*柴日記*
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#300 [向日葵]
「学校から電話があって、お姉ちゃんが倒れたって言うから、柴が迎えに行って家まで連れて帰ってきたの!過労ならちゃんと休んでなよねぇっ!」
じゃあ……。
頭にそっと触れる。
さっき寝ている自分の髪を撫でたのは、柴なのだろうか……。
「おねえちゃん、しばちゃんにありがとうしなきゃメッよ?」
「……そうねぇ」
と苺の頭を撫でた。
苺はされるがままになっている。
「今何時?」
:08/05/04 02:01
:SO903i
:☆☆☆
#301 [向日葵]
:08/05/05 12:36
:SO903i
:☆☆☆
#302 [向日葵]
「6時半くらい。おかゆ作ったけど食べる?」
桜が言い終わると同時にドアをノックされた。
答えたのは桜だ。
「桜、越起きた?」
聞こえたのは柴の声。
私は焦って布団をかぶって横になった。
そんな私を苺は不思議そうな顔で見る。
そして桜も目をパチクリさせて私を見る。
「まだ寝てるって言って!」
小声でそう告げる。
桜は首を傾げながらも頷いた。
:08/05/07 01:34
:SO903i
:☆☆☆
#303 [向日葵]
「まだ寝てるーっ。看病なら私がしとくから、柴は苺連れてってー」
ドアを開けると思ったので、壁側を向いた。
それを確認した桜は、苺を柴の元へ誘導する。
桜が小声で私が起きた事は内緒にするようにと苺に耳打ちするのが聞こえた。
苺は元気よく頷いて外へと出ていった。
大きくため息をついて、上半身を起こす。
「最近柴とギクシャクしてるみたいだけど、なんかあった?」
「え……、バレてたの?」
「バレてないと思ってたのはお姉ちゃんだ・け」
:08/05/07 01:40
:SO903i
:☆☆☆
#304 [向日葵]
もう1度ため息をついて、私は桜に訳を話す事にした。
「最初はちょっとしたケンカをしてたの。でもそれは私が原因だから、なんでもないフリしたら済むと思ってて……」
「ま、あたしの目にはそれは通用しなかったみたいだけどね」
苦笑いした後、今日の朝の出来事を思い出して顔が暑くなった。
「朝に……仲直りしたの……そ、そしたら……多分だけど……キスされそうになって……」
後半は声が出てないくらい小さい声だった。
:08/05/07 01:43
:SO903i
:☆☆☆
#305 [向日葵]
それでも桜は聞きとってくれたらしく、びっくりして目を見開く。
私は話を続けた。
「それで頭一杯になったら……クラスメイトに告白されて……」
「オッケーしたの!?」
「まっさか!だって私は……っ!」
突然言葉に詰まった私を桜は首を傾げながら待つ。
「“私は”――……。何?」
改めて口にしようと思えばすごく恥ずかしかった。
でも唐突に思い出す柴の姿が胸を切なくさせて、気付けば口が動いていた。
:08/05/07 01:48
:SO903i
:☆☆☆
#306 [向日葵]
「柴が……好きみたいなの……」
この想いを再度実感した。
桜は穏やかな表情を浮かべて「そう……」と頷いた。
まるで私がいずれそう言うだろう事を分かっていたかのように。
「じゃあ柴にも告げるといいよ」
「そんな事出来ない……っ」
「どうして?」
「柴が私を好きな訳ないから」
:08/05/07 01:51
:SO903i
:☆☆☆
#307 [向日葵]
今度は苦い表情を浮かべた桜は、私に近づいて「もうっ」と唸った。
「乙女思考がお姉ちゃんの頭にやっと導入されたのに、まだそこら辺は鈍いのねっ!」
やっぱり鈍いと思われてたんだ……。
「柴のあの態度見てお姉ちゃんが嫌いな訳ないでしょ!?そんな事あたしは愚か、空や苺だって分かってるよ」
「だって怖いの……っ」
小さい頃、私は両親に捨てられた。
その記憶はしっかりとインプットされてると言うか、こびりついてしまっている。
:08/05/07 01:55
:SO903i
:☆☆☆
#308 [向日葵]
[バイバイ]
冷たく言い放たれたその言葉。
振り返る事のない背中を「何故」と言う気持ちだけでいつまでも見送っていた。
昔の名前をそのショックで忘れてしまった私は、新たな「越」と言う名を貰って今まで乗り越えてきた。
でも大切な人が1人、また1人と増える度、その名前はふさわしくないのではと落ち込んだ。
ねぇ柴……貴方は私の側に、いつまでもいてくれるの……?
:08/05/11 18:26
:SO903i
:☆☆☆
#309 [向日葵]
―*7日目*―
お姉ちゃんがようやく……って思ったのに、どうしても何かに脅えてるみたい。
柴も何かありそうだし……。もう、あの2人ったら、一体何なのかしらっ!
(神田家・次女・桜談)
いつもの朝なのに、風景がいつもと違う風に見えるのはどうしてなんだろう。
でも今日は、学校へ行く事が許されない。
何故なら昨日倒れたのに学校へ行った事がお母さんにバレたからだ。
:08/05/11 18:31
:SO903i
:☆☆☆
#310 [向日葵]
こっぴどく叱られた上、言う事を聞かなければお小遣い抜きの脅しをされた。
それは困ると、大人しく今日はいるのだ。
時計を見て見れば8時を回った所。
よく寝たんだなぁー、と寝返りをうってドアの方を向けば、そこに柴が座り込んで寝ていた。
「し……っ!」
大声を出しそうになって、両手で口を塞ぐ。
どうしてここに?
体を起こしながら疑問に思った。
この頃朝方は冷え込んできたので、かぶっていた布団をかぶせてやる。
:08/05/11 18:38
:SO903i
:☆☆☆
#311 [向日葵]
柴が……好き。
間近で見つめながら自分が気づいた気持ちを復唱する。
柴が言えない心の闇。
それはもしかしたら、私と同じようなものなのかもしれない。
柴……私には、柴の闇を分かち合う事は、出来ないのかな……。
さらりと綺麗な茶色い髪の毛を撫でると、それに気づいたのか柴がゆっくりとまぶたを開いた。
間近で見つめていた私は、息を止めてしまった。
胸が当たり前のように高鳴る。
「お、おはよっ……」
「おはよう……」
:08/05/11 18:44
:SO903i
:☆☆☆
#312 [向日葵]
「なんでここに?」
「祐子さんが見張れって言ったから。ここにいれば越はでれないでしょ?」
「風邪ひいたらどうするのっ!もう、今日はちゃんと家にいるんだから。」
立ち上がろうとすると、手を握られた。
温もりを感じれば、鼓動の速度は速くなっていく。
「な、……何」
「昨日の事、怒ってる?」
昨日の事。
キスしようとした事。
一気に顔の温度が上がった。
:08/05/11 18:48
:SO903i
:☆☆☆
#313 [向日葵]
「や、そ、……お、怒ってない……っ。びっくりしただけ」
「許してくれる?」
「って言うか……その、な、なんであんな事……」
「なんで?分からないの?」
握られている手に力が加えられる。
灰色の瞳に熱が宿る。
泣きたくなるくらい戸惑ってしまう。
分からない。
心の中は、何1つ。
「じゃ、じゃあ教えて……くれない?」
:08/05/11 18:52
:SO903i
:☆☆☆
#314 [向日葵]
「教えても、越は大丈夫なの?」
え……。
それは、良い事ではないのかしら。
急に不安になってしまう。
気持ちの拒絶がこんなにも怖いと思ったのは初めてかもしれない。
どうしようか戸惑っていると、柴が静かに微笑んだ。
「大丈夫じゃないなら、まだ言う訳にはいかないよね」
と言って立ち上がった。
「何か作ってくる。待ってて」
:08/05/11 18:57
:SO903i
:☆☆☆
#315 [向日葵]
静かに閉まったドアを見ながら私は自分に呆れた。
ちゃんといつもの自分にならなきゃって思ってもうまくいかない。
好きって思ってしまうとどうしてこんなに臆病になってしまうんだろう……。
柴は優しい……。
私が悪いのに、いつも許してくれるのは柴だ。
私は、そんな柴に答えなくちゃならない。
しっかりしなきゃ……私。
決意を固めていると、携帯が鳴った。
どうやらメールのようだ。
:08/05/11 23:39
:SO903i
:☆☆☆
#316 [向日葵]
美嘉からだ。
<体大丈夫?今日の帰りお見舞い行くね!あ、立川君が心配してたよ。お見舞いには立川君も連れて行くと思うから!>
「た、立川君が……」
[貴方が好きです]
大きなため息をついた。
私の周りにいる人は、気まずい人ばかりだ……。
しかも立川君は、諦めないとか言ってたし……。
私どうなっちゃうんだろう……なんかグダグダだなぁ……。
「越。朝飯出来たよ」
「あ、ハイ!」
:08/05/11 23:43
:SO903i
:☆☆☆
#317 [向日葵]
とにかく今は柴だ。
柴の事に集中しよう……っ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
柴はサンドイッチを作ってくれていた。
間にはさんだ新鮮な野菜が美味しくて、ついさっきまで気まずかった事を忘れた。
「美味しい?」
「すっごく!」
そう言うと、柴は優しく微笑んだ。
なんだかホッとする。
「柴は食べないの?」
「食べたからいいよ」
:08/05/11 23:47
:SO903i
:☆☆☆
#318 [向日葵]
私の正面に座る。
じっと食べてる姿を見るので、食べずらい。
「あ、あんまり見ないで」
「幸せそうに食べるから嬉しいんだ。だから見てたいだけ。気にしないで」
気にするって。
「誰かに喜んでもらえるなんて、味わった事今まで無かったから……」
サンドイッチを食べる手を止めた。
あまりに柴が寂しげに笑うから、どうしていいかが分からなくなってしまった。
:08/05/11 23:51
:SO903i
:☆☆☆
#319 [向日葵]
:08/05/16 19:45
:SO903i
:☆☆☆
#320 [向日葵]
言葉のレパートリーが少ない自分がとても歯がゆくなる。
もっともっと、安心させて、悲しい顔なんてしてほしくないのに……。
「あ、あの、お昼は私が作るから!」
気を紛らす為に話題を作る。
それで十分だったのか、うつむいていた柴は私の方を見ると柔らかく微笑んだ。
それを見て、私もつられて微笑んだ。
そして、決意をしたのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぐーたらしていると時間が過ぎるのが早かった。
:08/05/16 23:43
:SO903i
:☆☆☆
#321 [向日葵]
ほのぼのと柴と過ごしていると、気づけば学校が終わる時間になっていた。
「ねぇ柴。これから友達が3人来るんだ。だからしばらく私は部屋にこもるね」
「ふーん。お菓子でも買ってこようか?」
「来てからでいいよ。ありがとう」
部屋を少し片付けようと階段を上る。
部屋に入って散らかっている机の上の教科書を綺麗に並べ、乱れている布団を整えた。
空気の入れかえにと、窓を少し開ければ、心地よい風がカーテンを揺らした。
:08/05/16 23:47
:SO903i
:☆☆☆
#322 [向日葵]
もう秋か……。
制服も衣替えだなー……。
とか考えていると、チャイムが鳴った。
開けた窓から下を見れば、予想通り美嘉と椿、それに立川君がいた。
美嘉が誰よりも早く窓から顔を出していた私に気づく。
「やっほ越!」
美嘉の声に気づいた他の2人も、美嘉と同じように手を振る。
「ちょっと待ってて!」
階段を駆け降りる。
:08/05/16 23:51
:SO903i
:☆☆☆
#323 [向日葵]
下まで降りようとすると、柴が腕を組んで壁に背を預けていた。
降りてくる私を一睨みする。
「何でアイツ、いるの?」
アイツとは多分立川君の事だろう。
下までとりあえず降りる。
「だって友達だもん。当たり前でしょ?」
「越は少し、いや大分鈍すぎるよ。アイツの気持ちくらい分かるでしょ?」
気持ちを分かるって何なんだと、私の中に疑問が浮かんだ。
:08/05/21 23:30
:SO903i
:☆☆☆
#324 [向日葵]
その人の気持ちを100%分かるなんて不可能な話。
少しでも分かりたいと思えって聞いてみても、その人は闇を持っていて話してくれる気配なんとない。
傷つけるのが怖くて、でも甘えて欲しい。
それでも無理矢理聞かないのは、精一杯の自分なりの気遣いだ。
聞くな、いつか話す、でも気持ちを知れ。
そんなの無理だよ。柴。
「柴だって……私の気持ち分かってなんかない……っ」
そう言うと、柴は目を少し見開いた。
:08/05/21 23:35
:SO903i
:☆☆☆
#325 [向日葵]
それに構わず、私は玄関に向かった。
ドアを開けて、皆を招く。
「いらっしゃい。わざわざありがとう」
「お体……大丈夫ですか……?」
「ありがとう椿。もう大分良くなったから大丈夫だよ。」
自分の部屋に入れる為、また階段を上ろうとした時にはそこに柴はいなかった。
小さくため息をつく。
また気まずくなっちゃったなぁ……。
:08/05/21 23:38
:SO903i
:☆☆☆
#326 [向日葵]
:08/05/21 23:40
:SO903i
:☆☆☆
#327 [向日葵]
どうして気持ちが繋がったと思った瞬間、こういう事態が起こってしまうのだろうか。
上手く立ち回る事が出来ない自分を悔いる。
そう思う反面、距離を置ける事にホッとしている自分がいた。
大事な物を得る前に、心構えをしておきたい……。
私は過去の闇を、柴と共に拭い去る事は出来るだろうか……。
「あ、ねぇ越、ケーキ買って来たんだけど食べない?」
階段を上がりながら美嘉が聞いてきた。
手にはケーキが入っているだろう箱が持たれている。
:08/05/27 23:31
:SO903i
:☆☆☆
#328 [向日葵]
「じゃあ先に部屋入ってて。お皿持って行くから」
上りかけていた階段をまた下がった。
お皿と飲み物の準備をしていると、「ただいまー」と声が聞こえてきた。
「おねえちゃんただいまー」
「今日部活休みだったからあたしが迎えに行ったんだー」
リビングに苺と桜が顔を出した。
「ところで柴どうかした?庭でなんかたそがれてたけど」
「え……。さ、さぁ……」
:08/05/27 23:34
:SO903i
:☆☆☆
#329 [向日葵]
リビングから庭へ出たのか、と思う。
てっきり部屋にでも行ったのかと思った。
「おきゃくさんきてるのー?」
用意している物を眺めながら苺が言う。
「うん。お姉ちゃんのお友達。桜、悪いけど晩御飯頼むね」
「おっけーい」
お盆に食器をのせて部屋へ向かった。
手が塞がっといるので声をかければ、立川君が開けてくれた。
「わざわざお見舞いに来てくれてありがとう。でももう元気だよ」
:08/05/27 23:38
:SO903i
:☆☆☆
#330 [向日葵]
「本当ですか……?」
身を乗り出すようにして、心配そうな顔で立川君が訊いてきた。
私はにこりと笑って1つ頷く。
「でも……無理はなさらないで下さいね……」
「ウン。ありがとう椿」
「そうそう週末課題出てるよ」
と美嘉が出すので苦い顔でプリントを受け取った。
最悪な事に苦手な英語だ。
各自お皿に分けたケーキを食べる。
:08/05/27 23:42
:SO903i
:☆☆☆
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