*柴日記*
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#614 [向日葵]
―――――――――…………

粉々になった眼鏡を拾いながら一朗はため息をつく。

彼女がそこまで自分を拒絶するのは何故なのだろうか。

粉々になった眼鏡同様、一朗の祐子に対する気持ちも粉々になりそうだった。

眼鏡を壊されても怒る気にはならない。
そうやって感情をぶつけてくれると言うのはまだ自分は眼中にあるからだ。

だからこそ、気持ちを理由もなく受け取ってくれない彼女対し、へこみつつある一朗だった。

「――……たは?」

⏰:08/09/20 02:10 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#615 [向日葵]
>>610

誤]つめり
正]つもり

⏰:08/09/20 02:11 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#616 [向日葵]
話し声が聞こえたのでその方を見る。と言っても、彼のただ今の視界は水の中にいるようにぼやぼやしている。
分かるのはなんとなくそこに人がいるという事だけだ。

「さっき屋上に行った……」

「よし……行くぞ、この間の復讐……」

途切れ途切れにしか聞こえないが、誰かに喧嘩を売りに行くのだと言う事は分かった。
それもただの口喧嘩ではないらしい。
声からして計画を企てているのは女の子だろう。

女の子がそんな事しなくてもいいのに……と一朗は思う。

「いやー……女って恐ぇーなぁ……」

⏰:08/09/20 02:16 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#617 [向日葵]
「坂上?」

友人の声に反応する。
気づけば隣にいた。この距離なら見えなくもない。

「寄ってたかって暴行計画とは、穏やかじゃないねー。あれ、お前眼鏡は?」

粉砕した眼鏡を乗せた掌を見せると友人は納得したように頷く。
おそらく一朗がドジをしたとでも思っているのだろう。

「でもさ、あの女子達、絶対返り討ちになるよな。なんてったって、相手は学校の鬼神だかんなぁー」

呑気に言って去ろうとする友人の肩を一朗は勢いよく掴む。

「それって、森下さん?」

「ん?あぁそうだけど?」

⏰:08/09/20 02:22 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#618 [向日葵]
それを聞くなり、一朗は駆け出した。

―――――――――…………

「ぃえっくしっ!」

なんともおっさんくさいクシャミをしながら祐子は屋上で寝そべっている。
しかしさっきから寒気がして仕方ない。

ついに誰かから呪われ始めたか?と心の中で笑っていると、また派手にクシャミをする。

あぁ寒い……。
やっぱり冬に屋上に出るものじゃないな……。

別の場所に移ろうと、半身を起こした時、屋上のドアが開く。

⏰:08/09/20 02:26 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#619 [向日葵]
「ん?」と振り向けば、見た事ある4人組が立っていた。

「あれま先輩方、怪我はすっかり治ったみたいっすね」

にやりと余裕の笑みを浮かべる裕子に、この間こてんぱんにやられた4人は歯ぎしりする。

「あんなの怪我のうちにはいんねぇよ」

「で、何の用です?」

立ち上がりながら祐子は訊いた。

「リベンジいつでも受けるっつっただろ。正にそれだよ」

「今度はいい勝負になるといいんですけど……。ちゃんと腕あげてきたのか?」

⏰:08/09/20 02:30 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#620 [向日葵]
「へっ!身をもって体験しやがれっ!」

4人いっぺんに祐子に飛びかかる。
ゆっくり身構えて、相手がまずどう出るかを目で微かに捕らえてまず何をお見舞いするかすぐさま考える。

避けて回し蹴りが有効そうだと考え、実行に移すため避けた時だった。

「いけませーんっ!!」

そこにいた5人はピタッとそのままの体勢で静止する。

この……迫力の無い声は……。

振り向けば、ドア付近に息を切らした神田一朗がいた。

⏰:08/09/20 02:37 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#621 [向日葵]
「お前……」

祐子は頭痛を覚えて額に手を当てる。
他の4人はポカンとしていた。

「前も言ったじゃないか森下さんっ!女の子が顔に怪我したら大変なんだよっ!」

ピリッとしていた空気がまるで砂のようにさらさら呆気なく去っていくのが分かる。
変わりにぽけぽけした空気に支配されていく。

「お前は今さっきの私の行動を全く反省してな……あれ、お前眼鏡……」

粉砕したはずの眼鏡を彼はかけていた。

「スペアだよ。ホラ僕ドジだから持っておかないとダメでしょ」

⏰:08/09/20 02:41 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#622 [向日葵]
神田一朗の空気に流されそうになってハッと気づいた祐子はかぶりを振る。

「ってかあたしの事にいちいち首突っ込むなっ!」

「好きだから突っ込みたくもなるよ。ホラ帰ろう」

と神田一朗は祐子の手を取る。
そして目を軽く見開く。

「森下さん……熱ある?」

眉を寄せた祐子はまたクシャミをする。

さっきからのクシャミや寒気はそれで?こんな丈夫な体が?

自覚した途端、頭がくらくらしてきた。

⏰:08/09/20 02:45 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#623 [向日葵]
それを聞いた4人もさっきの気分を取り戻しす。

「熱ならなおのこと都合いいじゃねえか。そこの彼氏共々ボコボコにしてやんよ」

「彼氏じゃねぇし」

くらくらしながらもしゃんと立っている祐子は神田一朗を背に庇い4人に向き直る。
それを神田一朗はのけさせようとする。

「森下さん、今日は駄目っ」

「うっさい、アンタ弱いんだからさっさと帰れっ!」

その言葉に、神田一朗は目をパチパチさせた。

「僕弱くはないと思うよ」

⏰:08/09/20 02:50 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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