狼男にご注意を
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#1 [
マイマイ
]
良かったら
見て下さいね


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:08/03/29 09:11
:F904i
:U7Tq5nHk
#2 [
マイマイ
]
「お父さーん…
お腹空いたよぉ…
帰ろうよぉ…」
小さな手でお父さんの服の裾を掴みながら私はごねていた。
「もう少しだけ待って…
後少しだけ…」
銃を両手で持ち暗い闇の中で何かを待ち続けるお父さん…
小さかった私には不気味なものだった…
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:08/03/29 09:16
:F904i
:U7Tq5nHk
#3 [
マイマイ
]
しばらくすると
木々がざわつき始め
満月が空の真上まで上がった。
ーバーンッ
大きな銃声がして辺りは一気に静まり返った。
「お父さん…
っ…うわぁぁんっ!!」
小さな私は大きな音に驚き泣きわめいた。
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:08/03/29 09:20
:F904i
:U7Tq5nHk
#4 [
マイマイ
]
いや…
お父さんが銃口を向けた生き物と目が合い…
息が止まりそうなぐらい苦しくなった。
「当たったと思ったのになー…。」
お父さんは頭をかきながら残念そうに呟いた。
「おどぅざぁーん…」
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:08/03/29 09:23
:F904i
:U7Tq5nHk
#5 [
マイマイ
]
私は泣くことで恐怖を取り払うことしか知らなくて大声で泣きながらお父さんにしがみついた。
「おぅ…
ごめんな夜深(ヨミ)
びっくりしたな。
早く帰ろうか…」
お父さんは大きな手を私の頭の上にぽんぽんと乗せ優しく笑った。
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:08/03/29 09:27
:F904i
:U7Tq5nHk
#6 [
マイマイ
]
私はお父さんが大好きだった。優しくてぶっきらぼうだけど真っ直ぐで…
一途で照れ屋なお父さんが大好きだった。
「帰る…ッヒク…」
涙の余韻を残しながら私はお父さんの腰元に顔を埋めながら言った。
「よしっ…帰ろう。」
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:08/03/29 09:31
:F904i
:U7Tq5nHk
#7 [
マイマイ
]
お父さんは私の手をしっかりと握って歩き始めた。
「お父さん…
猪捕れなかったね…」
私はお父さんと手をつないで歩く帰り道の山道の中お父さんに言った。
「そーだなぁ…」
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:08/03/29 09:34
:F904i
:U7Tq5nHk
#8 [
マイマイ
]
お父さんは目を細めて綺麗に夜空に浮かぶ満月を見て言った。
「また村に降りてくるかも知れないね…」
そう…
近年、私達の住んでいる所の山里の畑は猪に荒らされ始めた。
「夜深…
悪いのは猪だけじゃ無いんだ。」
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:08/03/29 09:38
:F904i
:U7Tq5nHk
#9 [
マイマイ
]
「何でぇ??
猪は村を荒らす悪者だって先生言ってたよ??」
何も知らない私はお父さんの言っている意味がわからず首を傾げた。
「夜深…
猪が村に降りてくるのはお腹が空いているからなんだ。山にあった食べ物の木を人間が切り倒してしまったからね。猪達の食べ物が無くなってしまったんだよ。」
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:08/03/29 09:42
:F904i
:U7Tq5nHk
#10 [
マイマイ
]
私は少し難しい言葉の理解に苦労しながらも
"なるほど"と首を縦に振った。
「ハハハッ…
夜深には難しすぎたか?
さてと…
早く帰って風呂に入ろうか。」
お父さんは大きく笑って言った。
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:08/03/29 10:00
:F904i
:U7Tq5nHk
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