*柴日記*
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#31 [向日葵]
そして、再婚。
「それが早代だった」
「早代?」
「俺と8つ歳の離れた優しい人。初めて俺に愛情を注いでくれた人……」
すると突然、柴は黙ってしまった。
先を促しては話ずらいだろうから、私は辛抱強く続きを待った。
しばらくして、柴はまた話始めた。
「あろうことか……俺は早代に恋愛感情を持つようになった。母親としてじゃなく、気持ちを、心を、もっとって欲しがるようになった……」
次に喋った時の彼の口調は、とても重かった。
:08/03/21 00:18
:SO903i
:☆☆☆
#32 [向日葵]
「関係を……持ってしまったんだ……」
「関係……?」
イマイチ分からなかった私は聞き返した。
柴は辛そうに細める目を閉じて、か細く言う。
「体……の事……肉体関係って……やつだよ。」
頭をきつく殴られた感覚がした。
だから彼は追い出されたのだ。
「出て行く時、早代が酷い目にあってる声が聞こえた……。俺の……せいで……っ!」
:08/03/21 00:23
:SO903i
:☆☆☆
#33 [向日葵]
柴は私に手を握られたまま床に座りこんだ。
私は今にも壊れてしまいそうな彼を見つめる。
「俺は不幸にしてしまうしかない……っ。愛情を求めても、相手を不幸にするしかないんだ……っ!」
私は、親から捨てられた記憶を持ってる。
私も柴と一緒だった。
私がいるせいで、お母さん達は不幸になった。
だから、私は捨てられてしまったんだと。
でも、この家に来てから、自分が誰かの力になれる事を知った。
:08/03/21 00:28
:SO903i
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#34 [向日葵]
それを教えてくれたのは、“お母さん”であり、お父さんや桜や空や苺、家族だった。
「柴、大丈夫」
私は柴と視線を合わすようにしゃがんだ。
柴はまだ濡れている目で私を不思議そうに見る。
「私達の家族はね、どんな事でも力を合わせて乗り越えていける家族なの。」
柴のおでこと私のおでこを合わせて、そっと目を瞑る。
「それを受け継ぐのが私の名前、“越”。初めてここへ来た私がそんな子に育つようにつけてくれたのよ」
:08/03/21 00:34
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#35 [向日葵]
宝物のような私の名前。
だからね、柴……。
「一緒にいたら、きっと何でも越えていけるよ。安心して、いいんだよ……?」
目を開くと、灰色の瞳がすぐそこにあった。
潤んだ瞳は尚美しい。
柴はその魅力的な目を瞑ると、頭を私の肩に預けて静かにまた泣いた。
でもその肩の重みが、私に心を許してくれた証のようでなんだか嬉しかった。
……これが、私と柴の出会いだった。
:08/03/21 00:37
:SO903i
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#36 [向日葵]
―1日目―
柴って慣れると本当に子犬みたいなの。
気がつけば寄り添ってすぐ側にいるんだよ。
(神田家・長女・越談)
柴と出会って、2週間が経ちました。
徐々にだけど、家のルールとか、皆との接し方とか分かってきたみたいで、柴は毎日楽しそう。
良かった良かったぁ!
「……ん、よし!」
:08/03/21 00:41
:SO903i
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#37 [向日葵]
現在私は朝食作ってます!
朝と言えば、やっぱり味噌汁っしょ!
今日もいい出来に仕上がったよー。
忙しい両親のお手伝いをする私の日課。
桜と自分のお弁当も私が作ってます!
卵を割ろうと、卵を持った瞬間、頭に重みが……。
間違いない……。
「ちょっと柴っ。眠いならまだ寝てればいいのに」
「なんか起きたんだもん……」
柴はよく、こうして私の頭に自分の頭に乗せて甘えてくる。
:08/03/21 00:45
:SO903i
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#38 [向日葵]
柴がこうして甘えてくるのにはもう慣れた。
柴が私に心を許してくれた時からすりこみしたヒヨコみたいに柴は私の後を追いかけてくるようになった。
とは言え、別に困ってる訳じゃない。
どちらかと言えば、世話好きの血が騒ぎだして柴の事を1から10まで面倒見れて嬉しいくらい。
苺や空も私をこんな風に追いかけてくる時もあるし。
柴はペット兼弟みたいなものだ。
「今日は何時に帰ってくんの……」
「もー柴。毎日毎日同じ事言わせないで。4時半頃だよ」
「もっと早く帰って来てよー」
:08/03/22 17:54
:SO903i
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#39 [我輩は匿名である]
「出来るだけね」
食事をテーブルに運ぶ間も柴はちょこんと服の裾を持ってついてくる。
イメージ的に柴の足にピヨピヨサンダルが履いてあってピヨピヨ鳴ってる感じ。
「まぁった柴はお姉ちゃんにくっついてー」
「あ、桜おはよう」
桜は優しくて、いつも早起きして私を手伝ってくれる。
頭を結びながら降りてきた桜は、お箸を並べてくれる。
「だってくっつきたいもん。それとも桜くっついて欲しい?
:08/03/22 17:57
:SO903i
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#40 [我輩は匿名である]
「やめてくれ」
と言っても柴は私以外にはこうしないじゃない。
苺とか空は逆に柴に「遊べ」とくっついてくるけど。
「じゃあ文句言わないでよ」
「ちょっと、お姉ちゃんはアンタのものじゃないんだからね!あんまりそうやってると空達がお姉ちゃん取られたって拗ねちゃうんだから。少しは離れなさいよ」
すると柴は私の体に腕を回して桜に舌を出した。
「いーやーだー」
桜のこめかみ辺りに青筋が出来るのが見えた。
ついでに2人の間に火花が散る。
朝から何やってんだか……。
:08/03/22 17:58
:SO903i
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