よすが
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#646 [○○&◆.x/9qDRof2]
「俺はおまえが嫌いだったよ」

うん…。
それはわかっていた。世界は灰色に変わる。悲しみも衝撃もない。でも大丈夫。私は、気付いてしまったから。

「……で?」

気付いたから、違うんだと今は信じれる。

「嫌いだって、思ってた。いや、思い込んでた」

⏰:22/10/25 18:06 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#647 [○○&◆.x/9qDRof2]
ほらね、信じることが出来る。

「あの日の延長線.......」

孝は一つ一つ言葉を落としていく。きっと私の高鳴りは最高潮に違いない。

「格好悪いって躊躇っていたら、後戻りが出来なくなっていた」

.......まただ。またあれが来た。気恥ずかしさが心を埋めていく。一刻も早くここから去りたい衝動に駆られる。少しずつ体が熱を帯びる。

⏰:22/10/25 18:06 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#648 [○○&◆.x/9qDRof2]
「でも、今になって俺は…」

でもね、もう大丈夫。逃げ出したりはしない。何より大切なものを見付けたから。

「好きなんだって、気付けたんだ」

そう言い終えた孝は切なそうな視線を空に映した。

「孝…」

私もね、気付いたんだ。孝が、好きみたいだって。だけど、ここまでだよ。私は初めから知っていたのかも知れない、こうなることを。

⏰:22/10/25 18:07 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#649 [○○&◆.x/9qDRof2]
間に合って良かった。最後に、答えを聞けて良かった。


それは。
突然やってきた。身体に暖かさを感じる。死んでから一度も感じなかった温もりだ。身体が小さく細かい光の粒に変わっていく。目に映る景色も白くなり始め、視界の端から崩壊していった。それらの感覚はじわりじわりと私の身体を侵食していく。

⏰:22/10/25 18:07 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#650 [○○&◆.x/9qDRof2]
少しずつ、少しずつ。もう、時間か。どうやら、ようやくお迎えがきたようだ。九年前に止まった時計は、九年の時を経て再び刻み始めた。



 十八年間。短いようで長い人生だった。今から行くのは天国だろうか、地獄だろうか。

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#651 [○○&◆.x/9qDRof2]
色々あったが、ようやく私の臨死体験は終わりを告げるようだ。




死んでから気付いた大切な人。


もし生き返ることが出来たなら、きっと私は告白することが出来るだろう。でも後悔するのは嫌だから、今言えるだけ言っておこう。

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#652 [○○&◆.x/9qDRof2]
今までありがとう。貴方が大好きでした。そして最後に、



 さようなら。


 薄れゆく意識の中で、私はゆっくりと微笑んだ。



死んでから気付く大切な人

[完]

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#653 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>620-630

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#654 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>620-650

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#655 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>620-660

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