夢の中の私の影
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#182 [紫陽花]
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電車の中は程良く暖房が利いて、骨までしみるような木枯らしで冷え切った体を内側から暖めてくれた。

残念にも席は空いておらずドアの近くに二人で立つ。

⏰:08/05/20 19:47 📱:F905i 🆔:dqNudvso


#183 [紫陽花]
空気が吹き抜けるような乾いた音を立てながらドアはゆっくりと閉まった。そして電車は私の住む町の駅を出発した。

「柚紀ちゃん。今日君にわざわざ時間を作って一緒に来てもらったのには理由がある。もちろん捜査の話なんだけど……」

⏰:08/05/20 19:48 📱:F905i 🆔:dqNudvso


#184 [紫陽花]
「何か分かったことがあったんですか!?」

「分かったことと言うか、まだ確信は持ててないけど……。今から事件の鍵を握っていると思われる人に会いに行く」

鍵を握る人……。誰だろう?私も一緒に行くってことは私の知り合いなのだろうか。

⏰:08/05/22 19:51 📱:F905i 🆔:L05XBPwY


#185 [紫陽花]
「その人って…私の知ってる人ですか?」

「う〜ん。覚えてるかどうかは分からないけど絶対に会ったことのある人だよ。大丈夫!!目的地に着いたら自然と分かるから」

途中何度もこれから会う人を教えてほしいと、粘ってみたが結局どこに向かっているのかも、誰に会いに行くのかも詳しいことは教えてくれなかった。
一応捜査の一巻なので詳しいことは秘密らしい。

⏰:08/05/22 19:52 📱:F905i 🆔:L05XBPwY


#186 [紫陽花]
「次の駅だよ。降りる準備しててね」

目的地の駅まで意外と時間がかからなかった。車内に到着のアナウンスが流れたと思うと、またも乾いた空気音と共にドアが左右に開く。

⏰:08/05/23 22:02 📱:F905i 🆔:nVJy9CXc


#187 [紫陽花]
その駅のプラットホームは電車の中の心地よい温もりとは違い突き刺すような風が通り過ぎていた。

「さぁ、行こうか」

一歩前を歩く優人さんに導かれるまま私はホームを後にした。

⏰:08/05/23 22:03 📱:F905i 🆔:nVJy9CXc


#188 [紫陽花]
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「優人さん、私ここ知ってる気がする……」

駅をでて5分ほど歩いたところだろうか私は何故かこの街を知っているような、どこか懐かしい匂いを感じた。

⏰:08/05/25 15:34 📱:F905i 🆔:ePvaQ3Ds


#189 [紫陽花]
「もうすぐ分かるよ。あっ!!ほら。見えてきた」

優人さんの視線の先には小さいグラウンドと茶色と白を基調とした可愛らしい建物があった。

「ここは……!!」

⏰:08/05/31 07:12 📱:F905i 🆔:NY7A..BY


#190 [紫陽花]
「思い出したみたいだね。そう、ここは柚紀ちゃんが小さいときに通っていた幼稚園だよ」


よくあの緑の茂った小さな草むらのタンポポで冠を作った。
端の方にある砂山で砂利のないサラサラの砂をあつめままごとをした。
小さな滑り台を友達を押し退けながら滑った。

⏰:08/05/31 07:13 📱:F905i 🆔:NY7A..BY


#191 [紫陽花]
小さな頃の虚ろな記憶が、だんだんと鮮明なものへと代わり、そして私の頭で走馬灯のように駆け巡る。


だが、思い出せなかったのも無理はない。小さい頃、私は幼稚園まで母が車で送ってくれていたため駅からの道など全くと言っていいほど知らなかった。


けれど今確かに思い出した。私はここで時間を過ごしていたのだ。

⏰:08/05/31 07:14 📱:F905i 🆔:NY7A..BY


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