*柴日記*
最新 最初 🆕
#323 [向日葵]
下まで降りようとすると、柴が腕を組んで壁に背を預けていた。
降りてくる私を一睨みする。

「何でアイツ、いるの?」

アイツとは多分立川君の事だろう。
下までとりあえず降りる。

「だって友達だもん。当たり前でしょ?」

「越は少し、いや大分鈍すぎるよ。アイツの気持ちくらい分かるでしょ?」

気持ちを分かるって何なんだと、私の中に疑問が浮かんだ。

⏰:08/05/21 23:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#324 [向日葵]
その人の気持ちを100%分かるなんて不可能な話。
少しでも分かりたいと思えって聞いてみても、その人は闇を持っていて話してくれる気配なんとない。
傷つけるのが怖くて、でも甘えて欲しい。
それでも無理矢理聞かないのは、精一杯の自分なりの気遣いだ。

聞くな、いつか話す、でも気持ちを知れ。

そんなの無理だよ。柴。

「柴だって……私の気持ち分かってなんかない……っ」

そう言うと、柴は目を少し見開いた。

⏰:08/05/21 23:35 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#325 [向日葵]
それに構わず、私は玄関に向かった。

ドアを開けて、皆を招く。

「いらっしゃい。わざわざありがとう」

「お体……大丈夫ですか……?」

「ありがとう椿。もう大分良くなったから大丈夫だよ。」

自分の部屋に入れる為、また階段を上ろうとした時にはそこに柴はいなかった。

小さくため息をつく。

また気まずくなっちゃったなぁ……。

⏰:08/05/21 23:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#326 [向日葵]
>>233にアンカー

>>319に感想板があります

良ければ感想お願いします(。・ω・。)

⏰:08/05/21 23:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#327 [向日葵]
どうして気持ちが繋がったと思った瞬間、こういう事態が起こってしまうのだろうか。
上手く立ち回る事が出来ない自分を悔いる。

そう思う反面、距離を置ける事にホッとしている自分がいた。

大事な物を得る前に、心構えをしておきたい……。
私は過去の闇を、柴と共に拭い去る事は出来るだろうか……。

「あ、ねぇ越、ケーキ買って来たんだけど食べない?」

階段を上がりながら美嘉が聞いてきた。
手にはケーキが入っているだろう箱が持たれている。

⏰:08/05/27 23:31 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#328 [向日葵]
「じゃあ先に部屋入ってて。お皿持って行くから」

上りかけていた階段をまた下がった。
お皿と飲み物の準備をしていると、「ただいまー」と声が聞こえてきた。

「おねえちゃんただいまー」

「今日部活休みだったからあたしが迎えに行ったんだー」

リビングに苺と桜が顔を出した。

「ところで柴どうかした?庭でなんかたそがれてたけど」

「え……。さ、さぁ……」

⏰:08/05/27 23:34 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#329 [向日葵]
リビングから庭へ出たのか、と思う。
てっきり部屋にでも行ったのかと思った。

「おきゃくさんきてるのー?」

用意している物を眺めながら苺が言う。

「うん。お姉ちゃんのお友達。桜、悪いけど晩御飯頼むね」

「おっけーい」

お盆に食器をのせて部屋へ向かった。
手が塞がっといるので声をかければ、立川君が開けてくれた。

「わざわざお見舞いに来てくれてありがとう。でももう元気だよ」

⏰:08/05/27 23:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#330 [向日葵]
「本当ですか……?」

身を乗り出すようにして、心配そうな顔で立川君が訊いてきた。

私はにこりと笑って1つ頷く。

「でも……無理はなさらないで下さいね……」

「ウン。ありがとう椿」

「そうそう週末課題出てるよ」

と美嘉が出すので苦い顔でプリントを受け取った。
最悪な事に苦手な英語だ。
各自お皿に分けたケーキを食べる。

⏰:08/05/27 23:42 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#331 [向日葵]
これがまた体に染みていくように美味しい。
疲れた時は甘いものとよく言うけど正にだと思った。

すると誰かの携帯が鳴る。

鳴っているのは椿の携帯らしかった。

「電話?」

「いえメールです……」

「まさか椿、あの無神経な婚約者とまだ続いてたの!?」

「えぇっ!?」

美嘉より私の方がびっくりして声をあげた。

⏰:08/05/27 23:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#332 [向日葵]
「椿……婚約者いたの……?」

「うちの決まりなんです……17歳を迎えたら、婚約者を決めろと……。」

「これがまた最低最悪な奴でね!!」

美嘉が憤慨してるというのに、椿はただ静かに笑っていた。
その笑顔は幸せそうに見えたけど、少し寂しく見えた気もした。

椿はどうやって運命を共にする人を決めたんだろうか……。

「椿はその人のどこが好きで決めたの?」

何気なく訊いてみた。
すると椿はまた静かににこりと笑った。

⏰:08/05/27 23:49 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194