夢の中の私の影
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#342 [紫陽花]
だが、取り調べを行なおうにも
「優人さんは?この部屋キライ。優人さんじゃないとヤだ!!お腹すいたよ」
など堂本の事や、幼い子供のような口振りばかり口に出すので一度病院で精神異常がないか検査をすることになったのだ。
そして今日は検査の結果聞きに来た。
:08/06/25 00:08
:F905i
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#343 [紫陽花]
「俺は病院ってやつが嫌いなんだよな……」
何度も足を運んだことはあるが、どうしてもこの異常なほどの清潔感と、あたりを包む薬品の臭いが嫌いだった。
俺は病院側から指定された部屋へと若いナースに案内された。
「どうぞお入りください」
:08/06/25 00:09
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#344 [紫陽花]
言われるまま部屋へ入る。
どうやらここは院長室のようだ。
言われるままに部屋に入り、言われるままに院長から秋野柚紀の症状を聞く。
専門的な用語が並んでよく分からなかったってのが本音。
でも、口が裂けてもそんなこと言えないわけで……。
:08/06/25 00:10
:F905i
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#345 [紫陽花]
要するに記憶が消えてしまったらしい。
自分が高校生だったことも、2人を殺めてしまったことも、堂本まで殺しちまったことも、心の奥深くにしまい込んで蓋をして、鍵をかけて、現実から逃げたって事だ。
「あの子にとって全てを忘れるって事が唯一の自分の身を守る手段だって事か……」
:08/06/25 00:11
:F905i
:V7Fgm8D2
#346 [紫陽花]
だが堂本のことだけ忘れなかったのは、それほどにあいつのことが好きだったからであろう。
それでも……、人間は前に進まなくてはいけない。
都合のいいことだけを見て、自分の嫌なことから逃げてばかりじゃ一歩も前に進めないんだ。
:08/06/25 00:11
:F905i
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#347 [紫陽花]
病院を後にして新鮮な空気を思いっきり肺に取り入れる。
柔らかい風が俺の隣を駆け巡る。
もう、春が近いな。
「堂本見てみろよ……。空がこんなに綺麗だぜ。神様がお前の分も仕事しろって言ってるのかもな」
そうして俺は車に乗り込み、秋野柚紀のいる精神病院をあとにした。
:08/06/25 00:12
:F905i
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#348 [紫陽花]
―――――………
――――……
「柚紀ちゃん。あら、また携帯ばかり見つめて。今日はこんなに天気がいいんだから私と一緒に散歩でも行きましょ」
「いやよ。散歩に行ってる間に優人さんから電話がかかってきたらどうするの?」
:08/06/25 00:13
:F905i
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#349 [紫陽花]
「柚紀ちゃん……。よく聞いて。堂本優人さんはもうこの世にいないの。信じたくないでしょうけど現実を受け止めてちょうだい」
「うそよ……。そんな嘘信じないから」
:08/06/25 00:13
:F905i
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#350 [紫陽花]
「嘘じゃないのよ。もうメールも電話も待っていても来ないのよ」
「うそよ、うそよ。お仕事が忙しいだけだもの。ねぇ、優人さん?柚紀いい子にしてるから絶対に迎えに来てね……」
〜夢の中の私の影〜
---end---
:08/06/25 00:14
:F905i
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#351 [紫陽花]
夢の中の私の影を無事完結することができました。応援してくださったみなさん、誤字脱字のたくさんあるこの小説を最後まで読んでくださり本当に感謝の気持ちでいっぱいですm(_

_)m
いつになるかは分かりませんが次は短編集を書きたいと思っています。もしよかったらそちらの方も暇つぶし程度に読んでみてください(・∀・)
:08/06/25 00:15
:F905i
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