･ﾟ*･love story ..から始まった恋:･ﾟ'★たまに⑱

　
『ほらっ！パンダだよぉ～。』

あづさは腕の中に赤ちゃんを抱いていた…。

彼はそんなあづさの肩を抱きながら…

『寝とるやん(笑)』

と‥赤ちゃんの顔をのぞき込んでいた。

あづさは彼と旅行で行ったアドベンチャーワールドの夢を見ていた‥。

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あづさが目を開けると‥
そこは病室だった。

ベッドの横には泣きそうな顔をした彼がいた。

『翔…大丈夫？』

彼の頬を触ろうとしたあづさの腕には点滴の管がついていた…。

『あづさ！』

声の方を見ると…
東京からかけつけた母が泣きはらした顔をしていた

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『お母さん？なんで？あづ…どれくらい寝てたの？』

あづさは一度、目を覚ましたが…薬でもう一度眠らされていた。

彼にその時の事を覚えてないか問われたが…
あづさは記憶になかった

彼があづさの手を握り…ゆっくり話し出した。

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『あづ‥ごめんな‥俺がもっと気ぃ付けて運転しとったら‥』

『翔のせいぢゃないよ』

彼は首を振り‥
またゆっくり続けた‥

『あづん中に赤ちゃんが居ったんやて‥』

彼は言葉を詰まらせた…

あづさは瞳を閉じた‥

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彼の言葉を最後まで聞かなくてもわかった。

お腹の中の赤ちゃんは…
もぅいないこと…

さっきまで夢の中で抱いていた我が子を
この手で抱いてあげれないという事…

あづさは声をだして泣いた

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どれくらいの時間…
　泣いていただろう。

彼はその間…ずっとあづさの髪を撫でていた。

ずっと、彼の後ろにいた母が彼に代わりあづさの横に座った。

『あづさ…』

『ぉ…お母さんっ…』

あづさはまた泣いてしまった。

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母はあづさの手を握りしめ…もう片方の手であづさの手をさすった。

夢の中の赤ちゃんと同じように温かかった…。

この時の母は…
近所に買い物中に携帯で彼からの連絡を受け
そのまま家に帰らず大阪に来たらしく…
新幹線に乗るには不似合いなサンダルのままだった。

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あづさは…彼から聞く前に看護婦さんから赤ちゃんのことを聞いていた事を思い出した。

興奮状態になったあづさは…すぐに薬で眠らされたのだった。

『ぉか…さん…。あづね…夢ん中で…赤ちゃんに会ったんだ…』

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彼はかすり傷程度で
特に異常がなかったので帰る事になった。

あづさは２日程
様子をみる為に入院することになった。

母は本来、付き添いの泊まりは許されないが
個室だったこともあって、特例として泊まらせてもらえる事になった。

看護婦さんが簡易ベッドを持って来てくれて…
あづさのベッドの横で眠ることにした。

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『お母さん…寝た？』

『起きてるよ…どうしたの？のど渇いた？』

『うぅん。』

母は体をあづさの方へ向けた…。

『家…大丈夫なの？』

『お姉ちゃんいるから大丈夫だよ。お父さん、明日来るって…』

『靴…持ってきてって言った？(笑)』

『…言った(笑)』
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