*柴日記*
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#313 [向日葵]
「や、そ、……お、怒ってない……っ。びっくりしただけ」
「許してくれる?」
「って言うか……その、な、なんであんな事……」
「なんで?分からないの?」
握られている手に力が加えられる。
灰色の瞳に熱が宿る。
泣きたくなるくらい戸惑ってしまう。
分からない。
心の中は、何1つ。
「じゃ、じゃあ教えて……くれない?」
:08/05/11 18:52
:SO903i
:☆☆☆
#314 [向日葵]
「教えても、越は大丈夫なの?」
え……。
それは、良い事ではないのかしら。
急に不安になってしまう。
気持ちの拒絶がこんなにも怖いと思ったのは初めてかもしれない。
どうしようか戸惑っていると、柴が静かに微笑んだ。
「大丈夫じゃないなら、まだ言う訳にはいかないよね」
と言って立ち上がった。
「何か作ってくる。待ってて」
:08/05/11 18:57
:SO903i
:☆☆☆
#315 [向日葵]
静かに閉まったドアを見ながら私は自分に呆れた。
ちゃんといつもの自分にならなきゃって思ってもうまくいかない。
好きって思ってしまうとどうしてこんなに臆病になってしまうんだろう……。
柴は優しい……。
私が悪いのに、いつも許してくれるのは柴だ。
私は、そんな柴に答えなくちゃならない。
しっかりしなきゃ……私。
決意を固めていると、携帯が鳴った。
どうやらメールのようだ。
:08/05/11 23:39
:SO903i
:☆☆☆
#316 [向日葵]
美嘉からだ。
<体大丈夫?今日の帰りお見舞い行くね!あ、立川君が心配してたよ。お見舞いには立川君も連れて行くと思うから!>
「た、立川君が……」
[貴方が好きです]
大きなため息をついた。
私の周りにいる人は、気まずい人ばかりだ……。
しかも立川君は、諦めないとか言ってたし……。
私どうなっちゃうんだろう……なんかグダグダだなぁ……。
「越。朝飯出来たよ」
「あ、ハイ!」
:08/05/11 23:43
:SO903i
:☆☆☆
#317 [向日葵]
とにかく今は柴だ。
柴の事に集中しよう……っ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
柴はサンドイッチを作ってくれていた。
間にはさんだ新鮮な野菜が美味しくて、ついさっきまで気まずかった事を忘れた。
「美味しい?」
「すっごく!」
そう言うと、柴は優しく微笑んだ。
なんだかホッとする。
「柴は食べないの?」
「食べたからいいよ」
:08/05/11 23:47
:SO903i
:☆☆☆
#318 [向日葵]
私の正面に座る。
じっと食べてる姿を見るので、食べずらい。
「あ、あんまり見ないで」
「幸せそうに食べるから嬉しいんだ。だから見てたいだけ。気にしないで」
気にするって。
「誰かに喜んでもらえるなんて、味わった事今まで無かったから……」
サンドイッチを食べる手を止めた。
あまりに柴が寂しげに笑うから、どうしていいかが分からなくなってしまった。
:08/05/11 23:51
:SO903i
:☆☆☆
#319 [向日葵]
:08/05/16 19:45
:SO903i
:☆☆☆
#320 [向日葵]
言葉のレパートリーが少ない自分がとても歯がゆくなる。
もっともっと、安心させて、悲しい顔なんてしてほしくないのに……。
「あ、あの、お昼は私が作るから!」
気を紛らす為に話題を作る。
それで十分だったのか、うつむいていた柴は私の方を見ると柔らかく微笑んだ。
それを見て、私もつられて微笑んだ。
そして、決意をしたのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぐーたらしていると時間が過ぎるのが早かった。
:08/05/16 23:43
:SO903i
:☆☆☆
#321 [向日葵]
ほのぼのと柴と過ごしていると、気づけば学校が終わる時間になっていた。
「ねぇ柴。これから友達が3人来るんだ。だからしばらく私は部屋にこもるね」
「ふーん。お菓子でも買ってこようか?」
「来てからでいいよ。ありがとう」
部屋を少し片付けようと階段を上る。
部屋に入って散らかっている机の上の教科書を綺麗に並べ、乱れている布団を整えた。
空気の入れかえにと、窓を少し開ければ、心地よい風がカーテンを揺らした。
:08/05/16 23:47
:SO903i
:☆☆☆
#322 [向日葵]
もう秋か……。
制服も衣替えだなー……。
とか考えていると、チャイムが鳴った。
開けた窓から下を見れば、予想通り美嘉と椿、それに立川君がいた。
美嘉が誰よりも早く窓から顔を出していた私に気づく。
「やっほ越!」
美嘉の声に気づいた他の2人も、美嘉と同じように手を振る。
「ちょっと待ってて!」
階段を駆け降りる。
:08/05/16 23:51
:SO903i
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