*柴日記*
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#480 [向日葵]
「なんかさ」

「わ!さ、桜、おかえり……」

突然出てきた桜に私は跳び跳ねた。

「な、何?」

「普段すぎるよね。柴。いつも通りお姉ちゃんに甘えてるし。私はもっとそれなりの場面に遭遇するとか思ってたのに」

それなり……?

確かに皆の前では柴はいつも通りだ。
皆の前では……ね……。

――――――――…………

ご飯を食べ終え、空と苺と桜は2階へと上がる。
柴はソファーでテレビを見ていて、私は後片付けをしている。

⏰:08/08/10 11:48 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#481 [向日葵]
冬なのでお湯で洗い物をしている。
温かいお湯が手に当たる度ホヤーと和む。

と、急に後ろに気配を感じる。
振り向こうとする前に抱き締められる。

柴だ。

いつもの甘えるみたいな抱き締め方じゃなくて、ギュッと体を押しつけるみたいにする……。

そうなのだ。
柴は2人きりになると、急に大胆さを増す。
そんな事に慣れてない私は、いつも胸がドキドキする。

「し、柴、寒いんでしょ?コタツに……」

⏰:08/08/10 11:54 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#482 [向日葵]
「越の方があったかいよ。なんで?」

クスリと笑った時の吐息が、軽く耳にかかる。

絶対柴はSだ……っ。
自分でMだとか言ってたけどぜーったい、ぜー……ったいSだ……っ!

「こ、子供体温だからじゃない……?」

「じゃあなんで顔が赤いの?」

指先で私の顔を柴の方に向ける。
柔らかい笑みなのに、滲み出ている意地悪オーラ。

いつもの柴らしくないから、私は戸惑ってばかりだ。

⏰:08/08/10 11:59 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#483 [向日葵]
「や、だ……柴……。私今片付けしてるの……っ!」

毅然と言ってみるも、そんな私の態度すら楽しいのか、柴はクスクス笑う。

皆さぁぁん!
ここに隠れドSがいまぁぁぁす!!

柴はこめかみにキスすると、またソファーへと戻って行った。

柴が行ってしまってから、私はお湯で洗っていたのを水に変えて洗い始めた。

この頃いつ心臓が破裂するのかと、心配でなりません。
こんな時、どう対処すればいいんだろう……。

誰か分かる人いないかなぁ……。

⏰:08/08/10 12:05 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#484 [向日葵]
―――――――…………

「どうすればいい……ですか……?」

学校の昼休み。
相談をしてみたのは椿。

椿は大きな目を更に大きく開いてパチパチ瞬きさせる。

「私は、上手く説明出来ないですよ……」

「第一椿のフィアンセは越んとこと違って純粋なんて言葉なさそうだしねー」

横から入ってくる美嘉を、椿と2人でなだめる。

「別に相手のペースに合わせなくても、越ちゃんのペースでお付き合いなさったらいいんじゃないんですか……?」

⏰:08/08/13 00:16 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#485 [向日葵]
「だっ……だってぇ……」

ついこの間まで、このドキドキはなんだとか、柴を見るだけでなんで切なくなるのかと分からなかった子供同然の私なのだ。

柴は年上だし、色々経験してるだろうし……実際早代さんとだって……。

すると胸の中がなんだかモヤッとした。
「ん?」と思いながら、胸をさする。

「だって……何?」

美嘉が話の先を促す。

「え?あぁ、だってね、あんまり動揺したりしてついていけなかったらさ、柴、めんどくさいとか思わないかな……」

⏰:08/08/13 00:20 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#486 [向日葵]
「そんなん思ったら男失格でしょ。むしろ最低。美嘉ならぶっ飛ばす」

最後の部分は共感したか分からないが、椿も美嘉と同じ考えのようで、うんうんと頷く。

恋愛って、両想いになっても大変なんだなぁ……。

「…………あれ?」

「どうしたの?」

「……。―――っ!あぁ―――っ!」

「だから何ぃっ!」

忘れていた。
柴が勝手に解釈して、そのままズルズル過ごして来たけど……。

⏰:08/08/13 00:24 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#487 [向日葵]
私、柴に好きって言ってない…………っ。

――――――…………

だからと言って、言えと言われて言えるものじゃないんだよねー……。

と遠い目をしながら自転車に乗り、いつもの道のりを帰っていく。

柴は、大胆になってから、昨日みたいな行動で気持ちを表してくれるし、時たま好きと言ってくれる事もある。

恥ずかしいけど、とても嬉しい。

そう思えば、私ばかり喜んでばかりで駄目じゃないかとか思う。

⏰:08/08/13 00:27 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#488 [向日葵]
だからと言って……となると、またさっきの考えになって、結局は堂々巡りなのだ。

柴が帰ってくる前、言おうと決意したけど、言わず終いだったのを忘れていた。

柴が気にしてなきゃいいけど……。

「……ん?」

家の前に白い車が停まっているのが見えた。
それは近づけば近づくほど、高級な外車だと分かる。

なんで家の前にこんな車が……?

自転車をガレージになおす間も車をジッと見ていた。

⏰:08/08/13 00:31 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#489 [向日葵]
「ただいまー」

「お姉ちゃんっ!」

桜が玄関まで走って来た。
どうやら今日は部活が休みらしい。

「おー桜ただいまー」

「そんな呑気な事言ってる場合じゃないのっ!」

小声で慌てて言う桜。
どうやら何かあったらしい。

眉を寄せて、首を傾げる。

「どうしたの?落ち着いて」

桜はちらりとリビングへ続く入口を見てからまた私の方へと向き直る。

⏰:08/08/13 00:35 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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