・・万華鏡・・
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#41 [果樹]
昼休み

弁当を食い終わってガタンと席をたった俺に、猛は顔を上げた。


「あれ?千晃どこに・・・ああ!愛しの咲良チャンのとこ?」

分かっているくせに聞いてくるところがわざとらしい・・・。

「うるせー」

「いってらっしゃーい♪」

⏰:08/05/30 23:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#42 [果樹]
ぶんぶんと手を振って見送る猛を無視して俺は桜の木へと向かった。


――――――――・・・・・


「あれ・・・?」

桜の下まで来た俺は、いつもと違うことに気付いた。


咲良がいない。

珍しいな咲良が俺より早く来てないなんて。

⏰:08/05/30 23:29 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#43 [果樹]
いつもは必ず俺より早く来ているのに、と少し不安になったが、とりあえずいつも通り桜の木の下に寝転び咲良を待つことにした。

もう葉桜になってきたか・・・。

俺の上では桜の花が散り始め、段々と葉が茂ってきていた。


俺は、目を瞑って瞼の裏に咲良を思い浮かべる。


黒髪の綺麗な髪。
ぱっちりとした二重の目。

⏰:08/05/30 23:30 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#44 [果樹]
少し茶色みがかった瞳と薄いピンク色の唇。。

全てが綺麗で俺を惹き付ける存在。


「千晃!」

名前を呼ばれて俺は現実に引き戻された。
校舎の方から走ってくるのは猛だ。

「なんだよ猛こんなところまで・・・」

「ばか!んなこと言ってる場合かよっ!!」

「は?」

⏰:08/05/30 23:31 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#45 [果樹]
猛は息を切らせて俺のところまでくるといきなり怒鳴りつけてきた。

意味が分からない俺はただただ目を丸くする。

「咲良ちゃんが教室で倒れて保健室に担ぎ込まれたらしいんだ!」

「――――っ!」

猛の言葉を聞いた俺はすぐさま立ち上がって猛には目もくれず保健室へ走った。

⏰:08/05/30 23:32 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#46 [果樹]
咲良っ!

咲良――――!!


――――――――・・・・


「宮ちゃん!!」

勢い良く保健室のドアを開け、俺は保険医である宮ちゃんの名前を呼ぶ。

「なんだ中村ー。またサボリ?」

宮ちゃんは回転式の椅子に座って笑っていう。

⏰:08/05/30 23:33 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#47 [果樹]
「違くて!咲良が・・・運び込まれたって・・・」

気持ちが焦って言葉がうまく出てこない。

宮ちゃんは「ああ」と目線を動かし部屋の奥にある窓際のベッドを指差した。

「そこのベッドに寝てるよ。あたしちょっと職員室いってくるからくれぐれも変なことしないよーに!」

カタンと椅子から立った宮ちゃんは、部屋から出ていく際に俺の方を向いて忠告してきた。

⏰:08/05/30 23:33 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#48 [果樹]
「しねーよ!」

俺はカァっと顔が赤くなる。

宮ちゃんはケラケラと笑って部屋を出ていった。



窓際のベッドに行くと咲良が気持ち良さそうに寝息を立てて眠っていた。

俺はなんだかほっとして、近くに立掛けてあったパイプ椅子に座って、咲良の寝顔を見る。

⏰:08/05/30 23:34 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#49 [果樹]
「咲良・・・」

名前を呼ぶと咲良は身じろいでから目を開けた。

「ん・・・千晃・・・くん?」

まだ少し朧気な咲良は、上体を起こそうとするので、俺は椅子から立ち上がり、咲良の背中に手を回してそれを手伝う。

「お前大丈夫なのか?」

「あ、ごめんね?心配かけちゃった?軽い脳震盪みたいなものだから心配ないよ」

⏰:08/05/30 23:35 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#50 [果樹]
優しく笑う咲良はどこか儚げで今にも消えてしまいそうだった。

「本当に?」

「心配しすぎ。大丈夫だから」

不安を拭い切れない俺が聞き返すと、咲良は笑って返事をした。

「今日桜の木の下、行けなかった」

窓の外を見ながら言う咲良に一瞬俺は目を奪われた。

⏰:08/05/30 23:37 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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