･ﾟ*･love story ..から始まった恋:･ﾟ'★たまに⑱

あづさはそれ以上
言葉が出てこなかった。

ただ…泣きじゃくった

『あーちゃん、はい。』

今年、幼稚園に上がる姉の子供【裕弥】がティッシュの箱を持ってきてくれた…。

『ありがとう』

『あーちゃん…大丈夫だよ！ゆうが一緒にジィジにごめんねしてあげる』
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『裕弥‥ジィジは怒ってないよ』

父は裕弥とあづさの頭をポンと叩いた…

『あづさ、謝らなくていい。今度は大丈夫なんだな？』

あづさは泣きながら何度もうなずいた…。

『今度は随分…遠いな。大丈夫か？』

あづさは…ただうなづく事しかできなかった。

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父の優しい目には涙が溢れそうだった…。

『あづさが幸せになってくれるなら…お父さんはそれでいい』

『あ…りが…とぅ』

裕弥は二人のやり取りをキョトンとした顔で見ていた

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『おいッ！せっちゃん！あづさは一人で新幹線に乗るのか？』

父の大きな声が聞こえた。父は今だに母の事を〔せっちゃん〕と呼んでいる。

『新大阪の駅に翔ｻﾝが迎えに来てくれるらしいわよ…』

そぉ答える母に父はブツブツと怒っていた…。

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一人じゃ危ないんじゃないか…
荷物は重くないのか…

あづさを心配してくれているみたいだ。

姉の〔あさみ〕は
『お父さん、あづがいなくなるの寂しくてしょーがないんだよ』

涙を溜めて…
　　　笑った。

『あさちゃん…』

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その時、誰かがチャイムを鳴らした。

あづさが開けたドアの先には…
初めて見るスーツ姿の彼がいた。

『ちょｯ‥えっ？翔？』

驚くあづさに
彼は緊張気味に‥

『挨拶に来たで』

あづさも緊張してきてしまった。

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チャイムを聞いた母が出てきたので紹介した。

『よく来てくれたわね。あがって！』

リビングに向かう途中
彼が小声で言った…

『どんな格好したらえぇんかわからんくて…どぉやろ？』

『…ヤクザみたいでいいんぢゃない(笑)』

『アカンやん…』

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父は無意味に片付けをしたり、裕弥を探したりと‥なかなか彼の前に座ろうとしなかった。

彼はソファに座り、固まっていた。

母が時間ないんだから…と父を無理矢理、座らせた。

この日の父も彼も忘れられない…

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父が座ると…
彼はいきなり立ち上がり自己紹介をした。

あづさはどうして良いのかわからずに‥
彼の隣に座って動けなくなっていた。

『そんなに緊張しないで…座って』

母はスゴい。
こんなに重い空気の中で微笑んでいる。

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