・・悪魔なキミ・・
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#668 [みい]

淕はあれ以来、よく俺の病室にやって来る。


「でさ、そん時浩二が…」


内容はたわいもないこと。仲間の話だったり、バイトの話だったり。

それでも動けなくて退屈な俺には、有り難いことこの上ない。


「失礼しまーす…」
「おっ、柚ちゃんだーあ!」

⏰:08/08/26 00:51 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#669 [みい]

柚は学校が終わると、必ずと言っていいほど見舞いに来てくれる。


「淕も来てたんだあ!」
「おうよ!」


そして、この二人もいつの間にか打ち解け、三人で喋ることが出来るようになった。


三人でいると、柚が学校での出来事を話し、淕がそれに対して相槌を打ち、俺は静かに聞いている、という役回り。

⏰:08/08/26 00:51 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#670 [みい]

そんなことをしているうちに外は暗くなる。


「…あ、もうこんな時間!そろそろ帰らないと…」


…俺が一番嫌な瞬間。


「送ってったげるよ!」
「毎回ごめんね、淕」


柚は女だし、一人で帰すより淕が送ったほうが安全に決まってる。

⏰:08/08/26 00:52 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#671 [みい]

…でも。


「蓮、また明日ね!」
「また来るから〜!」


仲良さ気に病室を後にするあいつらの背中を見ながら、俺はどうしようもない気持ちに駆られる。


無意識に嘆息を漏らしたとき、


「れーんっ♪」


楽しげな声とともに矢野がドアから顔を出した。

⏰:08/08/26 00:54 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#672 [みい]

「廊下で会ったぞー、柚ちゃんと弟君。仲良く手なんか繋いじゃってさ〜…」
「は!?」


手を繋いでいた、だと?柚と淕が?

矢野の垂れ込みに、思わず身を乗り出し大声を出す。


そんな俺を見て、矢野は豪快に笑い出した。


「嘘だよ!冗談冗談〜!」

⏰:08/08/26 00:55 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#673 [みい]

そうと分かると、矢野の悪戯にまんまとはまってしまった自分が恥ずかしくなる。


「…矢野、お前マジで殺すぞ」
「悪い悪い、んな怒んなよ!それにしてもあれだな、お前がそんな焦るとこ、初めて見たよ」


矢野は悪びれることもなく、さぞかしおかしいと言わんばかりに笑いこけた。


「…るせーよ」

⏰:08/08/26 00:56 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#674 [みい]

「しかしさあ、蓮も希少な男だよなあ。淕と柚ちゃん二人にさせて、危機感とかないの?」


柚が、俺以外の男とふたりきり。俺が何も思わないわけないじゃねえか。


「…柚は、俺のもんだから」


言い聞かせるように声に出しても、やはり不安なところはある。
淕と楽しそうに話す柚を見ると、胸がもやもやする。

⏰:08/08/26 00:57 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#675 [みい]

俺と二人でいるときに、あんな笑顔を見せてくれたことがあっただろうか?

俺といるより淕といるほうが、柚は…。



病室で一人、ベッドに寝ていると良からぬ考えばかり浮かぶ。


「…くだらないこと考えんのはよせよ」


まるで俺の頭の中を覗いたかのタイミングで、矢野が忠告する。

⏰:08/08/26 00:58 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#676 [みい]

「ああ」
「ま、淕に取られないようにせいぜい気いつけるんだな」
「…分かってる」


分かってんだよ、んなこと。お前に言われなくたって。


「学校では俺が守ってやってるからさ、心配すんな!」
「むしろお前が近付くな」


女みたいに頬を膨らます矢野に苛立ちを覚えながら、俺は柚と淕の後ろ姿を思い出していた。

⏰:08/08/26 00:59 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


#677 [みい]

……………………………

「失礼しまーす…」


今日も学校帰りに制服のまま、病室に訪れる柚。


「柚、おかえり」


俺がそう言うと、いつもは「ただいま!」ってベッドまで駆け寄って来てくれる。


…いつもは。

⏰:08/08/26 01:00 📱:SH905i 🆔:fijO4rPk


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