*柴日記*
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#401 [向日葵]
越……。
心の中で呼ぶ。
早く会いたい。
本当に自分は越から離れて良かったのかずっと考えていた。
好きと言ったのに、早代を追いかけてしまった……。
[もうこの家にはなんの未練もない。俺の事なら、探さないでいいから]
そう言って早代の隣を通り過ぎて間もなく、柴の前にがたいのいい男2人が立ちはだかった。
思わず驚く柴の隙をついて、2人は柴を取り抑えた。
:08/06/29 02:19
:SO903i
:☆☆☆
#402 [向日葵]
[ちょ、お前らなんだ……っ!]
そして連れてこられた部屋が現在いる柴の部屋だったのだ。
外からしか鍵は開けられず、窓からの脱出を試みるも2階だ。
しかも下には先ほどのSPらしき男達が何人かいた。
携帯も圏外。
連絡を取れないのはそのせいもあった。
そろそろ閉じ込められるのに限界を感じてきた柴は、部屋にあった大きくフカフカしたベッドに身を沈めた。
すると、ドアをノックされた。
返事をせずにいると、静かにドアが開かれる。
:08/06/29 02:25
:SO903i
:☆☆☆
#403 [向日葵]
「大和君、起きてる?」
早代だ。
起き上がって、戸口にいる早代を睨む。
「どうしてこんな事されなきゃなんないの?俺帰りたいんだけど」
「……私は、貴方にここへ帰ってきて欲しいの……」
「早代は父さんの妻だろ?なのに俺に執着するのは間違ってる」
口ごもる早代。
しかし柴は容赦しなかった。
「間違いだったのは確かに俺だ。でも離れて分かった。俺は早代に逃げてただけだって」
:08/06/29 02:28
:SO903i
:☆☆☆
#404 [向日葵]
誰も愛してくれない。
無気力になっていた自分。
そんな中、愛してくれた早代。
恋だと思った。
でも実は違った。
自分が何者か分からないから早代でその存在する意味を確かめていただけだったのだ。
自分で、見つけようともせずに……。早代を、利用してしまったのだ。
早代もまた、望んでない結婚を、柴に、いや大和に逃げる事で何もかも見ないようにしていた。
2人の間に、やはり愛などなかったのだ。
:08/06/29 02:33
:SO903i
:☆☆☆
#405 [向日葵]
[力を合わせて乗り換えていける]
そう言ってくれたのは……。
[安心していいんだよ]
そうやって、逃げず、手を取り合って、困難を乗り越えようと言ってくれたのは、越ただ1人だった。
越。
何でも越えれるようにと願いを込めて名付けられた彼女の名前。
彼女の何事にも前向きな姿、でも、触れれば壊れてしまいそうな脆さに、自分は惹かれたのだ。
「俺は逃げない。逃げたくない。早代、逃げちゃダメなんだ」
:08/06/29 02:38
:SO903i
:☆☆☆
#406 [向日葵]
悲痛な顔をして聞いていた早代は、急にハッと背後に視線を向けた。
「旦那様が、帰って来たみたい……」
柴は立ち上がった。
会うのは何ヶ月ぶりだろう。
柴は父が苦手だった。
呼べば振り向くも、何の感情もない目が怖くて堪らないからだ。
今も胸の奥で、鼓動がスピードを上げていってる。
[大丈夫]
柴はハッとした。
越……?
:08/06/29 02:43
:SO903i
:☆☆☆
#407 [向日葵]
>>319に感想板があるんで、良かったらお願いします

:08/06/29 02:43
:SO903i
:☆☆☆
#408 [向日葵]
携帯変わりましたが向日葵です

:08/07/07 00:21
:SO906i
:☆☆☆
#409 [向日葵]
彼女がいる訳がない。
そう思っていても、柴は辺りを見渡さずにはいられなかった。
あぁでももう大丈夫だ。
越が見守ってくれている気がするから……。
柴は早代の後をついて行った。
―――――――――…………
「旦那さま、大和君が帰って参りました」
中から返事はなかった。
本当に帰って来たのか?と柴は疑問に思った。
しばらく沈黙が続く。
早代は辛抱強く返事を待っている。
「大和を入れなさい」
:08/07/07 00:33
:SO906i
:☆☆☆
#410 [向日葵]
早代は目だけで柴に入れと促す。
柴はもう1度ノックをしてからゆっくりとドアを開けた。
「失礼します……」
ドアの閉まる音が、やけにやかましく感じた。
父は椅子にもたれて窓の方を向いている為、柴には背を向けている。
その表情は、怒っているのか、やっぱり無表情なのかは確認出来なかった。
「どうして、俺を……?」
重苦しい空気に堪えきれず、柴が口を開いた。
父が座っている椅子が、短くギィッと軋む。
:08/07/07 00:40
:SO906i
:☆☆☆
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