夢の中の私の影
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#192 [紫陽花]
「優人さん……。何でここに?」

「今回の事件で殺された二人は柚紀ちゃんと幼稚園から一緒だったよね?事件の鍵はそこにあると思うんだ。だから殺された二人の共通点とも言える彼らの経歴を一から洗ってみようと思ってね。柚紀ちゃんも少なからず彼らと同じ時間を過ごしたんだから何か気付くことがあるかと思って。それが柚紀ちゃんも一緒に来てもらった理由だよ」

⏰:08/05/31 07:14 📱:F905i 🆔:NY7A..BY


#193 [紫陽花]
なるほど……
事件につながるところから話を進めようってことか。

「じゃあ、行こうか」

優人さんは前を見据え足を一歩動かす。もちろん、私も足を踏み出す。

⏰:08/05/31 07:15 📱:F905i 🆔:NY7A..BY


#194 [紫陽花]
その建物は私たちが入るのを受け入れてくれるつもりなのか、門は開き玄関であろう職員、そして生徒の下駄箱まで一直線の道ができている。

その一本道も両側はプランターに入れられた花々が並び、その中の小さな命たちは背筋をピンと伸ばし溢れんばかりの命の花を満開にさせていた。

⏰:08/05/31 07:16 📱:F905i 🆔:NY7A..BY


#195 [紫陽花]
「ごめんください。先日電話した警察の者ですけど……」

職員玄関から中を見渡す。今日が土曜日ということもあり園内には騒がしく走り回る園児の姿もなければ、それを追い回す保育士さんの姿も見あたらずガランとしていた。

⏰:08/06/02 21:25 📱:F905i 🆔:ZdVpvI4I


#196 [紫陽花]
「こんにちは―……」

2〜3回声をかけても返事はなく優人さんと私は困り果ててしまった。
そのとき


「はい、は〜い」

⏰:08/06/02 21:25 📱:F905i 🆔:ZdVpvI4I


#197 [紫陽花]
後ろから声が聞こえた。
その声に多少驚いたものの声の発信者を探す。

「こっちです!!すいません、中庭の手入れをしていたもので」
目の前に現れたのは髪に少しだけ白髪の混ざる初老のおばあさんだった。おばあさんの手には軍手がはめられ指先には茶色い泥がびっしりと付いていた。

どうやら本当に作業をしていたらしい。

⏰:08/06/02 21:26 📱:F905i 🆔:ZdVpvI4I


#198 [紫陽花]
「すいません、こんな格好で。庭に花を植えてまして……。あら?そこの可愛いお嬢さんは……」

おばあさんの視線はまるで何かを思い出しているような、そう、例えるなら記憶の糸をたぐり寄せているかのような遠いところを見ていた。

⏰:08/06/02 21:27 📱:F905i 🆔:ZdVpvI4I


#199 [紫陽花]
「あっ……」

思い出したのか、小さな声を漏らす。私の方は依然として思い出せないままなのに……。

「柚紀ちゃん?そうよ!!柚紀ちゃんよね」

⏰:08/06/02 21:28 📱:F905i 🆔:ZdVpvI4I


#200 [紫陽花]
「はい……」

おばあさんの顔は、やっと思い出したと言う喜びと、私を懐かしんでいるようで笑顔をこぼしていた。

「私よ!!あぁ〜覚えてないのも無理ないわ。柚紀ちゃんはこーんなに小さかったんだもの。私よ、久子!!坂枝久子よ!!!」

⏰:08/06/02 21:28 📱:F905i 🆔:ZdVpvI4I


#201 [紫陽花]
「あっ………」

突然稲妻か走ったように私の記憶が頭を駆け抜けた。思い出した……。



私を育ててくれた人だ……。

⏰:08/06/02 21:29 📱:F905i 🆔:ZdVpvI4I


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