灰色の空の七色の星を掴めそうな丘から・・★*・・
最新 最初 全
#5 [YUKARI]
はぁあ・・
と溜め息をついて横向の体勢になった。
まず彼のことを知らなくちゃ。
今のあたしにはあの人の優しくて大きな手と、仄かに覚えてるくしゃってしたあの笑顔。
:08/05/21 23:50 :F902iS :☆☆☆
#6 [YUKARI]
そんなこんなでボケーッとしていたら結構時間がたっていたことを、携帯電話のメールの着信音で気がついた。
やばい、そろそろ戻らなきゃ・・
丘を来る途中で見つけて持ってきたダンボールで颯爽と降りながら、携帯電話に目をやる。
:08/05/21 23:54 :F902iS :☆☆☆
#7 [YUKARI]
カチカチッ
送信者:香要(カナメ)
―あー・・・・・
普段なら読みたくないメール。
だけど後は歩いて帰るだけの暇な道のりのせいもあって、見てしまった。
後悔するかも知れないのに・・
:08/05/21 23:58 :F902iS :☆☆☆
#8 [YUKARI]
―
――
いつ連絡くれるの?―
この人にはわかっているんだ。
いつかまたあたしが連絡をしてしまうこと。
本当は読んだのに、読まなかったふりをしてまぶたごと携帯電話を閉じた。
:08/05/23 10:09 :F902iS :☆☆☆
#9 [YUKARI]
(とりあえず帰らなきゃ・・
心配させたら悪いし・・)
なんだか急にむしゃくしゃして家までの道をひたすらに走った。
途中息をしてないんじゃないか、本当は息なんてしてないんじゃないか、なんてがむしゃらに走っている最中にぼんやりと頭に浮かんだ。
:08/05/23 10:13 :F902iS :☆☆☆
#10 [YUKARI]
ひっそりと静まった玄関に扉を開けるなんだか不可解な音がした。
ソォ・・・
「ただいまぁ・・〜」
なんて一応言ってみたりして。
すると微かな音に反応したのかクゥンという声が聞こえた。
:08/05/23 10:16 :F902iS :☆☆☆
#11 [YUKARI]
「ラッキー!」
小声だけどラッキーは反応してくれたらしく、犬なりの忍び足で玄関まで迎えに来てくれた。
クゥーン・・
キラキラと目を輝かせておかえりと言ってくれているのがわかる。
:08/05/23 10:19 :F902iS :☆☆☆
#12 [YUKARI]
(あー
もうっ!
お前かわいいっ///)
あまりのラッキーの可愛さに思わず抱きつく。
ラッキーはしっぽを振って大喜びだ。
:08/05/27 10:16 :F902iS :☆☆☆
#13 [YUKARI]
バッっとラッキーを離す。
不安げな瞳が何かを見据えている・・
「ごめんね。ラッキー」
抱きついた後か細い声でそう言うとラッキーはリビングのほうへ戻って行った。
:08/05/27 10:19 :F902iS :☆☆☆
#14 [YUKARI]
ふぅ・・っ
「あたしも寝ようかな」
頭を支えながら部屋に行く。
誰もが寝静まった家の中、当然ながら足音だけが響いている。
トントントン・・
:08/05/27 10:22 :F902iS :☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194