*柴日記*
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#455 [向日葵]
私は今の状況に頭がついて行かなくて、引っ張られるがままに足を進めた。
どうすればと、美嘉達を振り返るも、美嘉達も驚いたようにポカンと私達を見つめるだけだった。
――――――――…………
何分走っただろう。
着いたのは、遊具も何もなく、ただベンチと砂場だけがある公園だった。
柴も私も、まだ息は整っていない。
信じられない……。
柴なの……?
柴が今、ここに、私のそばに、いるの……?
「し……ば……」
:08/07/31 01:04
:SO906i
:☆☆☆
#456 [向日葵]
柴がこちらを見る。
日が当たって、綺麗な茶色い髪の毛が更に輝く。
こちらに向けている神秘的な灰色の瞳。
あの時の、雲とは大違いな灰色。
「ハア……何……?どうかした……?」
「どうして……どうして柴がここに……?それより、本当に、柴……?」
「何言ってんの……どう見ても俺でしょ……」
だって柴は2、3日後に帰るって言ってたし、それ以前になんで私の場所が分かったのだろう……。
:08/07/31 01:14
:SO906i
:☆☆☆
#457 [向日葵]
恐る恐る、柴に手を伸ばす。
指先でそっと頬を撫でる。
柴はじっとしていた。
ここにいる……。
「なんで……どうしてここに……」
「越が変な勘違いしてるみたいだったから」
「勘違い……?」
「何を考えるの?越は、何の答えを出すつもり?」
柴は少し怒ったような顔をして私に詰め寄る。
何のって……。
そんな事、1から説明しちゃったら……告白になっちゃうじゃない……っ。
:08/07/31 01:28
:SO906i
:☆☆☆
#458 [向日葵]
私の顔が赤くなる。
そりゃ言うって決めてたけど、今言う準備出来てない
どうしようとうつ向けば、柴が訝しげな顔をした。
「言えない事?」
「そ、そうじゃなくて……」
「じゃあ言って」
「や、あの……そんな簡単には、えと……」
少し顔を上げれば、柴の顔が不機嫌になっていた。
「……越は、もう俺なんかいらない?」
「え?何言って……」
:08/07/31 01:35
:SO906i
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#459 [向日葵]
「越が考えたいって事は、俺に出ていくように言うのをどうやって言おうか考えるって事じゃないの!?」
柴は今度は悲しそうな顔をした。
もちろん今柴が言った事は、近いけれど間違っている。
もし柴が私の家にいたいと言うなら、それをわざわざ追い出そうなんて事はしない。
「あのね、し……っ」
私は息を呑んだ。
急に、力一杯抱き締められた。
痛いぐらいに、私の体が締めつけられる。
でも、うるさいぐらい胸が高鳴る。
「俺は越が好き。だから越が望むなら出ていくけど……でも、俺の気持ちは無視なの……?」
:08/07/31 01:41
:SO906i
:☆☆☆
#460 [向日葵]
「ち、違うの柴……っ」
柴の胸を少し押して、柴と距離を取る。
依然、まだ柴の腕の中。
「違う?だってあのメール……」
「だから、柴の勘違いなのっ。あぁ、ごめん。言葉足らずだったね」
顔が更に赤くなる。
この距離で言うのは恥ずかしいけど、今言うしかない。
「柴がね、幸せに暮らしてくれるなら、それでいいって思ったの。柴が1番に望むものを、私や、お母さん達は尊重しようって。……でも」
柴を求める私は、それを許さなかった。
去って行ってしまったあの日の柴の背中を思い出せば、涙が出そうだ。
:08/08/02 00:15
:SO906i
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#461 [向日葵]
「柴が私の前からいなくなっちゃうと思ったら嫌だって思っちゃった、行かないで、そばにいてって思っちゃったの……っ。そんなの決めるのは、私じゃないのに……っ」
「越……」
「だから、反省も兼ねて、色々考えたかっただけ……。だから柴、間違えないで……。私の心の半分以上は、柴が私の隣にいる事を望んでいるの……」
柴は目を見開いて数回瞬きした。
私は言ってしまった安心感と恥ずかしさで胸がドキドキ鳴って、涙目になってしまった。
すると柴は眩しいくらいの笑顔を私に向けた。
「ハハッ!やったー!!それって越は俺が好きって事だよね!」
:08/08/02 00:21
:SO906i
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#462 [向日葵]
「え、あの……っ」
柴は私の顔を大きな手で包み、覗き込む。
「もう違うだなんて言わないでよね。そばにいてほしいって思ったって事は、そういう事でしょ?」
どこか得意気な柴の顔。
だから意地悪したい気分になったけど、そんな場合じゃなかった。
柴が私の目をじっとみつめる。
これは……、この雰囲気は……知ってる……っ!
どうしようっ!
私、キスなんてした事ないのに……っ!
「あ、あの、えと、し、柴っ!ま、待って……っ!」
:08/08/02 00:26
:SO906i
:☆☆☆
#463 [向日葵]
無言の「待った無し」の雰囲気に、どうすることも出来なくてギュッと目を瞑る。
柴が近づいてくる気配がする。
もう……っ、心臓壊れそう……っっ!!
すると小さく吐息のような笑い声が聞こえた。
と思えば、柔らかなものが私の鼻に少しだけ触れた。
目を開けて、ぱちくりと瞬きをすれば、柴が柔らかく微笑んでいる。
「緊張しすぎ。でも越には早いみたいだから」
私の鼻をトントンと指先で叩く。
「そこで我慢するよ」
:08/08/02 00:31
:SO906i
:☆☆☆
#464 [向日葵]
自分の鼻をおさえながら、私は肺が空になるくらい息を吐く。
ようやく柴の腕から解放されて、代わりに優しく私の手を包んだ。
「帰ろっか。色々話したいから歩いて帰ろう。そんなに遠くないだろうし」
「うん。……ねえ柴。どうして急に帰ってきたの?」
柴は眉を寄せる。
「あんなメール送ってくるからだよ。何か決めちゃうんだと思えば、決めちゃう前に阻止しなきゃって思ったの」
「あ……なるほど」
んー……。私文章力ないのかなぁー……。
:08/08/02 00:36
:SO906i
:☆☆☆
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