夢の中の私の影
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#202 [紫陽花]
「久子先生!!お久しぶりです!!」
懐かしさに全身が震える。
あぁ、先生!!
お世話になった先生!!
私は先生へと一歩また一歩と歩み寄る。
:08/06/02 21:30
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#203 [紫陽花]
久子先生は毎日のようにお母さんがいない、と泣きじゃくる私をいつも優しい言葉で慰めてくれた。
記憶こそ曖昧だが泣きじゃくっていた私の体の中の何かがこの人は私に安心をくれる人だと伝えてくれていた。
:08/06/02 21:31
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#204 [紫陽花]
 ̄
「感動の再会の途中に水を差すようで悪いんですけど、捜査に入ってもよろしいですか?」
ひょいと後ろから優人さんが私の肩をたたく。
:08/06/02 21:32
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#205 [紫陽花]
「す、すいません!!」
懐かしさのあまり優人さんには悪いが優人さんの存在を忘れていた。久子先生と私、二人の世界、二人だけの過去の懐かしさに浸っていた。
「じゃあ、中に入りましょうか。園内の応接室に案内しますよ」
:08/06/02 21:32
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#206 [紫陽花]
―――――――………
―――――………
焦げ茶色で統一された椅子に机。
壁には小さな枠に囲まれた絵画がいくつも掛けてあり自然と目がそれらを眺めてしまう。
机の上には白い細かな刺繍の施されたレースのテーブルクロス。
至る所に細かな趣向が凝らされており待つことに対して退屈を感じさせない作りだった。
:08/06/02 21:33
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#207 [紫陽花]
「綺麗な応接室だね」
優人さんもこの部屋の居心地の良さに感嘆の言葉を漏らした。
「お待たせしました。紅茶でよろしいですね?」
:08/06/02 21:34
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#208 [紫陽花]
目の前におかれた紅茶の湯気と共に独特の匂いが鼻孔をくすぐる。
すごく気分が良い。
「紅茶まで頂いてすいません。……それでは、本題に入らせていただきます」
優人さんの顔が少し引き締まる。これが仕事の顔だろうか。
:08/06/02 21:35
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#209 [紫陽花]
「最近、高校生が連続して殺された事件を知っていますか」
久子先生は小さくうなずく。
「その被害者が柚紀ちゃんと同級生で、ここの幼稚園の卒園者なんです。できれば被害者の二人、里山孝太君と赤崎ひとみさんの話を少々伺いたいたく柚紀ちゃんとここへ来ました」
:08/06/02 21:35
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#210 [紫陽花]
久子先生は俯いて黙り込んでいる。それもそうだろう。先生が覚えているかは別として自分の教え子が殺されたのだ。それも二人も。
「里山孝太君……赤崎ひとみちゃん……」
不意に先生は立ち上がり部屋の隅の本棚から一冊のアルバムを取り出した。
私はその本を見たことがある。
いや、持っている。
:08/06/02 21:36
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#211 [紫陽花]
里山君、赤崎さん、そして私の写る卒業アルバムだ。
「これを見てください」
久子先生はあるページを開いて私と優人さんに見せた。
そのページは一人一人が写る個人写真の所ではなく、運動会、遠足、休み時間といったみんなと写っている写真のページだった。
:08/06/02 21:37
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