*柴日記*
最新 最初 🆕
#303 [向日葵]
「まだ寝てるーっ。看病なら私がしとくから、柴は苺連れてってー」

ドアを開けると思ったので、壁側を向いた。
それを確認した桜は、苺を柴の元へ誘導する。
桜が小声で私が起きた事は内緒にするようにと苺に耳打ちするのが聞こえた。
苺は元気よく頷いて外へと出ていった。

大きくため息をついて、上半身を起こす。

「最近柴とギクシャクしてるみたいだけど、なんかあった?」

「え……、バレてたの?」

「バレてないと思ってたのはお姉ちゃんだ・け」

⏰:08/05/07 01:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#304 [向日葵]
もう1度ため息をついて、私は桜に訳を話す事にした。

「最初はちょっとしたケンカをしてたの。でもそれは私が原因だから、なんでもないフリしたら済むと思ってて……」

「ま、あたしの目にはそれは通用しなかったみたいだけどね」

苦笑いした後、今日の朝の出来事を思い出して顔が暑くなった。

「朝に……仲直りしたの……そ、そしたら……多分だけど……キスされそうになって……」

後半は声が出てないくらい小さい声だった。

⏰:08/05/07 01:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#305 [向日葵]
それでも桜は聞きとってくれたらしく、びっくりして目を見開く。
私は話を続けた。

「それで頭一杯になったら……クラスメイトに告白されて……」

「オッケーしたの!?」

「まっさか!だって私は……っ!」

突然言葉に詰まった私を桜は首を傾げながら待つ。

「“私は”――……。何?」

改めて口にしようと思えばすごく恥ずかしかった。
でも唐突に思い出す柴の姿が胸を切なくさせて、気付けば口が動いていた。

⏰:08/05/07 01:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#306 [向日葵]
「柴が……好きみたいなの……」

この想いを再度実感した。

桜は穏やかな表情を浮かべて「そう……」と頷いた。
まるで私がいずれそう言うだろう事を分かっていたかのように。

「じゃあ柴にも告げるといいよ」

「そんな事出来ない……っ」

「どうして?」

「柴が私を好きな訳ないから」

⏰:08/05/07 01:51 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#307 [向日葵]
今度は苦い表情を浮かべた桜は、私に近づいて「もうっ」と唸った。

「乙女思考がお姉ちゃんの頭にやっと導入されたのに、まだそこら辺は鈍いのねっ!」

やっぱり鈍いと思われてたんだ……。

「柴のあの態度見てお姉ちゃんが嫌いな訳ないでしょ!?そんな事あたしは愚か、空や苺だって分かってるよ」

「だって怖いの……っ」

小さい頃、私は両親に捨てられた。
その記憶はしっかりとインプットされてると言うか、こびりついてしまっている。

⏰:08/05/07 01:55 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#308 [向日葵]
[バイバイ]

冷たく言い放たれたその言葉。
振り返る事のない背中を「何故」と言う気持ちだけでいつまでも見送っていた。

昔の名前をそのショックで忘れてしまった私は、新たな「越」と言う名を貰って今まで乗り越えてきた。

でも大切な人が1人、また1人と増える度、その名前はふさわしくないのではと落ち込んだ。

ねぇ柴……貴方は私の側に、いつまでもいてくれるの……?

⏰:08/05/11 18:26 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#309 [向日葵]
―*7日目*―

お姉ちゃんがようやく……って思ったのに、どうしても何かに脅えてるみたい。
柴も何かありそうだし……。もう、あの2人ったら、一体何なのかしらっ!

(神田家・次女・桜談)



いつもの朝なのに、風景がいつもと違う風に見えるのはどうしてなんだろう。

でも今日は、学校へ行く事が許されない。
何故なら昨日倒れたのに学校へ行った事がお母さんにバレたからだ。

⏰:08/05/11 18:31 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#310 [向日葵]
こっぴどく叱られた上、言う事を聞かなければお小遣い抜きの脅しをされた。

それは困ると、大人しく今日はいるのだ。

時計を見て見れば8時を回った所。
よく寝たんだなぁー、と寝返りをうってドアの方を向けば、そこに柴が座り込んで寝ていた。

「し……っ!」

大声を出しそうになって、両手で口を塞ぐ。

どうしてここに?

体を起こしながら疑問に思った。
この頃朝方は冷え込んできたので、かぶっていた布団をかぶせてやる。

⏰:08/05/11 18:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#311 [向日葵]
柴が……好き。
間近で見つめながら自分が気づいた気持ちを復唱する。

柴が言えない心の闇。
それはもしかしたら、私と同じようなものなのかもしれない。
柴……私には、柴の闇を分かち合う事は、出来ないのかな……。

さらりと綺麗な茶色い髪の毛を撫でると、それに気づいたのか柴がゆっくりとまぶたを開いた。
間近で見つめていた私は、息を止めてしまった。
胸が当たり前のように高鳴る。

「お、おはよっ……」

「おはよう……」

⏰:08/05/11 18:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#312 [向日葵]
「なんでここに?」

「祐子さんが見張れって言ったから。ここにいれば越はでれないでしょ?」

「風邪ひいたらどうするのっ!もう、今日はちゃんと家にいるんだから。」

立ち上がろうとすると、手を握られた。
温もりを感じれば、鼓動の速度は速くなっていく。

「な、……何」

「昨日の事、怒ってる?」

昨日の事。
キスしようとした事。
一気に顔の温度が上がった。

⏰:08/05/11 18:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194