*柴日記*
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#592 [向日葵]
すいません

上も私です

:08/09/16 00:45
:SO906i
:☆☆☆
#593 [向日葵]
「オイ一朗」
一朗の友人が呼びかける。
「お前何急に全力疾走してんだよ」
「ちょっとね」
「ってかお前、森下祐子となんか喋んない方がいいぞ。それでなくてもお前先生から可愛がられてる優等生なんだからさ」
一朗は運動はともかく、勉強では優秀だった。
それは2年生の間では有名で、注目はされていた。
だから、問題児である森下祐子と絡めば悪影響が出るとでも友人は思っているのだろう。
「優等生……ね……」
彼女は珍しがる訳でなく、普通に接してくれたから、新鮮だった。
:08/09/16 00:52
:SO906i
:☆☆☆
#594 [向日葵]
自分に向かって呆れた表情や、怒った表情、しまいには殴られそうになるけど、1つ1つ彼女を知る度楽しくなっていった。
「……もしかして」
[うっとおしい]
あの言葉の意味は……。
―――――――――…………
下校の音楽が鳴る。
それを聞きながら、誰もいない教室で祐子は机に突っ伏して目を瞑っていた。
珍しく、今日は教師との口喧嘩だけだったから、暴れたりないと言うか……。
「帰ってサンドバッグでも叩こうかね……」
:08/09/16 00:57
:SO906i
:☆☆☆
#595 [向日葵]
立ち上がり、沈みかけの夕日を見る。
今日も1日が終わる……。
教室を出て、下駄箱へ向かう。
靴を履き替えて、自転車置き場へ向かおうとした時、勢いよく引っ張られた。
「森下さ……」
この声は……。
「神田?」
神田一朗は祐子を追いかけてきたのか、息を切らせて祐子の腕を掴んできた。
下校時間なので校舎に残っていた生徒は帰る為下駄箱へやってくる。
祐子は手を払い退け、歩き出した。
:08/09/16 01:00
:SO906i
:☆☆☆
#596 [向日葵]
「森下さん話を聞いて」
「話なんかない」
祐子はカゴに鞄を入れ、鍵を刺す。
「僕はあるんだ!だから聞いてっ」
自転車のストッパーを外し、自転車を出す。
またがり、ペダルに足をかけると同時に、神田一朗は前に立ちはだかった。
「聞いてくれなきゃのかないよ」
ハンドルを傾けて方向転換しようとするも、また前へやって来て通せんぼする。
祐子は眉間にシワを寄せると長いため息を吐いた。
:08/09/16 01:04
:SO906i
:☆☆☆
#597 [向日葵]
「昼間あたしが言った事忘れたのか?」
「すっごく傷ついた」
「本音だ。私は本音しか言わない」
「嘘だ。あれは僕の為に言ったんでしょ?」
祐子はハンドルに肘をおいて頬杖をつく。
「だとしても事実には変わらない。あたしなんかと関わればお前は損する。そんな役にはなりたくない。だからうっとおしい。それだけの事だ」
「僕が誰と関わろうが僕の自由だっ!だから損しても誰の責任でもない。僕が悪い」
:08/09/16 01:08
:SO906i
:☆☆☆
#598 [向日葵]
だからそういうのも嫌だって言うのが分からないか、このタコは……。
「あたしなんかといても何も学べやしない。とっとと消える事をお勧めしてやるよ」
ハンドルを握り、自転車を勧めようとすると、神田一朗はかごを持ってそれを阻止する。
思っていたよりも力が強かったから、裕子は驚く。
「おいっ!殴られてぇのかっ!いい加減にしろっ!!」
「学ぶ事を前提として付き合う友達なんかどこにもいないよ。僕は一緒にいたいと思う人しかいない」
真剣な言葉に、祐子は戸惑う。
:08/09/16 01:12
:SO906i
:☆☆☆
#599 [向日葵]
「だったら聞く。なんでお前はあたしと一緒にいようとする」
ほとんど睨むようにして、祐子は神田一朗を見つめる。
どこからか冷たい風が吹いてきて、祐子のウェーブがかった髪の毛を揺らす。
最後にフワリと吹いてから風が止んだ時、一朗は微笑んだ。
「……好きだからかも」
祐子は神田一朗が一瞬何を言ったか分からず固まる。
そして意味を理解すれば、これが叫ばずにはいられない。
「はぁぁぁぁぁっ!?」
口があんぐりと開く。
本当に信じられなかった。
:08/09/16 01:16
:SO906i
:☆☆☆
#600 [向日葵]
しばらく口を開けたまま固まった祐子は、「ありえない」と頭を振り、自転車を進ませた。
それに神田一朗はついてくる。
「森下さん、どうしたの?」
「お前は宇宙人か。あたしを好き?馬鹿もやすみやすみ言え。それと寝言は寝てから言え」
「馬鹿な事でもないし、寝言でもないよ。本気の気持ち」
それがおかしい。
「そんな事言ってないで、大好きな本でも読みあさってろよ」
「僕は本気だっ!」
いきなり大声を出されたので、びっくりした祐子は足を地面につけながらよろける。
:08/09/16 01:22
:SO906i
:☆☆☆
#601 [向日葵]
神田一朗の方を見れば、なかなか信じてくれない祐子に少々腹をたててるようだった。
しかし、祐子からしてみればあまり怒っている風には見えず、どちらかと言えば拗ねてるように見える。
祐子は彼の額に指を弾いて当てる。
急に攻撃された彼は小さく「痛っ」と言って額に手を当てる。
「何考えてるか分かんねぇけど、冷静に考えてみれば分かる。お前は普通の人間。あたしは問題児。どう見られるか分かるだろ。分かったなら、二度と話かけるな」
それだけ言うと、祐子は自転車を走らせる。
もう、神田一朗は追って来なかった。
:08/09/16 01:26
:SO906i
:☆☆☆
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