・・万華鏡・・
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#441 [果樹]
私はふらつく足で屋上を降り保健室に向かった。
―――――――――・・・・
「ちゃんと冷やしておきなさいよー」
保健の先生が出ていった後、私は座っていた長椅子に寝転び目を閉じた。
頬には腫れを抑えるための濡れタオル。
:08/08/30 18:56
:P902iS
:☆☆☆
#442 [果樹]
―ガラガラガラ・・
誰かが保健室のドアを開けた音がしたが、きっと生徒だろうと気にも留めずに寝転んだままいると
「起ーきーろ!」
という声と共にパチンと額を弾かれた。
「〜〜〜っなんなんですか?!」
:08/08/30 18:57
:P902iS
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#443 [果樹]
ガバリと起き上がり額を弾いた張本人の柴浦を見ると何処か不機嫌そうな顔をしていた。
「柴浦・・・?」
私が呼び掛けるとスッと柴浦の手が延びてきて私のまだ腫れている頬に触れる。
「あんまり無茶するな・・・」
呟くように言ったその顔は悲し気で何故か胸が痛くなった。
:08/08/30 18:58
:P902iS
:☆☆☆
#444 [果樹]
胸が痛い・・・なんで?
「まだ痛むか?」
「大丈夫・・・。私強いし」
そう言うと今度は腫れていない方の頬をむにっとつねられた。
「馬鹿野郎」
「なっ・・!」
「強がってないでいい加減素直になれ」
:08/08/30 18:59
:P902iS
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#445 [果樹]
柴浦の言葉が胸に大きくのしかかる。
“強がり”
それは自分が一番よく分かっていることだ。
弱音を吐かない。
吐きたくない。
昔からそれが弱い自分を見せないための唯一の方法だった。
「別に強がってなんか・・・っ!」
:08/08/30 18:59
:P902iS
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#446 [果樹]
「意地っ張り」
言葉とは裏腹に柴浦が私の頭を撫でる。
「全部受け止めてやるから。弱いお前も泣き虫なお前も。だからいい加減素直になれ」
そんなこと今まで誰も言ってはくれなかった。
いつだって“真理奈は強いな”“真理奈のそういう強いところが好きだ”って言われて来たから・・・。
:08/08/31 00:01
:P902iS
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#447 [果樹]
本当に素直になってもいいの・・?
泣いてもいい・・・?
優しく頭を撫でる手に促されるように私は静かに涙を流した。
―――――――――・・・・
「柴浦と付き合うことになったーーーぁ?!」
「だから声が大きいってば!」
:08/08/31 00:30
:P902iS
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#448 [果樹]
屋上へと続く階段の踊り場に百合の声と私の声が響く。
でも百合が驚くのも無理はない。
昨日の今日でいきなり“私たち付き合います”なんて報告をされたら誰だって驚くはずだ。
だって柴浦と付き合う決心をしたのは、昨日私が泣いたあの保健室でなのだから・・・。
:08/08/31 00:31
:P902iS
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#449 [果樹]
―――――――――・・・・
「落ち着いたか?」
「ん・・・」
柴浦は私が泣き止むまでずっと頭を撫でてくれていた。
「ほら」と言って渡されたのは濡れタオル。
泣いて目が腫れた私のために柴浦が用意してくれたのだ。
:08/09/08 02:00
:P902iS
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#450 [果樹]
「ありがと・・・」
それを受け取り、私は泣いて熱った目元に濡れタオルを当てがう。
♪〜・・・♪〜・・・
そんな時室内に携帯の着信が鳴り響いた。
鳴ったのは柴浦の携帯。
ゴソッとポケットを探り携帯を取り出して着信画面を見る柴浦の顔が少し歪む。
:08/09/08 02:01
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