落としてたでしょう。だから届けに来ました。自転車ごと……」

そうなのだ。
実は帰る間際、自転車置き場に行こうと鞄のポケットに手を入れたけど、いつもある筈の鍵がなくて軽くパニックを起こしていた。

⏰:08/03/23 03:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#57 [向日葵]
どうしても見つからなかったから、諦めて徒歩で帰ろうと思ったのだ。
帰れない距離でもないし、少し遠いけどなんとかなると思って、自転車は置いてきたのだ。

「ありがとうー……!良かったよー鍵があってー」

すると立川君は手を繋いでいる柴に目線を動かした。

「こちらは……」

「ああ、うちで住んで……」

「越言わなくていいから行こう」

柴は乱暴に私の手を引く。

⏰:08/03/23 23:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#58 [向日葵]
「あ、ちょっと待って柴!」

柴の手を振り払って、立川君が乗って来てくれた私の自転車を受け取る。

籠に鞄を入れて、私はもう1度立川君にお礼を言った。

「本当にありがとう。部活頑張ってね。また明日」

「いえ……また明日」

立川君は私に微笑んでからまた柴をチラリと見て走って行ってしまった。

私もチラリと柴を見ると、せっかく治りかけていた柴の機嫌がまたもとに戻って悪くなっていた。

あちゃー……と内心頭を抱える。

自転車を押しながら、また帰りだす。

「さっきの奴……誰」

⏰:08/03/23 23:47 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#59 [向日葵]
「同じクラスの子だよ。学級委員一緒にやっててね」
「知らない奴に俺の事ペラペラ喋るのやめてよ。俺は今の家と…………越が知ってくれてたら、それでいい……」

「柴……」

それじゃ柴の世界が狭くなってしまわないだろうか……。
もっと色んな事を知ったり、色んな人に自分を受け入れてもらった方が、きっと柴の幸せに繋がると思うのに……。

でも、柴が自分でそう言うようになってからでいいのかもしれない。
柴にとって、今他人と触れ合うのは少し怖いかもしれないから……。

⏰:08/03/23 23:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#60 [向日葵]
「うん……ごめんね柴……」

柴は視線だけで私を見ると、少しうつむいた。
そしてクスリと笑う。

「なんか、今日越謝ってばっかりだね。」

それは柴のせいじゃん……。

「でも越に謝られるって……なんかグッとくるなー」
柴って……ドS……?

柴の新たなる人格(?)が分かったと思いながら、夕暮れ時の街を歩いて帰った。

家に帰ると、空と桜がもう帰っていた。

「お姉ちゃんお帰りー。遅かったね」

「あ、柴!早く昨日のゲームの続きやろうよ!」

空に引っ張られるので、柴は苺を私に渡して空と2階へ行ってしまった。

⏰:08/03/23 23:49 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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