･ﾟ*･love story ..から始まった恋:･ﾟ'★たまに⑱

チャイムを聞いた母が出てきたので紹介した。

『よく来てくれたわね。あがって！』

リビングに向かう途中
彼が小声で言った…

『どんな格好したらえぇんかわからんくて…どぉやろ？』

『…ヤクザみたいでいいんぢゃない(笑)』

『アカンやん…』

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父は無意味に片付けをしたり、裕弥を探したりと‥なかなか彼の前に座ろうとしなかった。

彼はソファに座り、固まっていた。

母が時間ないんだから…と父を無理矢理、座らせた。

この日の父も彼も忘れられない…

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父が座ると…
彼はいきなり立ち上がり自己紹介をした。

あづさはどうして良いのかわからずに‥
彼の隣に座って動けなくなっていた。

『そんなに緊張しないで…座って』

母はスゴい。
こんなに重い空気の中で微笑んでいる。

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思えば…
いつだって母はあづさの気持ちを察してくれた。

喧嘩もいっぱいした。
素直に謝れない時も許してくれた。
いつだって…味方でいてくれた。

この時も‥緊張で話せなくなったあづさに気付いてくれてたんだ。

少し雑談をした…

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突然…
彼が床にひざまついた

『あづさｻﾝを幸せにします。遠くてスミマセン。あづさｻﾝをください』

父に頭をさげた。

あづさは彼の隣に膝をついて座った。

父は一度、母の顔を見て
口を開いた。

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『我がままな甘えん坊に育ててしまいました…。…娘をお願いします。』

と、彼に深々と頭をさげた…。

あづさは涙が溢れて止まらなかった。

母もあづさ達に背中を向けて泣いていた…。

裕弥は大好きなバァバが泣いていたので…
泣き出した。

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『あーちゃん、明日は帰ってくる？』

新幹線を待つホームで裕弥が尋ねた。

彼は裕弥を抱き上げて

『明日は帰ってこんよ。あーちゃんはお兄ちゃんちの子になったんやで』

『だめぇ～』

みんなで笑った…。

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新幹線に乗る直前…
母はあづさを抱きしめた

懐かしい感触…
とても温かかった…。

『あづさ、なにかあったら‥お母さんスグに飛んでいくからね。心配いらないからね。』

母はあづさの溢れる涙を手で拭いながら言った。

『…ぅん』

二人は新幹線に乗って
みんなが見えなくなるまで手を振り続けた。

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彼とあづさは席についた…

『翔…』

『なんや？』

『挨拶に来てくれてありがとう』

『男やからな…筋は通さんとな』

そぉ言いながら、スーツのポケットをゴソゴソした…。

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