よすが
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#245 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
どれだけ歩いても、あたしの瞳に映るのは黒過ぎるほどの黒だけだった。
景色が変わらないため、十キロ歩いたのか、十メートルしか進んでいないのか、全く解らない。

「はぁ……」

あたしは思わずため息をついてしまった。
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⏰:08/04/25 00:30 📱:SH903i 🆔:ZORuxzbU


#246 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
何だか疲れた。
頭も体も、疲労という重りを付けられたような鈍さを感じる。
あたしは音もなく、見えない地面に静かに寝転んだ。

このまま、泥のように何も考えず、何も感じずに眠ってしまいたい。
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⏰:08/04/25 00:31 📱:SH903i 🆔:ZORuxzbU


#247 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
あたしは目を閉じ、夢の中で眠りにつこうとした。


……。


…………。



………………?

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⏰:08/04/25 00:32 📱:SH903i 🆔:ZORuxzbU


#248 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
――眩しい……。

目を閉じているのに、まぶたを透かして差し込んでくる痛いほどの光。
さっきまでの闇が嘘だったかのような明るさ。
あたしは思い切って、ゆっくりとまぶたを上げてみた。

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⏰:08/04/25 22:07 📱:SH903i 🆔:ZORuxzbU


#249 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
「!?」


目の前にあったのは、真っ白な世界と、

……“あたし”?


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⏰:08/04/25 22:07 📱:SH903i 🆔:ZORuxzbU


#250 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
あたしは開いた目を直ぐさま閉じた。今のは“あたし”だよね、と自分に問いかける。
確かに“あたし”だった。

夢というのは、本当に不思議なものだ。
次に目を開けたら、“あたし”は消えていて憧れのスターが目の前にいるかも。
あたしはそんな馬鹿なことを考えながら、再びゆっくりと目を開ける。

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⏰:08/04/25 22:08 📱:SH903i 🆔:ZORuxzbU


#251 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
しかし眼に映る光景は、さっきと変わらなかった。

真っ白な世界の真ん中で、小さなあたしは“あたし”を見上げていた。
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⏰:08/04/25 22:09 📱:SH903i 🆔:ZORuxzbU


#252 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
あたしは何も言わず、向かい合っている“あたし”の黒い瞳を見つめる。向こうもただ黙って、あたしの瞳を見つめ返す。

彼女の瞳は幸せに満ちていて、とても優しい笑顔であたしを包み込んだ。

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⏰:08/04/25 22:09 📱:SH903i 🆔:ZORuxzbU


#253 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
光以外に何も無い沈黙の空間で、あたしと“あたし”はただ見つめ合う。
お互いの瞳を見つめるのに、どのくらいの時間を費やしただろうか。
“あたし”がまず口を開いた。

「あたし、幸せだよ」
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⏰:08/04/25 22:10 📱:SH903i 🆔:ZORuxzbU


#254 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
“あたし”は本当に幸せそうに小さく呟く。優しい笑顔。
その顔を見ればわかる、とあたしは思った。でも口をついたのは別の言葉だった。

「どうしてこんな夢を見せるの?」

夢に出てくるってことは伝えたいことがあるからに違いない。
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⏰:08/04/25 22:11 📱:SH903i 🆔:ZORuxzbU


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