馬鹿だらけ(BL)
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#121 [生茶]
さっきの吉田との行為で、俺のモノからは少しだけ液体が漏れ出していた。そのせいでやたらと水音がする。
「お前女子に生まれてたら淫乱だったかもな」
俺は、そんなことはない、と笑って言ったけど、頭の中でそれを想像してみると、ドSな吉田にあれやこれやされて、頭がおかしくなるぐらい喘いで快感を求める自分がいた。
吉田なら…いいかもしれないと思った自分が、もう既に淫乱になりそうな気がして寒気がした。

⏰:08/04/27 13:26 📱:PC 🆔:.LrsNQDo


#122 [生茶]
「あ…吉田、イきそう…」
腰が浮いてきて、頭がぼーっとする。俺はすぐにビニールを近くに寄せた。
「いっ…ぁ…っ!」
一気に、押し寄せていた快感が外へ放たれた。それはビニールの中にきちんと収まった。
「耳真っ赤」
「うっせ…」
確かに顔が燃えるように熱い。
「そういや今母ちゃんいるから水道使うの気まずいな」
「あぁ…」
俺は、俺の放った液体が付いた吉田の手を見た。
「まぁ…ドンマイだよね!」
「俺にこれで生活しろって言うのか」
「人生色々だよそういうこともあるだろ」

⏰:08/04/27 13:35 📱:PC 🆔:.LrsNQDo


#123 [生茶]
とりあえず、喚く吉田を置いて、俺は家に帰る事にした。
帰り際に、俺は吉田から紙袋を受け取った。家に帰ってから開けろと言われていたけど、何が入っているんだろうとワクワクしながら、帰り道に開けて入っていた物を手に取ってみると、それはコンドームだった。しかも、十数個ある。
受験の合格祝いがコンドームとは…
俺は手に持っていたコンドームを慌てて紙袋にしまって、なるべく変なことを考えないように、家まで走って帰った。

⏰:08/04/27 13:44 📱:PC 🆔:.LrsNQDo


#124 [生茶]
あれから1ヶ月もしないうちに、卒業式を迎えた。
朝学校に登校すると、いつもよりかっこよくきめた先生や、着物姿の美しい先生が慌しくしていた。あちらこちらでカメラのフラッシュが光り、目が眩しい。
教室に入ってもフラッシュの光が絶えない。
「仲村ー写真撮ろーぜ!」
河合がカメラを持って俺に手招きする。女子たちも数人集まっている。
他のクラスからも集まって、教室内は、かなり賑やかだった。もう二度と集まることが無いメンバーで、写真をたくさん撮った。

⏰:08/04/27 13:54 📱:PC 🆔:.LrsNQDo


#125 [生茶]
「相田ー!」
廊下に、探していた人影を見つけて、俺は大声で呼んだ。
「写真!」
相田は、その瞬間笑顔になって走ってきた。
俺は、吉田と相田と、3人で写真を撮った。まるで女子みたいにはしゃいでいた。

⏰:08/04/27 14:02 📱:PC 🆔:.LrsNQDo


#126 [生茶]
式が始まって、合唱の時から退場にかけて、すすり泣く声があちこちから聞こえてきた。
退場の後は、校門の前辺りに集まって、個人の時間を過ごした。
これで、会うのが最後になる人もいるし、これからもどこかでばったり会うかもしれない人もいる。俺はあまりそういうことは気にしないけれど、吉田と相田と、これからもずっと会えるかどうかだけが気になっていた。
「仲村」
吉田が俺を引きとめて、俺に折りたたまれた1枚の紙を差し出した。開いてみると、どこかの見慣れない住所が書いてあった。

⏰:08/04/27 14:12 📱:PC 🆔:.LrsNQDo


#127 [生茶]
「俺、引っ越す」
「え…」
「ごめん、今まで言えなかった」
俺は驚いて、悲しくなって、何を言えばいいか分からなかった。
「それ、俺の住所だから、たまにはメールじゃなくて手紙でも送ってくれよ」
そう言って吉田は笑った。
「ちょっと待てよ、高校は?」
「実はそっちの県の高校を受験してた。ややこしくなるから言わなかっただけ」
「何だよ、会えないじゃん」
「会えるってまた」
俺は吉田に抱きつきたかったけど、人前ではさすがに出来なかったから、手を差し出した。吉田も手を差し出して、握手をした。

⏰:08/04/27 14:19 📱:PC 🆔:.LrsNQDo


#128 [生茶]
その後は、笑って別れた。家に帰ってから泣いた。改めて、卒業を実感した。

また会うことになったのは、それから2年が過ぎた頃だった。
家に一本の電話が入った。その時俺は家にいなかったから、母さんが出た。夜、俺が家に帰ってくるなり、母さんが玄関に走ってきた。
「相田君、亡くなったんですって」
高校2年の夏休みのことだった。

⏰:08/04/27 14:30 📱:PC 🆔:.LrsNQDo


#129 [生茶]
相田の葬式は、すぐに行われた。
中学時代の友達や、相田の通っていた学校の人も来ていた。
受付を済ませてうろうろしていると、後ろから声を掛けられた。
「仲村?」
「…吉田!」
再会したのは、すごく嬉しいことだったけど、相田のことを考えて、控えめにするようにした。
「相田…」
「…」
吉田が口を開いた。けれど、そこから沈黙が続く。
「悪化したんだな」
「うん」
「俺、この間メールしたばっかだよ」
「うん」
吉田の母と、俺の母さんが話をしている。俺たちの親同士も、仲が良いのだ。

⏰:08/04/27 14:36 📱:PC 🆔:.LrsNQDo


#130 [生茶]
「相田、1週間後に部活の合宿があるんだ」
「うん」
俺は俯き加減に返事をした。さっきから、「うん」しか言っていない。それでも吉田は、喋りつづけていた。
横ですすり泣く音が聞こえた。横目で見てみると、吉田の母がハンカチを口に押し当てて涙を流していた。俺の母もそれにつられるようにしてすすり泣く。
「相田、体弱いくせにバスケ部なんて入るからだ」
「…うん」
式が始まってから、相田の遺影が目に入った。とても楽しそうに笑っている。急に、卒業式の日のことを思い出した。俺が写真を撮ろうと相田を呼んだ時の笑顔。
じわじわと悲しみが込み上げてきた。

⏰:08/04/27 14:43 📱:PC 🆔:.LrsNQDo


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