・・万華鏡・・
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#131 [果樹]
「はい。そうですけど・・・」

私が眉間に皺を寄せながら言うと女の人は可愛い顔で笑った。

「やっぱりー♪実物見れて嬉しーい!私はリカ。あっ座って座って」


緑のリボン・・・。
上條先輩と同じ三年生。

勧められるままに椅子に座る私に背中を向けて、リカ先輩は何か作業をしている。

⏰:08/06/04 00:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#132 [果樹]
「今お茶入れるからねー」

あ、お茶かーってなごみそうになる自分を叱咤して、頭に疑問府を浮かべる。

なんで私の名前を知っているの?

しかも実物って何?

私の頭では理解できないことばかり。


「あのー・・・何で私の事知ってるんですか?」

⏰:08/06/04 00:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#133 [果樹]
「え?あ、それはねー・・・きゃっ!!」

お茶を入れたらしいコップを手に、振り向こうとしたリカさんは机につまづき、バサッと本が落ちるような音がした。

「あっ大丈夫ですか!?」

幸いにもお茶は溢れなかったが、床にはたくさんの写真が散らばった。

「うん・・・ごめんねぇ」

⏰:08/06/04 00:29 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#134 [果樹]
私はリカさんと一緒に写真を拾おうとしゃがむ。

そこで“ある事”に気付いてしまった。


「これ・・・」

私が手に撮った写真を見て、リカさんは苦い笑いを溢す。

「あ・・・。あーこれね、全部上條が撮ったものなの」

「上條先輩が・・・?」

⏰:08/06/04 01:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#135 [果樹]
私は写真から目を離さず聞く。

「あいつってさぁ好きなものをひたすら撮るクセがあって、涼ちゃんの写真も気付いたらこんなにいっぱい。すごいでしょ?」

リカさんはそう言ったが、これはすごいなんてものじゃない。

床に散らばるのは、数えきれないほどの私が写っている写真。

⏰:08/06/04 01:58 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#136 [果樹]
どれも朝、冴木先輩が登校してくるのを待っている横顔や後ろ姿のものばかり。

「ほーんと馬鹿なんだから」

ぼそっとリカさんがそんなことを言ったが、私の頭は今それどころじゃなかった。


なんで・・・?

だって上條先輩とはこの間会ったばかりなのに。

⏰:08/06/04 01:58 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#137 [果樹]
こんなたくさんの写真撮れるはずがない。

それにまだ今よりも顔が少し幼い私もいる。

いつから・・・?

上條先輩はいつから私を知っていたの?


頭の中にそんな疑問ばかりが浮かんでいた時、部室のドアがカチャと開いた。

「ちーぃす。お?涼ちゃん来てたんやぁ」

⏰:08/06/04 01:59 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#138 [果樹]
上條先輩っ!!

部室に入ってきたのは上條先輩だった。


「あ、あのっ私帰ります!すみません!!」

私はすくっと立って、鞄とブレザーを持つと上條先輩と一度も目を合わせないで先輩の前を通りすぎ、部室を出る。

「え?涼ちゃん?!」

⏰:08/06/04 02:00 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#139 [果樹]
後ろでは戸惑った感じで上條先輩の声が聞こえたが、それを振り切るように私は走った。


――――――――・・・・


あのまま走って家に帰ってきた私は、着替えもしないままベッドにうつ伏せに倒れこんだ。

「どうしよう・・・」

ベッドに伏せても考えるのは、上條先輩のことと写真のことばかり。

⏰:08/06/04 02:01 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#140 [果樹]
なんで?

どうして私の写真があんなにたくさんあったの?

ねぇ、あなたはいつから私を見ていたの?

何で私は今まで気付かなかったんだろう・・・?


「私はどうしたらいいの・・・?」

⏰:08/06/04 02:02 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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