・・悪魔なキミ・・
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#607 [みい]
「大丈夫じゃねえ。お前のせいで」
真正面で無表情のままそう言われ、私は俯くしかない。
――『お前のせいで』
蓮の一言が心に重くのしかかる。
ね、銀次さん。やっぱり私のせいなんだよ…。蓮だって、私を責めてる。
「ごめっ、なさい…」
:08/08/12 22:44
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#608 [みい]
蓮の顔が見れない。私をどんな目で見ているのか、知るのが恐くて。
「ご、ごめっ……」
せめてちゃんと謝らなければ、と頑張ってみても、溢れる涙のせいで思うように言葉が出てこない。
「柚、泣くな」
この頃よく蓮に「泣くな」って怒られる気がする。
:08/08/12 22:46
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#609 [みい]
「…っとに、お前は冗談通じねえ奴だな」
蓮が頭をぐしゃぐしゃとしながら、溜息混じりに呟く。
「じょー、だん?」
「そ、冗談。お前のせいなんかじゃねえから気にすんな」
蓮はそう言って、私の頬の涙を乱暴に手の平で拭ってくれた。
「…悪かったな、恐い思いさせて。怪我とかしてなかったか?」
:08/08/12 22:47
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#610 [みい]
私はぶんぶんと首を横に振る。
昨日は恐かったけど、蓮がいなくなっちゃうかもしれないことの方が、想像しただけでも何億倍も恐かった。
蓮は私が無傷だと知って、安心したように長く息を吐く。
それでも尚泣きつづける私に、痺れを切らしたようだった。
「泣くなっつーの。…俺、お前が泣くの、なんか苦手ってゆうか…調子狂う」
:08/08/12 22:49
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#611 [みい]
「…よく泣かしてたくせに」
私が少し嫌味ったらしく言うと、
「昔の話だろ。いっちょ前に揚げ足取ってんじゃねえよ」
と私のおでこを小突く蓮。
自分でも涙を拭きながらへへ、と笑うと、蓮も無言で微かに口角を上げる。
「…ってわけで……」
:08/08/12 22:51
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#612 [みい]
…ん?んんん?
途端に穏やかな空気が一変したのが感じられた。
さっきまでより更に強く掴まれた私の右腕。
熱を帯びた色に染まる蓮の瞳。
「れ、蓮…?あの…っ」
これはっ…、この雰囲気はっ…!
:08/08/12 22:52
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#613 [みい]
「そ、そろそろ私、行くねっ…」
明らかに動揺した私が席を立った瞬間、思い切り腕を引っ張られ、再びお互いの顔が近づいた。
「まだ、帰さねえ」
真剣な表情でそんなことを言われると、一気に恥ずかしくなってしまう。
静かな中、自分の心臓の音だけがバクバクとうるさく、蓮にも聞こえてしまうかも、なんて変な心配まで生まれる始末だ。
:08/08/12 22:53
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#614 [みい]
「柚…」
こんなに近くで自分の名前を甘く囁かれると、余計に胸が高鳴る。
息をすることすらままならない。それほど私は緊張していた。
なにせこうゆう雰囲気にはどうも慣れないもので…。
「…再会を祝して」
蓮が薄く笑い、近付いてきたのがわかった。
:08/08/12 22:54
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#615 [みい]
私は強く目を閉じ、覚悟を決めた…が。
「……はれ?」
蓮の唇が触れたのは、意外や意外、私の唇…ではなく。
「涙、残ってたから」
まだ涙の跡が消えずにいる、私の頬だった。
:08/08/12 22:55
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#616 [みい]
唇を舐め、しょっぺえ、と顔をしかめる蓮を見て、私はいてもたってもいられないくらいの恥ずかしさに襲われる。
当然のように、唇にされるものだと思い込んでいた自分が、ひどく自惚れているように思えたのだ。
真っ赤になってしまった顔が蓮に気付かれないよう俯くが…
「なに顔赤くしてんの?」
…ばーれーてーるー……。
:08/08/12 22:57
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